工事部長の村松です。札幌市清田区にお住まいのお客様から、築25年になる住宅の外壁塗装について相談をいただきました。もともとハウスメーカーで建てた住まいでしたが、担当者との連絡が取りづらくなり、近くで気軽に相談できる地元の建築屋を探していたとのことです。建築当初から一度も塗り替えをしておらず、外壁のシーリングにも目立つ劣化が出ていました。今回はこの現場で実際に行った外壁塗装とシーリング打ち替え、屋根塗装の内容を、写真とともにご紹介します。
築25年、ノーメンテだった外壁の劣化状況
外壁塗装とは、劣化した外壁の塗膜を塗り直し、防水性と美観を回復させる工事です。
築25年間塗り替えをしていない外壁は、目地のシーリングが硬化してひび割れや破断が進んでいる状態でした。
現地で確認すると、清田区のこの住宅でも外壁材そのものの色あせに加え、窓枠周りや外壁の入隅部分でシーリングが剥離している箇所が複数見つかりました。ハウスメーカーの新築時に施工されたシーリングは、性能上10年前後で寿命を迎えるものが多く、25年間手を入れていない状態では硬化してゴムのような弾力を失っているのが普通です。屋根も塗膜の劣化で色あせが進み、雪解け水や紫外線の影響を受けやすくなっていました。


シーリングの破断とひび割れが教えてくれること
シーリングの破断は防水切れのサインで、放置すると雨水が下地に入り外壁材の劣化を早めます。
シーリングは外壁材と外壁材、外壁材と窓枠のすき間を埋め、雨水の侵入を防ぐ役割を持っています。札幌の場合、冬は氷点下、夏は30℃近くまで気温が上がるため、シーリングは一年を通して伸縮を繰り返しています。気象庁の平年値では1月の平均気温は-3.2℃で、真冬日も年間43.6日ほどあります(出典)。この寒暖差にシーリングの劣化が加わると、目地の隙間から水が入り込み、外壁材の内部で凍結と融解を繰り返す凍害につながることがあります。今回の現場でも、入隅や窓枠周りのシーリングが硬化してひび割れ、一部は剥離して下地が見えている箇所がありました。



外壁塗装工事の流れ
今回の外壁塗装工事は、外壁補修、外壁と屋根の塗装、シーリング打ち替えの三つを組み合わせて進めました。
順番を誤ると仕上がりに影響するため、下地の状態を確認しながら次のように進めています。
外壁と屋根の汚れ、コケ、古い塗膜の粉化した部分を高圧洗浄で洗い流します。塗料の密着を良くするための下地づくりの工程です。
既存の劣化したシーリングを撤去し、新しいシーリングを充填します。ひびや欠けがある外壁材は補修材で平滑に整えます。
下塗りで塗料の密着性を高め、中塗り・上塗りで色と防水性を仕上げます。塗り重ねる回数を守ることで塗膜の耐久性が変わってきます。
屋根も外壁と同様に洗浄後、下塗りから上塗りまで塗り重ねます。札幌の紫外線や雪の影響を受けやすい面なので、塗料の選定は劣化状況に合わせています。
塗装のムラやシーリングの充填状態を一箇所ずつ確認し、施工前に気になっていた箇所が直っているかをお客様と一緒に確認します。
必要な範囲だけを見極めて直す判断
外壁塗装は全面を同じように扱うのではなく、傷みの度合いに応じて手をかける範囲を変える判断も必要だと考えています。
今回のお客様からは、予算に合わせて必要な箇所を優先してほしいというご要望をいただきました。外壁全体の色あせは共通していましたが、シーリングの傷み方や外壁材の劣化度合いは面によって差があります。傷みが少ない面まで一律に補修材を厚く盛ると、費用がかさむだけでなく見た目のバランスが崩れることもあります。逆に傷みの大きい面を後回しにすると、雨水の侵入や凍害が進んで、数年後に外壁材ごとの交換が必要になるおそれもあります。
| 項目 | 全面補修 | 部分補修(傷みに応じた対応) |
|---|---|---|
| 費用 | 高くなりやすい | 傷みの範囲に応じて抑えやすい |
| 仕上がりの均一感 | 高い | 面によって多少差が出ることがある |
| 将来のメンテナンス | 一度で長期間持ちやすい | 傷みの早い面は次回また手を入れる可能性がある |
今回は外壁材の劣化が比較的均一だったため、外壁と屋根の塗装は全面で行い、シーリングと下地補修は傷みの大きい箇所を重点的に直す形で進めました。この判断ができたのは、事前の現地調査で面ごとの傷み方の差を確認できたからです。
ただし、既存の外壁材そのものにひびや浮きが広範囲に見つかった場合は、部分補修では対応できず、張り替えなど大掛かりな工事が必要になるケースもあります。
外壁塗装を終えた住まいの仕上がり
シーリング打ち替えと外壁・屋根塗装を終えた外観は、色あせと目地の傷みが解消され、明るい印象に変わりました。
塗装前は全体的にグレーがかって見えていた外壁が、塗り替え後は白系の色味がはっきりと出て、窓枠やサッシとのコントラストも整いました。シーリングも打ち替えたことで目地がまっすぐ通り、見た目の印象も引き締まっています。





見違えるように綺麗になって嬉しい。
お客様
築25年でノーメンテのまま過ごしてきた外壁でも、傷みの範囲を見極めて手を入れることで印象を大きく変えることができます。外壁塗装や屋根塗装、シーリングの打ち替えを検討している方は、清田区の現場で確認したような劣化のサインが出ていないか、まずは気になる箇所から一緒に見させていただければと思います。
よくある質問
外壁塗装はどのくらいの周期でやればいいですか?
目安として10〜15年程度で色あせやシーリングの劣化が出やすい印象ですが、方位や下地材によって差があります。ひび割れや剥がれが見えたら早めに現地確認を受けることをおすすめします。
全面を塗り替えなくても大丈夫ですか?
劣化の少ない面は塗装を見送り、傷みの大きい面やシーリングだけを重点的に直す方法もあります。ただし下地の状態によっては全面補修が必要になる場合もあります。
シーリングだけ打ち替えることはできますか?
可能ですが、外壁塗装と合わせて行うと足場代を一度で済ませられ、結果的に総額を抑えられることが多い印象です。
冬に外壁塗装はできますか?
気温が低いと塗料の乾燥や密着に影響するため、札幌では春から秋にかけて施工するのが基本です。現地確認のうえで施工可能な時期をご案内しています。
費用はどのくらいかかりますか?
建物の規模や劣化の範囲で大きく変わるため、現地確認後にお見積りをお出ししています。必要な範囲だけを直す提案も可能です。

村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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