工事部長の村松です。今回は札幌市内の戸建てで対応した、排水マス つまりの調査と洗浄の事例を紹介します。「トイレを流すと水位がいつもより上がる」「なんとなく流れが遅い」という段階で点検口を開けてみると、マスの中にトイレットペーパーがびっしり溜まっていました。完全に逆流する前に手を打てたことで、作業は半日かからず終わっています。放置していれば汚水が屋内に上がってくる可能性もあった現場です。
この記事でわかること
- 排水マスに詰まりが起きる仕組みと前兆のサイン
- 堆積物の除去から管内カメラ確認までの実際の作業手順
- 詰まりを繰り返さないための点検の目安
点検口を開けて分かった詰まりの実態
フタを開けると、コンクリート製のマスの中でトイレットペーパーの塊が流路をふさぎ、水が滞留していました。
排水マスとは、家の中の排水管と敷地外の下水道をつなぐ途中に設けられた、点検と清掃のための中継点です。この家では建物の外壁沿いに複数のマスが並んでいて、そのうちトイレ系統のマスに紙の堆積が集中していました。写真を見ていただくと分かりますが、管の合流部に白い塊が乗り上げるように残っています。ここまで育つと、水を流すたびに紙が少しずつ引っかかり、堆積が加速していきます。


マスの底にはほぐれた紙が層になって溜まっていました。においも出始めていたので、時期としてはぎりぎりだったと感じています。では、なぜここまで溜まってしまうのでしょうか。
排水マス つまりはなぜ起きるのか
詰まりは突然ではなく積み重ねです。流路の段差や勾配のわずかな緩みに紙が引っかかり、年単位で育っていきます。
トイレットペーパー自体は水に溶ける素材ですが、一度に大量に流したときや、流す水量が少ないときは、溶けきる前にマスの合流部で止まってしまうことがあります。節水型トイレのお宅で、当社で対応した範囲ではこの傾向が目立つ印象です。止まった紙に次の紙が絡み、そこへ汚れが付着して塊になる。この繰り返しが詰まりの正体です。
札幌の場合、冬の間はマスの点検がほぼできません。雪の下に埋まってしまうためです。秋に流れが悪いまま冬に入ると、真冬に完全に詰まって屋内に逆流する、という一番困る展開になりやすい。雪が降る前の点検をおすすめしているのはこのためです。前兆のサインを表にまとめます。
| 症状 | 状態の目安 | 対応 |
|---|---|---|
| 流れがなんとなく遅い | 堆積の初期段階 | マスのフタを開けて目視確認 |
| 流すと水位が一度上がる | 流路がかなり狭い | 早めに業者へ相談 |
| ゴボゴボ音・悪臭 | 閉塞が近い | 使用を控えてすぐ連絡 |
| 汚水が逆流する | 閉塞 | 緊急対応が必要 |
今回は「水位が上がる」の段階でご連絡いただけたので、作業は洗浄だけで済みました。実際の手順を順に見ていきます。
洗浄作業の流れ
敷地内のマスをすべて開けて系統を把握し、堆積物の除去、高圧洗浄、カメラでの最終確認という順で進めました。

外壁沿いのマスを順に開け、どの系統がどのマスを通るかを確認します。詰まりの位置を特定せずに洗浄を始めると、押した汚れが別の場所で再び詰まることがあるため、この確認は省きません。
マス内に溜まった紙の塊を手作業と器具で回収します。いきなり水圧をかけると塊が奥へ押し込まれる恐れがあるので、取れるものは先に取り除くのが基本です。
ホースを管に入れ、下流側から上流へ向けて洗浄します。管の内壁に付いた汚れごと洗い流すことで、残った紙が再び引っかかる足場をなくします。
洗浄後、自走式の管内カメラを入れてマスとマスの間の管を撮影し、取り残しや管の異常がないかをモニターで確認します。お客様にもその場で映像を見ていただきました。

洗浄後のマスは、合流部の紙が消えて底のコンクリートが見える状態に戻りました。ただし「マスがきれいになった」ことと「管の中もきれいになった」ことは別の話です。ここで確認をやめず、カメラを入れる理由を次で説明します。
管内カメラで奥まで確認して完了
マスから見えない管の途中に汚れや異常が残っていないか、カメラ映像で全区間を確認してから引き渡しました。


モニターには管の内壁と水の流れがそのまま映ります。今回は洗浄後の管内に大きな取り残しはなく、管の破損やずれも見当たりませんでした。もしここで管の継ぎ目のずれや勾配不良が見つかった場合、高圧洗浄だけでは改善しません。掘削して管を直す工事が必要になるケースもあり、その判断材料になるのがこの映像です。洗浄して終わりにせず、原因が「汚れ」なのか「管そのもの」なのかを見極めておくと、次に同じ症状が出たときの対応も早くなります。
ご家庭でできる予防と点検の目安
年に一度、雪が積もる前にマスのフタを開けて中を見るだけで、詰まりの多くは手前で気付けます。
フタはマイナスドライバーなどで開けられるものが多く、覗いて水が澄んで流れていれば問題ありません。紙が引っかかっていたり水が濁って溜まっていたりしたら、堆積が始まっているサインです。日常の使い方では、一度に大量の紙を流さないこと、節水のためにタンクへペットボトルを入れるような水量を減らす工夫をしないことをおすすめします。流す水が減ると、紙を押し切る力も減ってしまうためです。
清田区をはじめ札幌近郊の戸建て・アパートで、流れの悪さや逆流が気になる方は、症状が軽いうちにご相談ください。費用は敷地内のマスの数や管の長さで変わるため、現地確認後にお見積りをお出ししています。
よくある質問
排水マスの点検はどのくらいの頻度でやればいいですか?
年に一度、雪が降る前の秋に開けて見るのが目安です。札幌では冬の間マスが雪に埋まって点検できないため、流れが悪いまま冬を迎えるのが一番危険です。覗いて水が澄んで流れていれば問題ないことが多いです。
トイレットペーパーは水に溶けるのに、なぜ詰まるのですか?
溶けきる前にマスの合流部や管の段差で止まると、次の紙が絡んで塊に育っていきます。節水型トイレで流す水量が少ないお宅では、当社で対応した範囲ではこの傾向が目立つ印象です。
排水マスのつまりは自分で直せますか?
マスの中に見えている紙を取り除くだけなら可能な場合もあります。ただし管の奥に押し込むと悪化する恐れがあり、原因が管の勾配や破損にあると洗浄では改善しません。水位が上がる症状が出ていたら業者への相談が確実です。
高圧洗浄の費用はいくらくらいかかりますか?
敷地内のマスの数、管の長さ、詰まりの程度で作業量が変わるため、一律の金額はお伝えしにくいのが実情です。当社では現地でマスを開けて状態を確認したうえでお見積りをお出ししています。
カメラ調査は必ず必要ですか?
必須ではありませんが、洗浄後の取り残しや管の破損・ずれの有無を確認できるため、詰まりを繰り返している場合には特におすすめしています。原因が汚れか管そのものかで、その後の対策が変わります。
村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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