この記事でわかること
- 繰り返す店舗のトイレ詰まりに排水管カメラ調査が有効な理由
- 古いビルで多い「塩ビ管→鉄管の切り替わり」が詰まりを起こす仕組み
- 応急処置と根本解決(配管更新)の選択肢と判断の考え方
工事部長の村松です。「最近トイレの詰まりが何度も起きる」——そのご相談で、札幌市中央区の古いビル内にある店舗へ、排水管カメラ調査に伺いました。詰まりが繰り返されるということは、詰まり抜きで取り除けていない「何か」が管の中に残っている可能性が高い。実際にカメラで確認すると、その原因はかなりはっきりした形で映像に現れました。
詰まりが繰り返されると、店舗の場合は営業停止に直結します。そのまま放置すれば、詰まり抜き費用が積み重なる一方で管の劣化は進み、最終的にはより大がかりな補修が必要になることもあります。この記事では、今回の調査で見えたこと、判断の経緯、そして今後の対応の考え方をお伝えします。
ご依頼の背景:何度も詰まり抜きを頼んでいた店舗
繰り返す詰まりの本当の原因は、「今起きている詰まり」ではなく、配管の状態そのものにあることが少なくありません。
中央区のビル内にあるこちらの店舗では、ここ最近、別の業者さんに何度も詰まり抜きを依頼していたとのことでした。その都度は解消するのですが、しばらくすると同じ症状が再発する。「また呼ばなければいけないのか」という疲弊感を持ちながら、今回私たちにご連絡をいただきました。
まず現地でヒアリングしたのは、建物の築年数、過去の詰まり頻度、前の業者さんがどんな対応をしていたかの3点です。古いビルであること、詰まりが特定の場所(トイレ)に集中していること、詰まり抜きで一時的には解消することが確認できました。この段階で、管内に問題が残っている可能性は高いと判断し、カメラ挿入に進みました。

排水管カメラ調査で見えたこと:鉄管の錆が詰まりの起点だった
排水管カメラ調査とは、配管の内部に小型カメラを送り込み、管の状態を映像で直接確認する診断方法です。目視では絶対に届かない場所の状況が、リアルタイムで手元のモニターに映し出されます。

トイレ側からカメラを挿入し、奥に向かって進めていくと——カメラで確認できた範囲は、全区間が鉄管(鋳鉄管)でした。内面には経年による錆こぶやスケールの付着が見られます。後から外部で確認したところ、この先で管の材質が塩ビ管に切り替わっていました。

鉄管の内側は、錆によって表面がざらついており、凹凸が無数にできている状態でした。カメラ映像では深さ6.1〜6.4メートル付近でその様子が確認でき、流れてきたトイレットペーパーや汚れがそのざらつきに引っかかり、堆積していく構造がはっきりとわかりました。詰まり抜きでいったん除去できても、ざらつきが残る限り同じ場所でまた止まります。これが繰り返しの正体です。

この「塩ビ管から鉄管への切り替わり」は、古いビルではよく見られる配管構成です。後から改修された部分だけ新しい素材(塩ビ)になっていて、元の配管(鉄)がそのまま残っているケースです。今回もまさにその構造で、調査前から「ありえるな」とは思っていましたが、映像で確認してようやく確信を持てました。
調査の流れ:現場到着からご報告まで
今回の調査は、ヒアリング・カメラ挿入・映像確認・ご報告という流れで進めました。
中央区のビル内店舗を訪問。築年数、過去の詰まり履歴、前の業者さんの対応内容をヒアリングしました。床下や配管の取り回しも含め、建物全体の構成を頭に入れてから作業に入ります。
店舗前の歩道スペースにカメラ機材と高圧ホースリールを設置。モニター付きの操作ユニットでカメラ映像をリアルタイムに確認しながら挿入を進められるようセットしました。
トイレ側から管内カメラを挿入し、奥へ進めながら管内の状況を映像で記録。最初の数メートルが塩ビ管、その先が鉄管に切り替わっており、深さ6.1〜6.4メートル付近で錆によるざらつきと堆積の様子を確認しました。
撮影した映像をその場でオーナー様に確認していただきながら、なぜ詰まりが繰り返されるのかを説明。言葉だけでなく映像で見ていただくことで、状況の深刻さと原因の所在が共有できました。
応急処置(詰まり抜き)を続けるか、鉄管部分を塩ビ管に更新して根本から解決するかの2つの選択肢を提示。営業への影響を最小化する工程の相談も含め、ご検討をお願いして退出しました。
床下の配管構成:古いビルで見えてきた現実
今回、調査の過程で床下の配管状態も確認しました。古いビル特有の、さまざまな時期に手が加えられた配管が入り混じる状況です。

