築45年住宅の屋根葺き替え施工事例|煙突補修も同時に実施

工事部長の村松です。札幌市南区のお客様から、築45年ほど手入れをしていない屋根の相談をいただき、屋根葺き替えの工事を行いました。板金を張り替えるだけの工事に見えても、実際に古い屋根材を剥がしてみると、屋根そのものだけでなく煙突やダクトカバーにも傷みが広がっているケースが少なくありません。今回の現場もそのひとつで、板金の交換に加えて、ひびが入って崩れかけていた煙突の補強修理、古い木製ダクトカバーの交換まで一度に対応することになりました。

屋根葺き替えに至った現場の状況

屋根葺き替えとは、既存の屋根材を撤去し、下地の防水シートから新しく作り直す工事です。屋根の一部を直す部分補修とは異なり、屋根全体の防水性能をゼロから見直せる工事になります。

今回の建物は築45年ほどで、これまで大きな手入れをしていない状態でした。屋根に上がって見ると、板金の表面は色あせと錆で覆われ、部分的には塗膜が浮いて下地が見えているところもありました。

施工前、色あせと錆が目立つ屋根葺き替え前の板金屋根(札幌市南区)
施工前、色あせと錆が目立つ屋根葺き替え前の板金屋根(札幌市南区)

屋根と一体になっている煙突も、長年の凍結と融解の繰り返しでひび割れが目立っていました。札幌の1月の平均気温は平年で-3.2℃、真冬日も年間43.6日ほどあります(出典)。屋外に立つコンクリート製の煙突は、この寒暖差を毎年受け続けるうちに表面が割れやすくなっていきます。

ひび割れが入り金属バンドで補強された既存の煙突
ひび割れが入っていた既存の煙突

ダクトカバーも古い木製のままで、雨や雪にさらされ続けたことで、板が反ったり腐っている箇所がありました。屋根全体を見渡すと、板金・煙突・ダクトカバーのそれぞれが、別々の理由で修理の時期を迎えている状態でした。

古い木製のダクトカバーと煙突が残る屋根全体の様子
古い木製のダクトカバーと煙突が残る屋根全体の様子
アンテナや煙突が並ぶ屋上の全体風景
アンテナや煙突が並ぶ屋上の全体風景

ここまでの傷みが重なると、板金だけを交換しても数年後に別の不具合が出てくる可能性が高くなります。屋根の張り替えと合わせて、煙突とダクトカバーもまとめて手を入れる工事の流れをご説明します。

古い板金を剥がしてから新しい屋根に仕上げるまでの流れ

既存の板金を撤去したあと、下地に防水シートを張り直し、新しい板金と棟部分の板金を取り付けて仕上げます。煙突とダクトカバーの補修は、板金工事と並行して進めました。

STEP
既存屋根材の撤去

古い板金屋根を剥がし、下地の傷み具合を確認します。ここで想定より下地が傷んでいれば、補強の範囲を見直します。

STEP
防水シートの施工

新しい防水シート(ルーフィング)を屋根全体に張り、雨水が下地に入り込まないようにします。屋根の張り替えの中でも、仕上がりの見た目に出ない分、後々の雨漏りを左右する工程です。

STEP
新しい板金の取り付け

板金を屋根の流れに沿って張り、棟や谷の部分は別の板金で継ぎ目をふさぎます。継ぎ目の処理が甘いと、そこから雨水が入りやすくなります。

STEP
煙突とダクトカバーの補修

ひびが入った煙突は鉄板で巻いて補強し、古い木製のダクトカバーは撤去して樹脂製の新しいカバーに交換します。

新しい防水シートを敷き込んだ屋根の下地
新しい防水シートを敷き込んだ屋根の下地

下地に張った防水シートの上に、新しい板金を並べていきます。注意:屋根の上での作業になるため、天候と足場の状態を見ながら進める必要があり、雨の日や強風の日は作業を止める判断も必要になります。

