浴室折戸が閉まらない時のカバー工法交換事例

工事部長の村松です。札幌市内で築35年以上の戸建て住宅にお住まいのお客様から、浴室の折戸が閉まらなくなったというご相談をいただきました。脱衣所に水が漏れたり浴室の音が響いたりする状態が続いていたとのことです。浴室 折戸のトラブルは蝶番や戸車の劣化だけでなく枠自体の歪みが原因になっていることも多く、既存品と同じ商品が廃番になっているケースも少なくありません。今回はカバー工法で新しい折戸に交換した工事の流れをご紹介します。

浴室 折戸が閉まらなくなった原因と現場の状況

浴室の折戸が閉まらなくなる主な原因は、長年の使用による枠の歪みと戸車・蝶番の劣化です。浴室 折戸とは、浴室の出入り口に使われる、折れ曲がって開閉するタイプの建具のことです。

今回のお宅では、長年の使用で木製の枠が歪み、扉がレールに引っかかって閉まりきらない状態になっていました。

実際に確認すると、戸を閉めても数センチの隙間が残り、そこから浴室内の湿気や音が脱衣所側に伝わっていました。下部のレールも摩耗していて、開閉のたびに引っかかる音がしていました。築30年を超える住宅では、枠の木部が湿気を吸って少しずつ変形し、建具の動きが悪くなるケースをよく見かけます。

閉まらなくなった折戸のレール部分を手で調整している様子。
閉まらなくなった折戸のレール部分を手で調整している様子。
交換前の浴室折戸を開けた状態。木製枠とアルミ框の折戸がすでに傷んでいます。
交換前の浴室折戸を開けた状態。木製枠とアルミ框の折戸がすでに傷んでいます。
交換前のユニットバス入口の様子。折戸を開けると洗い場と椅子が見えます。
交換前のユニットバス入口の様子。折戸を開けると洗い場と椅子が見えます。

築年数の古い住宅では、折戸そのものが製造終了になっていることも珍しくありません。同じ商品を探すよりも、今の開口寸法に合わせて新しい建具を選ぶほうが現実的な場合が多いです。

既存品が廃番だったためカバー工法を選択した経緯

既存の折戸と同じ型式の商品が廃番だったため、既存の枠を残したまま新しい枠と折戸を被せるカバー工法を選びました。

枠ごと解体して作り直す在来工法だと、壁や床のタイルまで一部撤去することがあり、工期も長くなります。カバー工法は既存の枠の上から新しい枠を取り付けるため、解体する範囲が小さく、当日中に作業を終えられるのが利点です。今回はリクシルのリシェントを使用しました。

ただし、既存の開口が極端に小さい、または枠自体が大きく腐食している場合は、カバー工法でも寸法が合わずに納まらないことがあります。その場合は枠ごと作り直す工事が必要になり、費用も工期も変わってきます。

解体を抑えたカバー工法の工事の流れ

工事は既存の折戸を外すところから始まり、枠の調整、新しい枠と折戸の取付、シーリングまで、当日3時間かからないくらいで終わりました。

STEP
既存の折戸を取り外す

蝶番と戸車を外し、古い折戸をレールから取り除きます。枠自体は残すため、周囲を傷めないよう慎重に作業します。

STEP
既存枠の清掃・調整

枠に残った古いパッキンやビスを外し、新しい枠を取り付けられるように面を整えます。歪みが大きい場合はここで補修します。

STEP
新しい枠の取付

新しいアルミ枠を既存の木枠に固定します。上下左右の隙間を確認しながら、水平と垂直をしっかり出します。

STEP
折戸の取付と動作確認

新しい折戸を枠に取り付け、実際に何度も開閉して引っかかりや音がないかを確認します。

STEP
シーリング処理と最終チェック

枠と壁の隙間にシーリングを施し、水が入り込まないようにして作業終了です。

既存枠を外した後、新しい枠を取り付けるための調整作業をしている様子。
既存枠を外した後、新しい枠を取り付けるための調整作業をしている様子。
新しい枠の上部を固定している作業中の様子。
新しい枠の上部を固定している作業中の様子。
枠の取付後、マスキングテープでシーリング前の下地を保護している様子。
枠の取付後、マスキングテープでシーリング前の下地を保護している様子。

