工事部長の村松です。札幌市内の集合住宅で、キッチンの排水が流れにくいという管理会社様からのご相談を受けました。原因がはっきりしないまま高圧洗浄だけを繰り返すと、症状がぶり返すことがあります。詰まりを放置すると逆流や悪臭につながることもあり、次にどんな工事が必要か判断できずに困っているというお話でした。今回は管内カメラ調査を行い、配管の内部を直接確認して詰まりの位置と原因を特定した事例を紹介します。共用配管が絡む集合住宅では、原因を見極めてから対応を決めることが工事全体の無駄を減らす近道になると感じています。
排水の詰まりが直らない時に管内カメラ調査を選ぶ理由
詰まりの原因や位置が分からないまま工事を進めると、無駄な費用や工期がかかることがあるからです。
管内カメラ調査とは、排水管の内部に小型カメラを通し、映像で詰まりの位置や状態を直接確認する調査方法です。
排水管の詰まりは、油脂の付着や配管内のスケール、勾配の不良など複数の原因が重なって起きることが多い印象です。集合住宅では複数の世帯の排水が一本の配管に集まるため、専有部分だけでなく共用部分の配管まで確認が必要になる場合があります。高圧洗浄だけで対応すると、詰まりの手前までしか洗浄できず、奥に別の原因が残っていることもあります。
札幌の冬場は屋外の配管が凍結や雪の重みで変形することもあり、室内だけでなく屋外側の配管まで含めて確認したほうが安心な場合もあります。
ご依頼の背景と現場の状況
管理会社様から、キッチン排水の流れが悪く原因を特定してほしいというご依頼でした。
管理会社は入居者からの申告を受けて調査を依頼することが多く、共用配管が絡む可能性がある場合は、専有部分の修理だけでは解決しないため、まず現状を正確に把握したいという要望が増えている印象です。
今回は管理会社様立ち会いのもと、シンク下の配管に穴を開けてカメラを挿入する許可をいただいてから作業を始めました。集合住宅の場合、専有部分の配管であっても管理規約によって工事の可否が変わるため、最初に許可を確認する手順を欠かせません。
調査当日の作業の流れ
配管に調査用の穴を開けてカメラを挿入し、詰まりの位置を映像で確認してから穴を応急処置して終える流れです。
現場には自走式のカメラスコープやモニター一体型の記録機材を運び込みました。

自走式のカメラスコープや配管を保護するための敷き物、記録用の機材を用意し、管理会社様に作業内容と手順を説明してから準備を始めます。
シンク下の配管の継手部分にドリルで穴を開け、カメラのケーブルを通せる挿入口を確保します。穴の大きさは配管の口径に応じて調整します。
開けた穴からカメラを挿入し、モニターの映像を見ながら配管の内部を進めていきます。今回は数m先で詰まりの位置を確認できました。
作業自体はその場では行わず、開けた穴に防水テープなどで応急処置を施して原状に戻し、映像を管理会社様に報告して調査を終えました。
実際に配管へ開けた挿入口と、カメラケーブルが通る様子は次の写真の通りです。


なお、映像で詰まりの位置が分かっても、配管の破損状況によっては追加の内部調査が必要になることもあります。この方法だけで原因のすべてが分かるわけではありません。
調査で使用した機材とポイント
自走式のカメラスコープとモニター一体型の記録機材を使い、配管内部の状態をその場で確認しました。
ケースに収納したスコープ本体と、防水仕様のモニター、記録用のノートパソコンなどを現場で展開します。今回は室内での作業だったため、床を傷つけないよう保護シートを敷いてから機材を広げました。
配管の口径や調査する距離によって、使うケーブルの長さや先端カメラの大きさを選びます。集合住宅の共用配管は距離が長くなることもあるため、自走式のスコープを使うことが多い印象です。
調査でわかったことと工事部長としての判断
数m先で詰まりの位置を確認できましたが、その場では工事をせず、開けた穴の応急処置のみで調査を終えました。
詰まりの位置や配管内部の状態が映像で分かれば、次に必要な対応の見当をつけやすくなります。ただ、集合住宅の場合、共用部分か専有部分かで費用の負担や工事の範囲が変わることが多く、その場で工事に進めるかどうかは管理会社様の判断が必要になります。
排水管の詰まりは原因によって必要な対応が変わります。一般的な目安は次の通りです。
| 想定される原因 | 主な対応 |
|---|---|
| 油脂やスケールの付着 | 高圧洗浄で除去することが多い |
| 配管の破損・劣化 | 部分的な配管交換が必要になる場合がある |
| 勾配の不良 | 配管の是正工事を検討する |
| 屋外配管への木の根侵入 | 掘削して撤去・交換する |
今回の現場では、映像から詰まりの位置と配管内部の状態を確認できたため、次にどの対応が適しているかを管理会社様と相談しながら決めていく流れになりました。
費用の目安とご相談の流れ
当社で対応した範囲では3万円から5万円程度(税別)が目安ですが、配管の状況によって変わるため現地確認後にお見積りしています。
集合住宅の場合、共用部分の調査は管理組合や管理会社様との調整が必要になることが多く、調査の範囲や立ち会いの有無によって費用が変わります。
八方ふさがりでしたが、管内カメラ調査という選択肢で次にやるべきことがはっきりとわかったので助かった
管理会社様
私たち北嶺建設は清田区を拠点に、札幌市内全域の集合住宅や戸建てで排水管のトラブルに対応しています。詰まりの原因が分からず工事の判断に迷っている場合は、管内カメラ調査から始めることで、次に必要な対応がはっきりします。まずは症状をお伺いし、必要に応じてカメラでの内部調査からご案内しています。
よくある質問
管内カメラ調査をすると排水管の詰まりはすぐ解消しますか?
調査自体は原因や位置を特定するための作業で、その場で詰まりを取り除く工事ではありません。位置が分かった後、高圧洗浄や部分的な配管交換など状況に応じた対応をご提案しています。
賃貸マンションでも調査を依頼できますか?
管理会社や管理組合からのご依頼で調査に入ることは多くあります。共用部分か専有部分かで対応範囲が変わるため、事前に管理会社様と調整させていただいています。
調査だけで終わることはありますか?
今回のように、詰まりの位置を確認した後は応急処置のみで作業を終える場合もあります。追加の工事が必要かどうかは、調査結果をもとに管理会社様やお客様と相談して決めています。
費用はどのくらいかかりますか?
当社で対応した範囲では3万円から5万円程度(税別)が目安ですが、配管の口径や調査距離によって変わるため、現地確認後にお見積りしております。
どんな詰まりの原因が多いですか?
油脂の付着や配管の勾配不良、経年劣化による内部の剥離などが多い印象です。マンションの場合は複数世帯の排水が集まる共用配管で発生することもあります。
村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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