工事部長の村松です。札幌市清田区で大型犬を2頭飼っているお客様から、大型犬 脱走防止のための格子扉を作ってほしいというご相談をいただきました。市販のペットゲートでは体当たりされるとすぐに壊れてしまい、玄関のドアを開けるたびに気が抜けないというお話でした。今回は玄関と居間の間の廊下に、完全オーダーメードの鉄製格子扉を設置しています。依頼の経緯から鉄工所での製作、取付までの流れをご紹介します。
大型犬 脱走防止の相談から始まった格子扉の依頼
今回のお客様は体重50キロ近い大型犬を2頭飼育しており、市販の柵では脱走を防ぎきれないという悩みを抱えていました。
脱走防止扉とは、ペットが玄関から屋外へ飛び出すのを防ぐために、廊下や玄関の途中に設置する仕切り扉のことです。
大型犬を複数飼育しているご家庭では、来客対応や宅配便の受け取りなど、玄関を開ける場面がどうしても増えます。市販の折りたたみ式ゲートやメッシュタイプの柵は小型犬や中型犬であれば十分機能しますが、体重40キロを超える犬が本気で体当たりすると、フレームが変形したり固定ビスが抜けたりするケースは珍しくありません。今回のお客様も以前使っていたゲートを壊されてしまい、玄関を開けるたびに緊張していたそうです。

設計の打ち合わせでは、まず私たちがAIで生成したイメージ画像をお客様にお見せし、格子の雰囲気や開口部の位置を確認していただきました。実物を作る前にイメージを共有できたことで、完成形のズレを防ぐことができたと感じています。

市販のペットゲートでは大型犬の脱走を防ぎきれない
樹脂製や軽量アルミの市販ゲートは、大型犬の体当たりや爪による衝撃に弱く、繰り返しの負荷で固定部が緩みやすい構造です。
市販のペットゲートは工事なしで設置できる手軽さが魅力ですが、耐荷重は中型犬程度を想定して作られているものが大半です。50キロ級の大型犬が全体重をかけて体当たりすると、突っ張り棒タイプの固定は数回で緩み、メッシュタイプは網目部分が変形してしまいます。壊れた柵の隙間から鼻先や足を出そうとする行動が続くと、思わぬ怪我につながることもあります。
| 項目 | 市販ペットゲート | オーダーメード鉄製格子扉 |
|---|---|---|
| 想定する犬の体格 | 小型〜中型犬 | 大型犬・複数飼育にも対応 |
| 固定方法 | 突っ張り・置き型が中心 | 壁・床に本体を固定 |
| 破損リスク | 体当たりで変形・破損しやすい | 鉄骨フレームで衝撃に強い |
| サイズの融通 | 既製サイズに限られる | 現場の寸法に合わせて製作 |
こうした事情から、今回は既製品を使わず、鉄工所に一から製作を依頼する方針を選びました。
完全オーダーメードの鉄製格子扉が完成するまでの流れ
現地の寸法を正確に測ったうえで鉄工所に製作を依頼し、搬入後は建具の水平・垂直を確認しながら丁寧に取り付けています。

AIで生成したイメージ画像をお客様に確認していただいたうえで、廊下の幅・高さ・壁の仕上がりを実測しました。開口の垂直精度もこの段階で確認しています。
実測した寸法をもとに、格子のピッチや框の太さを指定して鉄工所に製作を依頼しました。塗装色はお客様の内装に合わせて白系で仕上げています。
製作された扉と枠は、破損や汚れを防ぐため梱包材で保護した状態で現場まで運び入れています。長尺の框材は複数人で搬入しました。
既存の壁や天井を傷めないよう保護シートを施しながら、枠の垂直を確認して固定しています。扉の開閉に支障が出ないよう、蝶番の位置調整も行いました。
施錠の動作、扉の開閉のスムーズさ、床との干渉がないかを確認したうえで引き渡しています。





破壊力に耐える鉄骨製と格子デザインのこだわり
フレームには市販のアルミゲートより一回り太い鉄骨を使い、格子のピッチを狭くすることで、犬が鼻先を入れて押し広げにくい構造にしています。
扉には上下2か所に鍵を設け、丁番も通常より多い枚数で受けています。格子状にしたのは、視線が通ることで廊下全体が暗くならないようにする狙いと、無垢の壁で仕切るよりも圧迫感を抑えられるためです。格子の間隔を狭くしすぎると採光や見た目のバランスが崩れるため、犬が鼻先を入れられない幅を確保しつつ、光を通す限界のラインを鉄工所と相談しながら決めています。
この工法でも、床や壁の下地が弱い場合は固定強度が十分に出ないことがあります。今回の現場は下地の状態を事前に確認したうえで固定位置を決めていますが、既存の建具枠に力がかかりやすい構造だと、後から扉が垂れてくる例もあるため注意が必要です。
設置後の暮らしと工事のポイント
格子扉の設置後は、玄関を開けても犬が飛び出す心配がなくなり、来客対応や荷物の受け取りが以前より楽になったとのお話をいただいています。
これで、安心して玄関のドアを開けられる。
お客様


今回のように体格の大きい犬を複数飼育している場合、既製品の耐荷重を超えるケースは珍しくありません。フレームの太さや固定方法を犬種・体重に合わせて選ぶ必要があるため、既製品に不安がある場合は、寸法や強度を個別に相談できる工事店に確認することをおすすめします。鉄製の格子扉であっても施工精度が甘いと建具が垂れてくることがあるため、取付時の調整は慎重に行う必要があります。
札幌市清田区をはじめ、道内では大型犬を複数飼育しているご家庭からのご相談を受ける機会が増えています。既製品で対応しきれない場合は、現地の状況に合わせたオーダーメードの建具も選択肢のひとつだと感じています。
よくある質問
市販のペットゲートを補強することはできますか?
補強金具で一時的に固定力を上げることはできますが、大型犬が本気で体当たりする力までは想定されておらず、根本的な対策にはならない場合が多い印象です。
格子扉のオーダーメードはどれくらいの期間がかかりますか?
寸法確認から鉄工所での製作、取付まで含めると現場の状況によって幅があります。詳しい工期は現地確認後にお見積りする形でご案内しています。
格子の隙間から犬が足を出してしまうことはありませんか?
格子のピッチは大型犬の脱走防止を目的に頭が入らない幅を基準にしていますが、犬種や体格によって適切な間隔は変わるため、現地で確認しながら調整することをおすすめします。
マンションでも同じような格子扉は設置できますか?
共用部との取り合いや管理規約の確認が必要になるため、戸建てより制約が増える場合があります。設置可否は現地調査のうえで判断しています。
費用はどれくらいかかりますか?
サイズや鉄骨の仕様によって金額が変わるため、現地確認後にお見積りする形になります。既製品より費用はかかりますが、耐久性を優先したい方に選ばれています。
村松 拓海
札幌市清田区の総合建設業・有限会社北嶺建設 工事部長。
関東でクレーンオペレーター8年を経て北海道へ。
移動式クレーン運転士、石綿含有建材調査者、車両系建設機械ほか保有。
排水管洗浄からリフォーム、除排雪まで、札幌の住まいの困りごとに現場目線で対応しています。
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