アパートやマンションの駐車場にある屋外照明は、普段はあまり意識されない設備です。
しかし、夜になると駐車場全体を照らし、入居者様の車の乗り降り、防犯、歩行時の安全に関わる大切な設備です。
今回は、アパート駐車場に設置されていた古い水銀灯を、LED照明へ交換した工事事例をご紹介します。
「まだ点いているから大丈夫」と思われがちな水銀灯ですが、年数が経つと明るさの低下、点灯不良、安定器の劣化、交換部品の入手性など、管理上の問題が出てきます。
アパートや貸家、店舗、工場、倉庫などで古い屋外照明を使っている場合は、壊れてから慌てて交換するよりも、早めに状態を確認しておくことをおすすめします。
アパート駐車場の水銀灯をLEDへ交換した理由
今回ご相談いただいたのは、アパート駐車場に設置されていた水銀灯です。
長年使用されていた照明で、夜間の駐車場を照らす役割を果たしていましたが、設備自体の古さが目立つ状態でした。
水銀灯は、かつて駐車場、道路、公園、工場、倉庫、体育館などで広く使われていた照明です。明るさを確保しやすい一方で、現在ではLED照明への交換が進んでいます。
理由としては、主に次のような点があります。
- 消費電力を抑えやすい
- 点灯までの時間が短い
- ランプ交換の頻度を減らしやすい
- 古い安定器の劣化リスクを減らせる
- 水銀を使用しない照明へ切り替えられる
- 虫が集まりにくくなる場合がある
特にアパートの駐車場では、照明が暗いと入居者様の不安につながります。
「夜に駐車場が暗い」
「共用部の印象が古く見える」
「電球が切れた時にすぐ対応できるか心配」
「古い照明をこのまま使ってよいのか分からない」
このような場合は、水銀灯からLEDへの交換を検討するタイミングです。
水銀灯はランプだけ交換すればよいとは限りません
水銀灯の交換で注意したいのは、単純に電球だけを取り替えれば済むとは限らないことです。
水銀灯には、点灯させるために安定器という装置が使われています。古い照明では、この安定器も経年劣化していることがあります。
今回の工事でも、水銀灯のランプだけでなく、安定器も確認し、LED照明に合わせた電源装置へ交換しました。
LED照明には、従来の水銀灯とは異なる電源装置が必要になる場合があります。既存の灯具を利用できるケースもありますが、現場の状態によっては器具ごとの交換が必要になることもあります。
見た目は同じような照明交換に見えても、実際には次のような確認が必要です。
- 既存の照明器具の状態
- ポールや取付金具の劣化
- 安定器の有無と状態
- 配線の状態
- 電源の仕様
- 新しいLED照明の取付方法
- 周囲の車両や建物への影響
- 高所作業車が入れるかどうか
屋外照明は高所に設置されていることが多く、電気工事も伴います。ご自身で判断して交換するのではなく、現地確認のうえで工事内容を決めることが大切です。


既存の水銀灯と安定器を撤去
まずは、既存の水銀灯を取り外します。
今回の照明はアパート駐車場の高い位置に設置されていたため、高所作業車を使用して作業を行いました。
屋外照明の交換では、照明器具だけでなく、周囲の安全確保も重要です。駐車場内に車がある場合や、入居者様が通行する場所では、作業範囲を確認しながら慎重に進める必要があります。
古い水銀灯を取り外した後、既存の安定器も確認します。
安定器は水銀灯を点灯させるための部品ですが、年数が経つと不具合の原因になります。照明が点きにくい、ちらつく、突然消えるといった症状がある場合、ランプだけでなく安定器側に原因があることもあります。
LED化する場合は、既存の安定器をそのまま使うのではなく、新しいLED照明に合わせた施工が必要になります
LED照明とLEDドライバーを取り付け
水銀灯と安定器を撤去した後、新しいLED照明を取り付けます。
LED照明は、水銀灯に比べて点灯が早く、スイッチを入れてから明るくなるまでの待ち時間がほとんどありません。
水銀灯の場合、点灯直後は暗く、明るさが安定するまで時間がかかることがあります。駐車場や共用部では、この点灯の遅さが不便に感じられることもあります。
LED照明に交換すると、点灯直後から明るさを確保しやすくなります。
また、LED照明には専用の電源装置が必要になる場合があります。今回も、LED照明に合わせたLEDドライバーを取り付けました。
この部分は見た目では分かりにくいのですが、屋外照明を安定して使うためには重要な部分です。
