マンション共用部の壁穴補修|調色塗料で補修跡がわからない仕上がりへ

工事部長の村松です。マンション共用部の壁に穴があいてしまったとき、オーナー様が最も気にされるのは「補修跡が目立たないか」という点です。壁穴 補修は穴を塞ぐだけでなく、既存の塗装と色を合わせる工程があってはじめて完成します。放置すると入居者の方の目に触れ続け、物件の印象を損なうリスクがあります。この記事では、調色塗料を用いた補修の流れと、仕上がりを左右するポイントをご説明します。

この記事でわかること

  • マンション共用部の壁穴補修で補修跡が目立つ原因
  • 既存塗装に合わせた調色塗料を使う補修の流れ
  • 大工と塗装屋が連携する理由
  • オーナー様・管理組合が補修を依頼する際の注意点

なぜ共用部の壁穴補修は「色合わせ」が難題なのか

壁穴 補修とは、壁の下地を埋めて表面を整え、既存の仕上げに合わせて塗装し直す一連の作業のことです。穴を塞ぐだけであれば大工の工程だけで終わりますが、そこで作業を止めると新旧の塗装が別物に見えてしまいます。

マンションの共用廊下や階段室の壁は、竣工時に一括で塗装されています。その後、年数が経つと塗膜が日焼けや紫外線の影響で変色します。市販の補修塗料をそのまま塗っても、微妙な色のズレが出るのはそのためです。特に共用部は入居者全員が毎日通る場所ですから、わずかな色違いでも目に付きやすい。

色を合わせるには、既存塗装のサンプルを採取し、専門の調色工程を経てオリジナル塗料を作る必要があります。この工程には相応の時間がかかるため、「穴を見つけた翌日に完了」とはいかないのが現実です。

今回の壁穴 補修工事の背景と現地調査

札幌市内のマンションオーナー様からお電話をいただいたのが、この工事の始まりでした。共用廊下の壁に小さな穴があいてしまっており、入居者の方が気にする前に直したいとのご要望でした。

現地調査では、穴の大きさと深さ、壁の構造(石膏ボード下地か、コンクリート直仕上げか)を確認します。今回は石膏ボード下地に塗装仕上げの壁で、穴は小さいものの下地まで達していました。穴が下地まで届いている場合、パテだけで塞ごうとすると将来的に浮きや割れが出る可能性があるため、大工による下地の補修が必要と判断しました。

それと同時に塗装屋に現地へ入ってもらい、既存塗装のサンプルを採取しました。サンプルは塗膜ごと採取するのが基本で、調色精度を上げるためには採取する面積と位置にも気を配ります。今回は穴の周囲の比較的劣化の少ない部分から採取しています。

調色から完成まで|壁穴 補修の工事の流れ

サンプルを採取してから塗料が完成するまで、今回は約1か月弱を要しました。この期間は決して手を抜いているわけではなく、調色の精度を出すために必要な工程です。

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現地調査・サンプル採取

オーナー様からご連絡をいただいた後、まず現地へ伺い穴の状態と壁の構造を確認しました。塗装屋が同行し、既存塗装のサンプルを壁面から採取。採取した塗膜は調色の基準データとなります。

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オリジナル塗料の調色・作成(約1か月弱)

採取したサンプルをもとに、塗装屋がメーカーへ既存塗装に近い色を再現するオリジナル塗料を調色依頼をします。単純な色見本からの選択ではなく、複数の顔料を混合して既存の色調・艶感に合わせる作業です。この工程に時間をかけることが、自然な仕上がりへの一番の近道です。

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大工による下地・穴の補修

塗料が完成したタイミングで大工が現場に入り、穴の下地を整えます。石膏ボードの欠損部分を補修材で充填し、パテで表面を平滑に仕上げます。塗装前の下地の精度が、塗装後の見た目に直結するため、ここは丁寧に行います。

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塗装屋による仕上げ塗装・完了

下地補修の後、塗装屋が調色したオリジナル塗料で仕上げ塗装を行います。補修箇所だけを塗るのではなく、周囲との境界が目立たないようぼかしながら塗り広げます。乾燥後に色合いを確認し、問題がなければ工事完了です。

大工と塗装屋が連携する理由

穴を塞ぐ作業と色を合わせる作業は、それぞれ専門の職人が担当することで初めて高い完成度になります。どちらか一方だけでは補修跡が残るリスクが上がります。

大工の仕事は「面を作ること」です。穴の形状に応じた材料の選択、パテの充填と研磨の精度は、毎日下地を扱うからこそ身につくものです。一方、塗装屋の仕事は「色と膜を作ること」で、既存の塗膜の質感(艶あり・艶消し・砂骨感など)を読み取って再現する技術が求められます。

「餅屋は餅屋」という言葉の通り、一人の職人が両方をこなすより、専門が分かれていた方が仕上がりは安定します。私たちが協力業者との連携を大切にしているのは、こうした現場の現実があるからです。