職人が新しい板金屋根材を設置している作業風景
職人が新しい板金屋根材を設置している作業風景

板金を張り終えたら、棟の部分に仕上げの板金を取り付けます。ここがきちんと収まっているかどうかで、屋根全体の防水性能が変わってきます。

新しい板金で仕上がった棟部分の屋根
新しい板金で仕上がった棟部分の屋根
棟の板金を取り付けている最中の様子
ダクトカバーを設置

屋根の張り替えが仕上がったあとは、煙突とダクトカバーの補修状況も含めて全体を確認します。板金だけを見て終わりにせず、屋根に付随する設備も一緒に見ておくことが、この先の不具合を減らすことにつながります。

ダクトカバーと煙突の補修に使った材料

今回は木製だった古いダクトカバーを樹脂製のカバーに交換し、ひび割れていた煙突は鉄板を巻いて補強しました。

木製のダクトカバーは、雨や雪にさらされ続けると数年から十数年で反りや腐食が出てきます。樹脂製のカバーは軽く、腐食しにくいため、屋根の上という点検しづらい場所には向いていると感じています。煙突については、ひび割れたコンクリートをすべて作り直す方法もありますが、今回のように鉄板で巻いて補強する方法のほうが、工期と費用のバランスが取りやすい場合があります。

補強修理を終えた煙突とダクトカバー周辺の様子
補強修理を終えた煙突とダクトカバー周辺の様子

ただし、鉄板で巻く補強はひび割れの進行を抑える方法であり、内部の劣化そのものを直すわけではありません。ひびの深さや範囲によっては、この方法では対応できず、煙突自体の作り直しが必要になることもあります。

築45年の屋根を葺き替えて分かったこと

板金を剥がしてみるまで、下地や煙突がどこまで傷んでいるかは正確には分かりません。今回も屋根に上がって初めて、板金だけでなく煙突とダクトカバーまで手を入れる判断になりました。

屋根の状態によって、どこまでの工事が必要になるかは変わってきます。目安として整理すると、次のようになります。

屋根の状態対応の目安
色あせや小さな錆がある程度部分補修や再塗装で対応できることが多い
錆が広範囲に及び、下地に浸水の跡がある屋根葺き替え(全面の張り替え)を検討する目安
煙突にひび割れや欠けが見られる鉄板巻きなどの補強修理、または作り直しを検討

今回は錆が広範囲に及んでいたことと、下地の傷みが確認できたことから、部分補修ではなく屋根の張り替えをお勧めしました。目先の費用だけを見ると部分補修のほうが安く済みますが、下地まで傷んだ状態で表面だけ直しても、数年でまた同じ症状が出てくる可能性が高いと感じています。

工事を終えて、お客様からいただいた言葉

工事後、お客様からは「気になっていた屋根、やって良かったです」というお言葉をいただきました。

気になっていた屋根、やって良かったです。

お客様

屋根は普段の生活の中で目に入りにくい場所です。だからこそ、色あせや錆が出てから時間が経っている住宅は少なくないと感じています。札幌市南区をはじめ、道内は積雪と寒暖差が屋根に負担をかける地域です。気になる点があれば、現地を確認したうえでお見積りをお出しできますので、屋根の状態を一度見てほしいという段階でもご相談いただければと思います。

よくある質問

屋根の葺き替えはどのくらいの築年数で必要になりますか?

目安として20〜30年前後で検討する方が多い印象ですが、雪や凍害の影響を強く受けた屋根では、それより早く傷みが進むこともあります。現地を見て判断しています。

屋根葺き替えと部分補修はどちらを選べばいいですか?

錆や傷みが広範囲に及び、下地まで浸水した跡がある場合は葺き替えを検討します。傷みが浅い範囲であれば部分補修で対応できることもあり、現地確認の上でご提案しています。

煙突にひびが入っているけれど、まだ使えますか?

小さなひびであれば鉄板で巻いて補強する方法で対応できる場合がありますが、ひびの深さや範囲によっては煙突自体の作り直しが必要になることもあります。

屋根の工事は冬でもできますか?

雪や凍結がある時期の屋根作業は足元が滑りやすく危険なため、当社では気候が安定している時期を優先してご案内することが多いです。状況により現地でご相談しています。

見積りは無料ですか?

現地を確認したうえでお見積りを出しています。屋根の状態は上がって見なければ分からない部分が多く、写真だけでの正確な判断は難しいため、現地確認をお願いしています。

この記事を書いた人

村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。



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