照明器具の交換は、見える部分だけきれいにすればよい工事ではありません。電源、配線、取付状態、防水性などを確認しながら施工する必要があります。


高所作業車を使って安全に作業
アパート駐車場や店舗、工場、倉庫などの屋外照明は、高い位置に設置されていることが多くあります。
脚立やはしごだけでは危険な場所もあり、無理な作業は事故につながります。
今回の工事では、高所作業車を使用して作業を行いました。
高所作業車を使うことで、作業員の足元を安定させ、照明器具の取り外しや取付を安全に進めることができます。
特に屋外照明は、風の影響を受けやすく、器具もある程度の重さがあります。ポールの上部や建物の外壁に設置された照明を交換する場合は、作業環境を確認したうえで、適切な方法を選ぶことが大切です。

LED交換後の駐車場の様子
交換後、夜間にLED照明を点灯すると、駐車場全体が明るくなりました。
古い水銀灯の青白く、少し暗く感じる光から、見え方のはっきりした照明に変わり、車の位置や足元の確認もしやすくなりました。
アパートの駐車場では、明るさそのものも大切ですが、光の広がり方も重要です。
一部だけが明るく、周囲が暗いままだと、駐車場全体の安心感は出にくくなります。照明を交換する際は、単に明るい器具を付けるのではなく、どの範囲を照らしたいのかを確認する必要があります。
今回のように駐車場を照らす場合は、車の出入り、歩行者の動線、建物入口までの明るさを考えながら照明を選ぶことが大切です。

LEDにすると虫が寄りにくくなる場合があります
屋外照明でよくある悩みのひとつが、夏場の虫です。
水銀灯や蛍光灯のまわりに虫が集まり、照明の下が汚れたり、入居者様が不快に感じたりすることがあります。
LED照明は、従来の照明に比べて虫が集まりにくい傾向があります。
ただし、「LEDにすれば虫がまったく来ない」という意味ではありません。周囲の環境、近くの草木、建物の明かり、照明の色、設置場所によっても変わります。
それでも、古い水銀灯からLED照明へ交換することで、虫の集まり方が少なく感じられるケースはあります。
アパートや店舗の屋外照明では、明るさだけでなく、清掃の手間や見た目の印象も大切です。
水銀灯からLEDへ交換するメリット
水銀灯からLED照明へ交換する主なメリットは、次の通りです。
1. 電気代を抑えやすい
LED照明は、従来の水銀灯に比べて消費電力を抑えやすい照明です。
アパートの駐車場や共用部の照明は、夜間に長時間点灯することが多いため、照明の消費電力は管理費にも関わります。
実際の電気代は、照明の台数、点灯時間、契約内容、電気料金単価によって変わりますが、長時間使う屋外照明ほどLED化の効果を感じやすくなります。
2. ランプ交換の回数を減らしやすい
水銀灯は、ランプ切れや安定器の不具合が起きると交換対応が必要になります。
高所にある照明の場合、ランプ交換だけでも高所作業車が必要になることがあります。
LED照明にすることで、ランプ交換やメンテナンスの頻度を減らしやすくなります。
アパートや店舗のように、管理者様がすぐ現地対応できない建物では、メンテナンス回数を減らせることは大きなメリットです。
3. 点灯が早い
水銀灯は、点灯してから明るくなるまで時間がかかることがあります。
LED照明は点灯が早く、すぐに明るさを確保しやすいのが特徴です。
駐車場、共用玄関、通路、店舗の外灯などでは、すぐに明るくなることが安心感につながります。
4. 夜間の視認性が上がる
古い水銀灯は、長年使っているうちに暗く感じたり、色の見え方が分かりにくくなったりすることがあります。
LED照明へ交換することで、車、歩行者、段差、白線、入口まわりなどが見えやすくなる場合があります。
防犯面だけでなく、入居者様が夜間に安心して利用できる環境づくりにもつながります。
5. 古い設備を更新できる
水銀灯の交換では、照明器具だけでなく、安定器や配線まわりの状態も確認できます。
古い設備をそのまま使い続けると、点灯不良や漏電、器具の劣化などにつながることがあります。
照明が完全に点かなくなってから交換するより、早めに確認しておく方が、建物管理としては安心です。
水銀灯交換で注意したいこと
水銀灯からLEDへ交換する際は、いくつか注意点があります。
現地確認をしないと正確な判断ができません
照明器具の形、ポールの状態、安定器の場所、配線の状態、高所作業車が使えるかどうかは、現地を見ないと判断できません。
同じような水銀灯に見えても、現場ごとに施工内容が変わります。
写真だけである程度の予想はできますが、正確な見積もりには現地確認が必要です。