では、そもそも調色にどれだけの精度が必要なのか。次のセクションで整理します。

調色精度を左右する3つの要素

既存塗装に色を合わせるには、色相(いわゆる「赤・青・黄」の系統)だけを合わせても不十分です。

要素内容見落とすと
色相・彩度・明度色の基本的な調合。複数の顔料を混合して近似値を出す補修箇所の色が全体と浮いて見える
艶感(グロス値)光の反射量の調整。艶あり・半艶・艶消しを既存に合わせる同じ色でも艶が違うと別の色に見える
経年変色の加味日焼けや紫外線で変化した既存塗膜の色調を読む新しい塗料そのままでは白すぎ・明るすぎになる

今回のような経年した共用部の壁では、特に「経年変色の加味」が難しい部分でした。竣工時の塗料と同じ品番を使っても、現状の壁色とは一致しないことがほとんどです。採取したサンプルを基準に調色する方法が、現実的な精度を出す手段になります。

ただし、経年劣化の程度や採取位置によっては、完全な一致が難しいケースもあります。日当たりが強い壁面や、塗り替えを繰り返した壁では、サンプルの採取位置ごとに色が違う場合があり、その場合は目立たない範囲での近似仕上げになることをあらかじめご説明しています。

オーナー様の声と、今回の工事を振り返って

工事完了後、オーナー様からご感想をいただきました。

共用部の壁に穴があいてしまい、補修跡が目立つと入居者の方にも気になるだろうと心配していました。北嶺建設さんは既存の塗装に合わせて塗料を一から調色してくださり、どこを直したのか分からないくらい綺麗に仕上がって驚きました。小さな補修でも手間を惜しまず対応してくださり、お願いして本当に良かったです。

札幌市内マンションオーナー様

「どこを直したか分からない」という言葉が、今回の工事の目標そのものでした。調色に1か月弱をかけ、大工と塗装屋の両方が動くことは、小さな穴の補修としては手のかかる段取りです。ただ、共用部というのは建物全体の印象を左右する場所で、入居者の方が毎日目にする空間でもあります。補修跡が残ったままでは、オーナー様が管理に気を使っている姿勢が伝わりにくくなってしまいます。

工事のボリュームにかかわらず、仕上がりの水準は下げないというのが私たちの基本的な考え方です。今回のように「小さいけれど目立ってはいけない」工事こそ、段取りと専門職の連携が問われます。リフォーム工事で見えない部分を確認することの大切さについても、参考にしていただければと思います。

マンション共用部の壁穴補修を検討されているオーナー様へ

共用部の壁穴補修は、穴の大きさや位置、既存塗装の状態によって工期と費用が変わります。まず現地を見てからでないと正確な見積もりは難しいため、気になる箇所があればお早めにご相談ください。

調色が必要な工事では、塗料が完成するまでの時間を見込んだスケジュール調整が必要です。「なるべく早く直したい」というご要望はよく理解できますが、調色を急ぎすぎると精度が落ちる可能性があります。仕上がりの質と工期のバランスについては、ご相談の際に具体的にご説明します。

北嶺建設は札幌市清田区を拠点に、マンション・戸建てを問わず補修工事に対応しています。共用部の壁穴補修に限らず、建物まわりで気になる箇所があればお気軽にお問い合わせください。費用は現地確認後にお見積りします(税別)。

よくある質問

壁穴の補修跡が目立たないようにするには、どうすればいいですか?

既存塗装のサンプルを採取してオリジナル塗料を調色することが有効です。色相だけでなく艶感や経年変色も加味することで、補修箇所が分からない仕上がりに近づけます。ただし劣化の程度によっては完全一致が難しいケースもあります。

マンション共用部の壁穴補修にはどのくらい日数がかかりますか?

調色が必要な場合、塗料完成まで1か月弱かかることがあります。その後、大工による下地補修と塗装屋による仕上げ塗装を別日程で行うため、現地調査から完了まで1〜2か月を見込んでおくと安心です。穴の規模や状況によって変わります。

小さな穴でも大工と塗装屋の両方が必要ですか?

穴が下地まで達している場合は大工による補修が必要で、塗装で仕上げるには塗装屋の調色・施工が別途必要です。それぞれの専門領域が異なるため、両職種が連携することで仕上がりの精度が上がります。穴の大きさより状態で判断します。

共用部の壁穴補修の費用はどのくらいですか?

穴の大きさ・位置・既存塗装の状態によって費用は異なります。調色塗料の作成費用が加わるため、一般的な補修より費用がかさむことがあります。正確な金額は現地確認後にお見積りします。まずはお気軽にご相談ください(費用は税別表示)。

マンションの管理組合や管理会社ではなくオーナー個人でも依頼できますか?

はい、オーナー様個人からのご依頼も承っています。ただし共用部の工事は管理規約の確認が必要な場合があります。工事前に管理規約や管理会社への確認を済ませておくと、工事がスムーズに進みます。ご不明な点はご相談の際にお伝えします。

この記事を書いた人

村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。



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