工事部長の村松です。札幌市厚別区のアパートで、屋根塗装と老朽化した煙突の補修、屋根のスノーダクトカバーの交換をまとめて施工しました。金属屋根の劣化は、色あせから点サビ、赤サビの広がり、最後は穴あきという順で進みます。今回は点サビが出始めた段階でご相談をいただけたため、張り替えではなく塗装で屋根を守れる、ちょうどよいタイミングの現場でした。
この記事でわかること
- 金属屋根の塗り替え時期を見極めるサイン
- 札幌市厚別区のアパートで行った屋根塗装の実際の流れ
- 古いモルタル煙突を鉄板で巻いて補修する方法
- 足場があるうちに屋根まわりをまとめて直す考え方
屋根塗装が必要になるサインを札幌の現場目線で整理する
色あせ・チョーキング・点サビの三つが出たら塗り替えの検討時期です。赤サビが面で広がる前なら、塗装だけで屋根を延命できます。
屋根塗装とは、金属屋根の表面に新しい塗膜をつくり、サビと雨水の侵入から鋼板そのものを守る工事です。塗膜は言わば屋根の皮膚で、切れた場所から鋼板が直接雨と雪に触れ始めます。札幌の年間降雪量は平年値で479cmあり、屋根の上では雪が滑り落ちるたびに表面がこすられるため、本州より塗膜の消耗が早い印象です(出典)。劣化の段階と対応の目安を表にまとめます。
| 屋根の状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 色あせ・触ると白い粉がつく | 塗り替えを計画し始める段階 |
| 点サビが所々に出ている | ケレンのうえ塗装で対応できることが多い |
| 赤サビが面で広がっている | 塗装で止まらない場合は部分張り替えも検討 |
| 穴あき・雨漏りが出ている | 葺き替えが前提。塗装では戻せない |
下の段階に進むほど費用は跳ね上がります。点サビの段階で手を打てるかどうかが、屋根の生涯コストの分かれ目だと感じています。では、今回の現場はどの段階だったのか。次で写真を見ながら説明します。
施工前の状態。点サビの屋根と、コーキングだらけの煙突
屋根は点サビが出始めた初期段階でしたが、モルタル製の煙突はひび割れが全面に及び、塗装だけでは守れない状態でした。

屋根面は全体に色あせが進み、ハゼ(板金のつなぎ目)付近を中心に点サビが散らばっていました。まだ鋼板に穴が開くほどではなく、下地処理をきちんとすれば塗装で十分保護できる状態です。

気になったのは煙突です。モルタルのひび割れを黒いコーキングで埋めた補修跡が縦横に走り、応急処置を重ねてしのいできたことが見て取れました。ひびから水が入って冬に凍ると、内部で膨張してモルタルをさらに割ります。凍害と呼ばれる、寒冷地特有の壊れ方です。このまま塗装だけしても煙突の劣化は止まりません。
屋根全体を見ると、棟に載っていた木製の雪割り部材もすっかり風化して灰色になっていました。オーナー様には、屋根の塗装に合わせて煙突を鉄板で巻いて保護し、傷んだ部材とダクトカバーも更新する内容でご提案しました。
屋根塗装の流れ。仕上がりは下地処理で決まる
洗浄とケレンで下地を整え、サビ止めの下塗りを入れてから上塗りで仕上げる流れです。実際の工程を順に示します。
屋根面の汚れを落とし、点サビをケレン(研磨)で削り取ります。サビの上から塗っても塗膜の下で進行が続くため、ここに一番時間をかけます。
ケレンした箇所を中心に防錆下塗りを入れます。上塗りの密着を高め、鋼板とサビの間を絶縁する役割です。
屋根全面をこげ茶の塗料で仕上げました。風化していた棟まわりの部材も金属製に更新し、雪の滑りを妨げない納まりにしています。
ひび割れた煙突をカラー鋼板で全体を巻いて保護し、スノーダクトのカバーも新しいものへ交換しました。


塗装後の屋根です。塗膜の厚みが均一に乗り、点サビが出ていた面も鋼板が保護された状態に戻りました。棟の雪割りは板金屋さんと相談して金属製の部材で納め、木製のときのような腐りの心配をなくしています。
ひび割れた煙突は塗らずに鉄板で巻く
ひびが全面に及んだモルタル煙突は、塗装や部分補修では止まりません。鋼板で全体を覆い、水を最初から入れない形にしました。


鉄板巻きは、既存の煙突を解体せずにカラー鋼板で外側から包み込む補修方法です。凍害の原因である水の浸入を面で断てるので、コーキングを塗り重ねるより長持ちします。煙突を造り替える場合と比べて費用も工期も抑えられる一方、内部のモルタルがすでに崩れて自立できないほど傷んでいる場合には向きません。今回は下地がまだしっかりしていたため、この方法を選びました。テレビアンテナの支持金具も新しい鋼板面に付け直しています。
足場があるうちに、屋根まわりをまとめて直す
屋根工事の費用にはかならず足場や安全対策の段取りが含まれます。高所の不具合は、塗装のタイミングでまとめて直すのが結局は安くつきます。
煙突の補修だけ、ダクトカバーの交換だけを後から単独で頼むと、そのたびに屋根へ上がる段取りが発生します。今回のオーナー様のように塗装と同時に済ませてしまえば、その重複がありません。アパートやビルの屋根では、雪庇対策雪庇防止ヒーター設置の施工事例のような冬支度も同じ足場で施工できます。屋根に上がらないと分からない傷みも多いので、塗装の見積り時に煙突・ダクト・棟部材まで一度に点検してもらうことをおすすめします。
費用は屋根の面積・サビの進行度・煙突の状態で変わるため、当社では現地確認後にお見積りをお出ししています。札幌市内と近郊は現地調査無料です。「まだ塗らなくていいのか、もう遅いのか」の判断だけでもお気軽にご相談ください。
よくある質問
屋根のサビが少しだけ出ています。すぐ塗装しないとダメですか?
点サビの段階ならすぐに雨漏りする心配は少ないですが、放置すると赤サビが面で広がり、塗装で対応できなくなるケースがあります。当社で対応した範囲では、点サビのうちに屋根塗装をした方が総額は安く済むことが多い印象です。
古いモルタルの煙突は壊さないと直せませんか?
下地がしっかり残っていれば、解体せずにカラー鋼板で外側から巻いて保護する方法があります。ただし内部の崩れが進んでいる場合は向かないため、現地で状態を確認してから工法をご提案しています。
アパートの屋根塗装は入居者がいても工事できますか?
可能です。作業は屋根の上が中心で、室内に入ることはありません。洗浄時の水はねや作業音が出る日があるため、事前に入居者様へお知らせを配るなどの段取りを一緒に決めさせていただきます。
塗装の見積りだけお願いすることはできますか?
できます。札幌市内と近郊は現地調査無料で、屋根に上がって煙突やダクトまわりも合わせて点検します。まだ塗らなくてよい状態であれば、その旨を正直にお伝えしています。
村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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