解体をほとんど行わないため、当日中に浴室を使える状態まで戻せるのも助かる点です。特に冬場の札幌では、浴室を長時間使えなくなるのは避けたいところです。

カバー工法のメリットと開口寸法への影響

カバー工法は既存の枠を壊さず短時間で浴室ドアを交換できる一方、開口サイズがわずかに小さくなる点は事前に確認しておく必要があります。

項目在来工法(枠ごと交換)カバー工法
工期1〜2日程度半日程度
壁や床への影響タイルの一部撤去が必要になることがあるほとんど影響しない
開口寸法変わらないわずかに小さくなる
向いているケース枠自体が大きく腐食している場合枠がまだしっかりしている場合

開口が数センチ小さくなっても、実際の使い勝手に影響するケースは多くありません。当社で対応した範囲では、車椅子での出入りなど特別な事情がない限り、気にならない程度の差です。

今回の費用と工期の目安

今回の工事は材料費・施工費込みで10万円前後(税別)、工期は半日以内が目安でした。

費用は開口の寸法や折戸のグレード、既存枠の状態によって変わります。枠の腐食が進んでいる場合は補修費用が加わることもあるため、正確な金額は現地確認後にお見積りしています。札幌市内であれば清田区に限らずお伺いしていますので、まずは現状を見せていただくのが一番です。

築年数がある浴室ドアを交換する判断の目安

隙間から水や音が漏れる、開閉のたびに引っかかる、といった症状が出ていれば、交換を検討していい時期だと感じています。

今回のお宅も、脱衣所に水が漏れたり浴室の音が響いたりする状態を、しばらく様子を見ながら使っていたそうです。折戸自体の不具合は見た目では分かりにくいこともありますが、隙間や音の変化は生活の中で気づきやすいサインです。安いからと放置して湿気が壁の中まで回ると、後の補修範囲が大きくなり、結果的に費用もかさみます。

浴室 折戸をカバー工法で交換した後の様子。枠を壊さず新しい折戸を設置しています。
浴室 折戸をカバー工法で交換した後の様子。枠を壊さず新しい折戸を設置しています。
交換後の浴室折戸を開けた状態。ユニットバス内部まで明るく見通せます。
交換後の浴室折戸を開けた状態。ユニットバス内部まで明るく見通せます。

交換後は隙間なく閉まるようになり、脱衣所への水や音の漏れも解消しています。築年数が古い住宅ほど、早めに相談していただくほうが工事の選択肢が広く残っていると感じています。

よくある質問

浴室の折戸が閉まらないのですが、修理と交換どちらがいいですか?

蝶番や戸車の調整だけで直る場合もありますが、枠自体が歪んでいたり商品が廃番になっている場合は、カバー工法での交換をお勧めすることが多いです。現地を見ないと判断できない部分もあります。

カバー工法だと開口が狭くなると聞きましたが、生活に支障はありませんか?

数センチ程度小さくなることが多いですが、当社で対応した範囲では、日常の出入りで気になるという声は少ない印象です。車椅子を使うなど特別な事情がある場合は事前にご相談ください。

工事中はお風呂に入れませんか?

今回の工事は3時間かからないくらいで終わっているため、当日の入浴に大きな支障は出にくいと感じています。工事内容によって時間は前後します。

折戸が廃番かどうかはどう確認すればいいですか?

メーカーや型式が分かれば型番から確認できますが、古い住宅では表示が消えていることも多く、現地を見て判断する場合がほとんどです。

費用はどのくらいかかりますか?

今回のケースは材料費・施工費込みで10万円前後(税別)が目安でしたが、開口寸法や枠の状態によって変わるため、現地確認後にお見積りしています。

この記事を書いた人

村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。



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