「押入に洋服を掛けられるようにしたい」
「中棚が邪魔で、長いコートやワンピースを収納できない」
「本格的なクローゼットに造り替えるほどではないけれど、今より使いやすくしたい」
このような場合は、押入の形を生かしながら、中棚の撤去やハンガーパイプの取り付けを行う方法があります。
一般に「押入を簡易クローゼットにする」と表現されることがありますが、工事を省略して雑に仕上げるという意味ではありません。
既存の押入や襖をできるだけ残し、必要な部分だけを改修して、現在の生活に合った収納へ変える方法です。
押入が使いにくいと感じる理由
従来の押入は、布団や座布団などを収納することを想定して、中段の棚が設けられています。
布団を収納するには便利ですが、洋服をハンガーに掛けて収納したい場合には、中棚が邪魔になることがあります。
特に、次のような悩みが多くあります。
- コートやワンピースを掛ける高さがない
- 衣装ケースを重ねるだけで奥の物を取り出しにくい
- 中棚の上下で空間が分断されている
- 押入はあるのに、現在の暮らしに合った使い方ができない
- タンスやハンガーラックを置いて部屋が狭くなっている
押入の内部を見直すことで、部屋に新しい家具を増やさずに、収納しやすくなる場合があります。
押入の簡易クローゼット改修とは
押入の簡易クローゼット改修では、押入の枠や襖を残したまま、内部を使いやすく整えます。
代表的な工事内容は次のとおりです。
- 押入の中棚を撤去する
- ハンガーパイプを取り付ける
- パイプを固定するための下地を補強する
- 撤去した部分の壁や床を補修する
- 上部に棚板や枕棚を設ける
- 必要に応じて可動棚を取り付ける
すべての工事を行う必要はありません。
何を収納したいのか、現在の押入をどこまで残したいのかによって、必要な工事を選びます。
メーカー製の収納建材を使う方法もあります
押入をクローゼットのように改修する方法には、現場で棚やパイプを一から造作する方法だけでなく、建材メーカーが販売している収納部材を組み合わせる方法もあります。
例えば、次のような部材です。
- 押入やクローゼットの上部に設置する枕棚
- 布団や衣装ケースを置くための中段
- 洋服を掛けるハンガーパイプ
- 高さを変更できる可動棚
- 壁面や押入の奥行きを活用する収納棚
LIXILには、押入やクローゼットに使用できる「枕棚・中段セット」があり、枕棚、ハンガーパイプ、中段、背面や側面の収納棚などを組み合わせられます。
押入の幅すべてを洋服収納にするだけでなく、片側にハンガーパイプを設置し、もう片側に中段を残して、洋服と布団を分けて収納する方法もあります。
DAIKENにも、押入やクローゼット内部に使用できる押入棚板セット、枕棚板セット、ハンガーパイプなどがあります。
また、収納建材を専門に扱う南海プライウッドには、現場の間口や奥行きに合わせて加工できる枕棚セットや、ハンガーパイプ、可動棚などがあります。
このようなメーカー製品を使うことで、部材の仕様や耐荷重を確認しながら、用途に合った収納を計画しやすくなります。
ただし、メーカー製品は、押入の中に置くだけで完成する収納家具ではありません。
取り付けには、押入の寸法確認、中棚の撤去、下地補強、部材の加工、壁や床の補修などが必要になる場合があります。
押入の幅や奥行き、柱や下地の位置、既存の襖との干渉によって使用できる製品が異なるため、現地の状態を確認してから採用する収納部材を決めます。
押入の一部を残す改修もできます
押入をクローゼットにする場合でも、内部をすべて洋服収納に変更する必要はありません。
例えば、押入の片側は中段を残して布団や衣装ケースを収納し、もう片側だけ中棚を撤去してハンガーパイプを設置する方法があります。
収納する物に合わせて、次のように使い分けられます。
- 長いコートを掛ける場所
- シャツや上着を掛ける場所
- 布団を収納する中段
- バッグや帽子を置く枕棚
- 小物を整理する可動棚
- 衣装ケースを置く下部空間
押入全体を同じ形にするのではなく、ご家庭に残したい物や収納量に合わせて内部を分けることで、既存の空間を有効に活用できます。

中棚を外すだけで済むとは限りません
押入の中棚は、住宅によって作り方が異なります。
簡単に取り外せる場合もありますが、周囲の壁や柱と一体になっていることもあります。
中棚を撤去したあとに、次のような工事が必要になる場合があります。
- 棚を固定していた跡の補修
- 壁の欠損部分の補修
- 床の段差や傷みの補修
- ハンガーパイプを固定するための下地補強
- 内部のベニヤ板や壁材の張り替え
「棚を外してパイプを付けるだけ」に見えても、押入の構造や状態によって作業内容は変わります。
そのため、実際の押入を確認せずに、工事内容や費用を一律に決めることはできません。
ハンガーパイプには下地が必要です
洋服は、枚数が増えると想像以上に重くなります。
押入内部の薄いベニヤ板などに、そのままハンガーパイプを固定すると、パイプが外れたり、壁が破損したりする可能性があります。
安全に使用するためには、柱や下地の位置を確認し、必要に応じて補強してから取り付けます。
特に、冬物のコートやスーツを多く掛ける場合は、収納する衣類の量も考慮する必要があります。