床下では、塩ビ管・鉄管・グレーの排水管が混在しており、それぞれの継ぎ目にはSAジョイント(低圧専用継手・ニッカン製)が使われていました。複数の管材が混在している配管は、それぞれの劣化速度が異なるため、どこか一箇所が問題になると他の部分への影響も考慮が必要になります。

また、床下では古い鉄管の保温材(アルミ箔テープ巻き)が劣化し、一部が剥がれている状態も見受けられました。配管の老朽化は、詰まりだけでなく水漏れや継ぎ目の緩みにも発展します。今回の調査はトイレ詰まりがきっかけでしたが、建物全体の配管が更新時期に差し掛かっている可能性を示している現場でもありました。
応急処置と配管更新——どちらを選ぶかの判断軸
詰まり抜きを続けるか、配管を更新するかは、コストと営業リスクのどちらを優先するかによって変わります。
| 対応 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 詰まり抜き(応急処置) | 費用が比較的小さい・即日対応可能 | 根本原因が残るため再発しやすい・累積コストがかさむ |
| 鉄管部分の配管更新 | 詰まりの根本原因を解消・再発リスクが大幅に下がる | 工事費用と施工日数が必要・営業調整が必要な場合がある |
今回の現場で言えば、詰まり抜きを何度繰り返しても鉄管の錆によるざらつきは取り除けません。詰まりを起こす構造が管の中に残り続ける以上、また同じ場所で止まるのは時間の問題です。一方、配管を更新すれば根本的な解消が期待できますが、工事には営業への影響を最小化する工程調整が欠かせません。
最終的な判断はオーナー様のご状況によります。ただ、詰まり抜き費用が積み重なってきているなら、その累積と配管更新の費用を比較してみることが、判断の出発点になると私は思っています。なお、配管更新の費用は管の範囲・状態・アクセスのしやすさによって大きく変わりますので、必ず現地確認後にお見積りします。繰り返す詰まりでお困りの方は、トイレが流れない場合の対応事例も参考にしていただけると、状況の整理に役立つかもしれません。
お客様の声と、私たちが大切にしていること
映像で原因を共有したことで、今回のオーナー様には状況をご自身の目で確認していただけました。
営業中に何度も詰まって困っていましたが、カメラで管の中を見せてもらって繰り返す理由にようやく納得できました。お店の都合に合わせて工事の進め方も相談できそうで、直すかどうかをこちらのペースで考えさせてもらえたのも助かりました。
札幌市中央区・店舗オーナー様
私たちが排水管カメラ調査を重視する理由は、「原因を見える化する」ためです。「詰まりやすい配管です」と言葉だけで説明しても、オーナー様にとっては判断材料になりません。でも実際の映像を一緒に見れば、なぜ繰り返すのかが一目でわかります。そのうえで選択肢を提示する——それが、私たちの仕事の順序だと考えています。
今回の現場では、根本解決か応急処置かの判断をオーナー様にお任せして退出しました。急かすことはしません。ただ、「もう繰り返したくない」と思われたタイミングで、いつでもご連絡をいただければ、配管の更新工事まで対応できます。札幌市中央区を含む市内全域で、店舗・テナントの排水管まわりの調査・工事に対応しています。まずは現地確認からご相談ください。
よくある質問
トイレの詰まりが何度も繰り返される場合、カメラ調査は必要ですか?
繰り返す詰まりは、配管内部に根本的な原因が残っている可能性が高い状態です。詰まり抜きで一時的に解消しても再発するケースでは、管内カメラで原因箇所を特定してから対応方法を選ぶことをお勧めしています。
排水管カメラ調査だけ(工事なし)でも依頼できますか?
調査のみのご依頼も承っています。まず現状を把握してから工事するかどうかを判断したい、という場合も対応可能です。調査費用は管の長さや本数によって変わりますので、現地確認後にお見積りします。
店舗の場合、工事中も営業は続けられますか?
工事の規模や配管の位置によりますが、営業時間外や定休日に合わせた工程調整が可能な場合があります。店舗の稼働スケジュールを伺いながら、影響を最小化する進め方をご提案しています。
鉄管の配管更新はどのくらいの費用・期間がかかりますか?
更新する管の範囲・長さ・アクセスのしやすさによって大きく異なるため、一律の金額は出せません。現地で配管ルートと作業範囲を確認したうえで見積りを提出しています。まずは現地調査のご相談からどうぞ。
古いビルの排水管は全部交換しないといけませんか?
必ずしも全部の交換が必要なわけではありません。カメラ調査で問題のある箇所を特定し、優先度の高い部分から対応するという段階的な方法もあります。建物の状態や予算に合わせてご提案します。
村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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