道北のゴルフ場でアスファルト本復旧|排水管工事後の舗装仕上げ

この記事でわかること

  • 排水管工事後にアスファルト本復旧を「翌日以降」に行う理由
  • タックコートと既設舗装とのすり付け処理が長持ちに直結する理由
  • 北海道の寒冷地環境でつなぎ目処理を丁寧にやっておくべき背景

工事部長の村松です。今回は道北地方のゴルフ場様から依頼を受けた、排水管工事後のアスファルト舗装 本復旧の施工記録です。施設のトイレ排水に関わる管工事を終えた後、掘削した箇所の路面を元に戻す工程になります。放置すれば段差や水溜まりが残り、施設利用者の安全にも影響が出ます。この記事では、仮復旧から本舗装完了までの一日の流れと、現場で気を使った点を記録しておきます。

アスファルト舗装 本復旧の施工前の状態。排水管工事後の仮復旧部分と砕石が露出した路面
アスファルト舗装 本復旧の施工前の状態。排水管工事後の仮復旧部分と砕石が露出した路面

なぜ掘削翌日に本舗装するのか

埋め戻し直後の路盤は、転圧をかけても時間をおくと数ミリ単位で沈み込む性質があります。これが「翌日以降に本舗装する」最大の理由です。

アスファルト本復旧とは、掘削・埋め戻し後の仮復旧状態から、周辺既設舗装と同等の強度・平坦性を持つ舗装面に仕上げ直す工程のことです。単に表面を黒く塗るのではなく、路盤の安定・端部の切り直し・接着処理・転圧までを一連でこなして初めて「復旧」と呼べます。

今回の現場では初日に管工事と埋め戻し・仮復旧を完了させ、翌日に本舗装を行いました。路盤が一晩落ち着いた状態で仕上げることで、完成後の沈み込みによる再施工リスクをかなり下げられます。即日で仕上げた場合に後から段差が出てやり直しになった現場を私たちも経験しているので、この手順は変えていません。

ダンプから加熱アスファルト合材を荷下ろしする様子。搬入後は素早く敷均し・転圧に移る
ダンプから加熱アスファルト合材を荷下ろしする様子。搬入後は素早く敷均し・転圧に移る

アスファルト舗装 本復旧の工事の流れ

今回の工事は約1日で完了しました。各工程の順番と目的を以下にまとめます。

STEP
仮復旧部の撤去・不陸整正

前日に敷いた仮復旧材を取り除き、路盤面の凹凸を均します。この段階で路盤の沈み具合を確認し、追加の転圧が必要かどうかを判断します。路盤が安定していることを確かめてから次工程に進むのが基本です。

STEP
路盤材の敷均し・転圧

路盤材を所定の厚さに敷き均し、プレートコンパクターで転圧をかけます。路盤の締め固めが不十分だと、上に舗装を乗せても後から沈下します。転圧後の表面を踏んで確認しながら進めました。

STEP
既設舗装端部のカッター切り直し

既設舗装との境目を舗装カッターで直線に切り直します。仮復旧の際に崩れた端部をそのままにすると、新しい合材を乗せても密着が弱くなります。断面をきれいに整えることで、後のタックコートが均一に効きます。

STEP
タックコート散布

アスファルト乳剤(タックコート)を路盤面と既設舗装の切断面に散布します。タックコートは新旧舗装の接着剤の役割を果たし、これを省くと境目から剥がれが起きやすくなります。散布後は乳剤が分離・定着するまで少し時間をおいてから次工程に移ります。

STEP
アスファルト合材の敷均し・転圧

ダンプで搬入した加熱アスファルト合材をレーキ・トンボで敷き均し、プレートコンパクターで転圧します。合材は温度が下がると締まらなくなるため、敷均しから転圧完了まで手早く進めます。温度計で合材温度を確認しながら作業しました。

STEP
既設舗装とのすり付け・段差確認・交通開放

新旧舗装の境目に段差が残らないよう、端部を丁寧にすり付けて仕上げます。最後に全体を歩いて段差を確認し、問題がなければ交通開放です。今回は余った合材を使って駐車場の傷んだ箇所も合わせて補修しました。

マンホール周辺に合材を敷き均す作業。トンボで均一な厚さに整えながら端部を丁寧に処理
マンホール周辺に合材を敷き均す作業。トンボで均一な厚さに整えながら端部を丁寧に処理
敷均し直後の合材から湯気が上がる状態。転圧前の適正温度を保った加熱アスファルト合材
敷均し直後の合材から湯気が上がる状態。転圧前の適正温度を保った加熱アスファルト合材

すり付け処理にこだわる理由

本工事で最も気を使ったのは、新しく舗装した範囲と既設舗装のつなぎ目の処理です。わずかな段差でも、車のタイヤへの負担・歩行者の躓き・雨水の溜まりの原因になります。

端部をカッターで真っ直ぐ切り直し、タックコートで密着させてから合材を乗せることで、つなぎ目からの水の侵入を防ぎます。北海道の路面は冬の凍上と融雪水の影響を受けやすく、水が入り込んだ隙間は凍結膨張で一気に広がります。つなぎ目の処理が甘いと、数年で剥がれや再沈下が起きる可能性があります。

プレートコンパクターで転圧しながら散水して表面を安定させる工程
プレートコンパクターで転圧しながら散水して表面を安定させる工程

今回の道北の現場は、積雪量も多く冬季の凍上リスクが道央より高い地域です。そのぶん、路盤の締め固めと端部処理を丁寧にやっておくことが、復旧後の耐久性に直接影響します。施設の管理者の方から「次の冬も安心して使えるようにしてほしい」という要望をいただいていたので、この点は特に意識して施工しました。

