業務用エアコン 室外機 撤去の依頼で難しいのは、重量より搬出経路です。札幌市中央区のこの現場、約110kgの室外機が建物の裏手に2台並んでいました。正面からアクセスできない。そこが一番の問題でした。
- 業務用エアコン室外機の撤去工事の実際の流れ(3名体制の作業内容)
- 重量物搬出で注意すべき「搬出経路の確認」の重要性
- 撤去費用の目安と変動要因(台数・重量・経路)
- 後続工事をスムーズにするための前工事の考え方
現場の状況:建物裏手に眠っていた大型室外機2台

ご依頼をいただいたのは、札幌市中央区の集合住宅に近い建物。長年使われていなかった業務用エアコンの室外機が、建物の裏手の壁面架台に2台設置されたままになっていました。
1台は約60kg。もう1台は約110kg。
業務用の室外機は家庭用とは重さが全然違います。家庭用の標準的な室外機が20〜40kg程度であることを考えると、110kgというのはその2〜3倍。人力で動かすにはそれなりの人数と手順が必要になります。
今回の目的は、後日予定しているルームエアコン室外機の移設工事に備えて、設置スペースを確保すること。いわゆる「前工事」です。次の工事がスムーズに進むかどうか、この撤去の質にかかっています。
段取り八分、という言葉を私はよく口にします。着工前に何をどう確認するか、ここで工事の8割が決まる。今回の現場も、事前の経路確認がすべての起点でした。
施工の流れ:経路確認から搬出処分まで
着工前に必ず現地を見ます。室外機の型番・重量・配管の接続状況、そして搬出経路の幅と段差。今回は建物裏手から運搬車を停めた前面道路まで、人力で運ぶ経路を実際に歩いて確認しました。途中に擁壁(ようへき)があり、そこを越える方法を事前に決めておく必要がありました。
長年使われていなかった機器とはいえ、電源と配管の切り離しは順序を守って進めます。冷媒が残っていないかの確認、電源の遮断確認、配管の切り離し。ここを雑にやると後で問題になります。今回は電気まわりを電工さんと連携して進めました。餅屋は餅屋ですから、電気の安全確認は専門の目で見てもらうのが基本です。
壁面架台に固定されたボルトを外し、室外機を架台から降ろします。60kgの方は2人でなんとか対応できる重さ。問題は110kgの方です。動かし始めるタイミング、向きの変え方、それぞれの持ち位置。3人で声をかけながら、少しずつ動かしていきます。
今回の工事で一番手間がかかった工程です。建物裏手から前面道路まで、重量物を人力で搬出する必要がありました。途中に擁壁があり、台車が使えない区間があります。運搬用ベルトで固定しながら、3人で慎重に運び出しました。焦りは禁物。ゆっくり、確実に。
前面道路に停めた運搬車へ室外機を積み込みます。業務用室外機は家電リサイクル法の対象外ですが、フロン類(冷媒ガス)が残存している場合はフロン回収が必要になります。処分の段階でも法令の確認を怠らないことが大事です。
室外機を撤去した後、架台の撤去と周辺の清掃・整地を行いました。後続の移設工事がスムーズに進むよう、設置スペースをきれいに整えてお引き渡しします。前工事の仕上がりが、次の工事の出来に影響します。
搬出経路の確認が、重量物工事の核心


重量物の撤去工事で聞かれるのは「何キロまで運べますか」という質問です。でも、正直なところ、重さだけで判断はできません。
問題は経路です。
今回の現場は、建物の裏手から前面道路まで、段差を含む経路を人力で運ぶ必要がありました。経路の幅、段差の高さ、足元の状況、回せるスペースがあるかどうか。これを事前に確認しないと、当日になって「動かせない」という事態になりかねません。
当社で対応した範囲では、搬出経路の状況によって作業時間が2倍以上変わることもあります。見積もりの段階で現地を確認する理由はここにあります。
業務用エアコンの室外機にはフロン類(冷媒ガス)が封入されている場合があります。フロン排出抑制法により、撤去時には適切な回収が義務付けられています。撤去の際は必ず専門業者への確認を。
3名体制で動いた理由:人員配置も段取りのうち