襖を残すか、扉も交換するか
押入をクローゼットとして使う場合でも、襖を必ず交換する必要はありません。
既存の襖を残せば、工事範囲を抑えながら、内部だけを使いやすくできます。
一方で、次のような希望がある場合は、扉の交換も検討します。
- 襖が古く、開閉しにくい
- 洋室に合う見た目に変えたい
- 折戸や引戸に交換したい
- 開口部を広く使いたい
- 和室全体を洋室風に変更したい
内部だけを改修するのか、建具や壁、床まで含めて改修するのかによって、工事の規模は大きく変わります。
簡易的な改修が向いているケース
既存の押入を生かした改修は、次のような方に向いています。
- 中棚を外して洋服を掛けたい
- 襖や押入の枠はそのままでよい
- 和室の雰囲気を大きく変えたくない
- 部屋全体ではなく収納部分だけを見直したい
- 必要な場所に棚やパイプを付けたい
- 大がかりな間取り変更までは考えていない
押入の構造に問題がなく、必要な範囲がはっきりしている場合は、既存部分を有効に使った改修が可能です。
本格的なクローゼット改修が向いているケース
次のような場合は、内部だけの簡易的な改修ではなく、押入全体の改修を検討したほうがよいことがあります。
- 押入内部の壁や床が傷んでいる
- カビや湿気が気になる
- 襖をクローゼット用の扉に交換したい
- 棚の位置や収納方法を細かく決めたい
- 和室を洋室へ変更したい
- 押入と床の間を一体の収納にしたい
- 将来の生活を考えて収納全体を見直したい
カビや湿気がある場合は、表面を新しくするだけでなく、結露や漏水などの原因がないか確認することも重要です。
見積もり前に考えておきたいこと
押入改修の相談をする前に、次の内容を整理しておくと、必要な工事を判断しやすくなります。
何を収納したいか
洋服、コート、布団、バッグ、衣装ケースなど、収納する物によって必要な高さや棚の位置が変わります。
中棚を全部撤去するか
中棚をすべて外す方法だけでなく、一部を残して洋服と布団の両方を収納する方法もあります。
襖を残すか
既存の襖を使用するのか、折戸や引戸などへ交換するのかを考えます。
棚が必要か
ハンガーパイプだけでよいのか、上部棚や可動棚も必要なのかを確認します。
将来も同じ使い方をするか
現在の収納量だけでなく、今後の生活や家族構成も考えておくと、使いやすい収納を計画しやすくなります。
小さな改修でも現地確認が必要です
押入は、外から見ると同じように見えても、内部の構造や下地の状態が住宅ごとに異なります。
中棚の取り付け方、壁の材質、柱の位置、床の状態などを確認したうえで、工事方法を判断します。
小規模な工事であっても、安全性や仕上がりを考えると、現地確認は重要です。
北嶺建設では、希望する使い方を伺い、既存の押入をどこまで利用できるかを確認したうえで、必要な工事をご提案します。
押入以外の収納改修も相談できます
押入を見直す際には、部屋全体の使い方も一緒に考えることがあります。
例えば、次のような改修です。
- 床の間を収納スペースに変更する
- 押入をクローゼットに変更する
- 和室を洋室へ変更する
- 畳をフローリングに変更する
- 既存の収納に可動棚を設置する
- 子ども部屋に収納を追加する
- 高齢になっても使いやすい高さへ棚を変更する
収納だけを直す方法と、部屋全体を改修する方法の両方を比較し、生活に合った方法を選ぶことが大切です。
よくあるご質問
押入の中棚だけを撤去できますか?
構造上問題がなければ、中棚だけを撤去できる場合があります。ただし、撤去後に壁や床の補修が必要になることがあります。
ハンガーパイプだけ取り付けられますか?
取り付ける位置に十分な下地があれば可能です。下地がない場合は、補強材を設置してから取り付けます。
襖はそのまま使えますか?
開閉に問題がなければ、既存の襖を残して内部だけを改修できます。
押入の一部だけをクローゼットにできますか?
可能です。中棚の一部を残し、洋服を掛ける部分と布団や衣装ケースを置く部分に分ける方法もあります。
工事費用はどのくらいですか?
押入の大きさ、構造、中棚の撤去方法、下地補強、補修範囲、棚や建具の有無によって変わります。現地の状態と希望する使い方を確認したうえで見積もります。
札幌・札幌近郊で押入の改修をご検討の方へ
押入の改修は、単に棚を取り外す工事ではありません。
何を収納するのか、どの部分を残すのか、下地補強が必要か、撤去後をどのように仕上げるのかを考える必要があります。
大がかりなリフォームを行わなくても、既存の押入を生かしながら、現在の生活に合った収納へ変えられる場合があります。
北嶺建設では、押入の中棚撤去、ハンガーパイプや棚の取り付け、床の間の収納化、和室から洋室への改修など、住まいの状態に合わせてご相談を承ります。
「押入に洋服を掛けたい」「中棚が邪魔で使いにくい」と感じている方は、現在の押入の写真や、おおよその幅・奥行きが分かる情報をご用意のうえ、ご相談ください。
安さだけを基準に工事範囲を減らすのではなく、既存の押入を生かしながら、安全で使いやすい収納に整えることが、この改修の目的です。
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