既設舗装とのつなぎ目に合材を敷き均す作業。境目の段差をなくすすり付け処理の様子
既設舗装とのつなぎ目に合材を敷き均す作業。境目の段差をなくすすり付け処理の様子

合材温度と転圧のタイミング

加熱アスファルト合材は、敷均し時の温度が下がりすぎると転圧しても骨材が締まらず、仕上がりが粗くなります。この現場では搬入から転圧完了まで、温度計で随時確認しながら作業を進めました。

合材の品質管理という観点で、各工程の要点を整理しておきます。

工程管理のポイント
搬入・荷下ろしダンプのシートをできるだけ直前まで外さず温度を保つ
敷均しレーキ・トンボで均一な厚さに広げ、素早く転圧に移る
転圧(プレート)合材が十分な温度のうちに複数回かけて締め固める
すり付け端部を薄く引き伸ばして段差ゼロを目指す。冷えると動かしにくい
散水・冷却転圧後に散水して表面を安定させてから開放する
プレートコンパクターによる転圧作業。合材温度が下がる前に締め固めを完了させる
プレートコンパクターによる転圧作業。合材温度が下がる前に締め固めを完了させる

プレートコンパクターは振動板で合材を締め固める機械で、ローラー車が入れない狭い場所でも使えます。今回のような施設内の限られたスペースでは、このプレートが主力機材になります。転圧の回数と方向を変えながら、均一に締め固めるのがポイントです。

施設側からのお声と、駐車場の追加補修

今回の工事では、排水管の本復旧舗装と合わせて、駐車場内の傷んだ箇所も補修しています。余った合材を有効に使い、施設全体の路面状態を改善しました。

転圧完了後の舗装面と既設舗装とのつなぎ目。新旧舗装が平坦につながった仕上がり
転圧完了後の舗装面と既設舗装とのつなぎ目。新旧舗装が平坦につながった仕上がり
転圧後の路面全体の仕上がり状態。既設舗装と段差なく復旧されたアスファルト面
転圧後の路面全体の仕上がり状態。既設舗装と段差なく復旧されたアスファルト面

施設の管理者の方から、工事後に次のようなお言葉をいただきました。

お客様トイレが問題無く使えるようになり、支配人もとより女性従業員も喜んでおります。今回やった排水管より下手も悪いので次回また頼みますよろしくお願い致します。ついでに駐車場の補修もやっていただいてありがとうございます。

ゴルフ場施設 管理担当者様

排水管の工事が本来の依頼でしたが、路面の復旧まで含めてトータルで対応できたことで、施設の日常利用に支障が出ない状態に戻せました。駐車場の補修については、恵庭市の店舗駐車場でも同様の部分補修を行っています。アスファルトの部分補修で低コスト復旧した事例は店舗駐車場のアスファルト部分補修事例もご参照ください。

施設の路面補修を検討している方へ

ゴルフ場・スポーツ施設・商業施設など、不特定多数が利用する施設の路面は、段差や亀裂が利用者の転倒・車両トラブルに直結します。補修のタイミングを見極めるためにも、早めの現地確認をお勧めしています。

なお、アスファルト舗装の本復旧は路盤の状態・掘削範囲・既設舗装の劣化度によって工法と費用が変わります。当社では現地確認後にお見積りをご提示しています(税別)。道北・道央エリアの施設管理者の方は、まずお気軽にご相談ください。また、排水管の状態が気になる場合は、カメラ調査で原因を特定することも可能です。繰り返す詰まりにお困りの場合は排水管カメラ調査で詰まりの原因を特定した事例もあわせてご覧ください。

今回の道北の現場のように、管工事と舗装復旧をまとめて対応できる体制を整えています。分離発注の手間なく、一括でご依頼いただける点も私たちの強みのひとつです。

よくある質問

排水管工事の後、なぜすぐに本舗装しないのですか?

埋め戻し直後の路盤は転圧してもわずかに沈み込む性質があります。即日で本舗装まで仕上げると、後から段差が生じてやり直しになるケースがあるため、路盤を一度落ち着かせてから本復旧するのが一般的な手順です。

タックコートとは何ですか?省略できますか?

タックコートはアスファルト乳剤を使った接着材で、既設舗装と新しい合材を密着させる役割があります。省略すると境目から剥がれが起きやすくなるため、本復旧では必須の工程です。

アスファルト補修の費用はどれくらいかかりますか?

補修面積・路盤の状態・掘削深さ・既設舗装の劣化度などによって費用は大きく変わります。目安の金額をお伝えするためにも、まず現地確認が必要です。現地確認後にお見積りをご提示しています(税別)。

北海道でアスファルト補修をする場合、本州と何か違いますか?

冬の凍上と融雪水の影響で、つなぎ目や路盤の処理が甘いと数年で剥がれや再沈下が起きやすい環境です。端部のカッター切り直しとタックコートによる密着処理を丁寧に行うことが、北海道での耐久性確保に特に重要です。

施設の駐車場の一部だけ補修してもらうことはできますか?

可能です。全面舗装ではなく、傷んだ箇所だけを部分補修する対応もしています。ただし、補修範囲の周辺の既設舗装の状態によっては、部分補修では改善しないケースもあるため、現地確認でご判断しています。

この記事を書いた人

村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。



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