今回は作業員2名+運搬車ドライバー1名の計3名体制で対応しました。110kgの室外機を安全に動かすには、最低でも3人は必要という判断です。
1人が経路を確保しながら誘導、2人が本体を支えて移動。この役割分担を事前に決めておかないと、現場で「どっちが持つ」「どっちに回す」という話になって無駄な時間が生まれます。
ここで迷う。何人でやるか、どう動くか。人数が多ければ安全かというと、そうでもない。狭い経路では人数が多すぎると逆に動きにくくなります。経路の状況と重量のバランスを見て、3名という判断でした。
以前、別の現場で重量物搬出の段取りが甘く、途中で手詰まりになったことがあります。その経験から、重量物の現場は経路と人員配置の確認を必ず着工前に終わらせる、と決めています。
業務用エアコン室外機の撤去費用と変動要因
費用について正直に言えば、「室外機の撤去」といっても条件によってかなり変わります。
- 室外機の台数(1台か2台か、それ以上か)
- 室外機のサイズと重量(家庭用と業務用では全然違う)
- 搬出経路の状況(段差・幅・距離・障害物の有無)
- フロン回収の要否
- 架台の撤去が必要かどうか
今回のように「建物裏手からの人力搬出が必要」「110kgクラスの重量物」という条件が重なると、作業負荷と人員確保のコストがそれなりにかかります。「安ければいい」という選択をした場合に、搬出途中で手が足りなくなったり、建物に傷をつけてしまうリスクがあることも覚えておいてほしい。
費用の目安は現地確認後にお見積りします。電話だけで出せる数字ではないので、ご理解ください。
まとめ:前工事を丁寧にやる理由
今回の撤去工事は、後日予定しているルームエアコン室外機の移設工事の「前工事」です。
前工事の出来が悪いと、後の工事がやりにくくなります。設置スペースが整っていない、架台の撤去が雑で残材が残っている、そういう状態で次の工事が来ると、余計な手間が増えます。
誰が次の工事をするかに関わらず、きれいに整えて渡す。それが前工事をやる側の仕事だと思っています。
札幌市内で業務用エアコンの室外機撤去や、重量物の搬出・処分でお困りの方は、北嶺建設にご相談ください。現地を見てから判断します。無理に工事をおすすめすることはありませんので、まずはお気軽にどうぞ。
よくあるご質問
業務用室外機の撤去費用はどのくらいかかりますか? 電話で概算を教えてもらえますか?
台数・重量・搬出経路の状況によって大きく変わります。当社で対応した範囲では、条件次第で費用が2倍以上変わることもあるため、現地確認後にお見積りしています。電話だけでの概算提示は難しい工事です。
長年使っていない室外機でも、フロンの回収は必要なのでしょうか?
フロン類が封入されている場合、フロン排出抑制法により適切な回収が義務付けられています。長年使われていない機器でも冷媒が残っているケースがあります。撤去前に必ず確認が必要です。
搬出経路が狭く、段差や障害物があるのですが、それでも撤去・搬出できますか?
搬出経路の状況によりますが、対応できるケースが多いです。段差・幅・距離・障害物の有無を事前の現地確認で確認し、人員配置と手順を決めてから着工しています。まずは現地を見せてください。
撤去だけでなく、搬出・処分まで一括でお願いできますか? 業務用室外機は家電リサイクル法の対象になりますか?
撤去から搬出・処分まで一括で対応しています。業務用室外機の処分は家電リサイクル法の対象外ですが、フロン回収など法令に沿った処分が必要です。適切に対応しますのでご安心ください。
撤去作業にはどのくらいの時間がかかりますか?
台数と搬出経路の条件によって異なります。今回のような2台・建物裏手からの人力搬出という条件では半日程度かかりました。事前の現地確認で作業時間の目安をお伝えしています。
村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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