電気工事が必要です
屋外照明の交換は、電気配線を伴うことが多い工事です。
ランプを回して取り替えるだけの作業とは違い、器具や電源装置、配線を扱う場合は、電気工事として適切に施工する必要があります。
安全のためにも、無理にご自身で交換しようとせず、専門業者に相談してください。
古い水銀灯の処分にも注意が必要です
水銀灯は、水銀を使用した照明です。
事業用の建物やアパート、店舗などで発生した使用済みの水銀灯は、一般のごみと同じように扱えない場合があります。
撤去後のランプや器具は、適切な方法で処分する必要があります。
LEDにすれば必ず同じ明るさになるとは限りません
LED照明は消費電力を抑えやすい一方で、選び方を間違えると、思ったより暗い、照らしたい場所に光が届かない、まぶしすぎるといった問題が起きることがあります。
交換する際は、単にワット数だけで判断せず、照らしたい範囲や設置高さ、光の広がり方を確認することが大切です。
アパートや店舗の屋外照明は、建物の印象にも関わります
屋外照明は、建物の印象にも影響します。
夜間に駐車場が暗いアパートは、入居者様にとって不安に感じられることがあります。
反対に、駐車場や入口まわりが適度に明るい建物は、管理が行き届いている印象を与えやすくなります。
賃貸物件の場合、照明交換は内装リフォームのように目立つ工事ではありません。
しかし、入居者様の安全、防犯、建物管理、共用部の印象という意味では、後回しにしない方がよい設備です。
特に次のような場合は、一度点検をおすすめします。
- 駐車場の照明が暗く感じる
- 水銀灯を長年使っている
- ランプ交換の頻度が増えてきた
- 照明が点いたり消えたりする
- 点灯まで時間がかかる
- 照明器具やポールにサビがある
- アパートの共用部を少しでも改善したい
- 店舗や倉庫の外灯をLED化したい
札幌近郊でアパート駐車場の照明交換をご検討の方へ
北嶺建設では、札幌市近郊でアパート、貸家、店舗、事務所、倉庫などの小規模な修繕工事にも対応しています。
今回のような屋外照明の交換はもちろん、建物まわりの修繕、外壁、屋根、排水、除排雪など、建物管理に関わるご相談をお受けしています。
「どこに頼めばよいか分からない」
「電気屋さんだけで済むのか、建物側の修繕も必要なのか分からない」
「古い照明をLEDにしたいが、費用感が分からない」
「アパートの共用部を少しずつ直していきたい」
このような場合は、現地の状況を確認したうえで、必要な工事をご提案します。
照明が完全に点かなくなってからでは、入居者様への対応も急ぎになります。
古い水銀灯を使っているアパートや店舗では、早めの確認をおすすめします。
まとめ
アパート駐車場の水銀灯をLED照明へ交換することで、夜間の視認性が上がり、管理面でも安心しやすくなります。
水銀灯は、ランプだけでなく安定器や配線まわりも関係するため、交換の際は現地確認が必要です。
また、屋外照明は高所作業や電気工事を伴うため、安全面を考えて専門業者に依頼することが大切です。
アパートや店舗の駐車場、共用部、外灯の暗さが気になっている方は、LED照明への交換を検討してみてください。
北嶺建設では、札幌市近郊で建物まわりの小さな修繕から対応しています。
まずは写真を送っていただくだけでも構いません。現地の状況に合わせて、無理のない方法をご提案します。
よくあるご質問
水銀灯はまだ使い続けても大丈夫ですか?
現在点灯している水銀灯を、すぐに使用禁止という意味ではありません。
ただし、一般照明用の高圧水銀ランプはすでに製造・輸出入が禁止されており、今後は交換用ランプや関連部品の入手が難しくなる可能性があります。
また、古い水銀灯はランプだけでなく、安定器や配線、器具本体も劣化していることがあります。
「まだ点いているから大丈夫」と考えるのではなく、駐車場や共用部の照明として安全に使える状態かどうかを、一度確認しておくことをおすすめします。
水銀灯からLEDに交換すると、どのようなメリットがありますか?
主なメリットは、消費電力を抑えやすいこと、点灯が早いこと、ランプ交換の回数を減らしやすいことです。
アパートや店舗の駐車場照明は、夜間に長時間点灯することが多いため、LED化によって電気代やメンテナンスの負担を抑えやすくなります。
また、水銀灯は点灯してから明るくなるまで時間がかかることがありますが、LED照明は点灯直後から明るさを確保しやすいのも特徴です。
駐車場や共用通路では、足元や車の位置が見えやすくなることで、入居者様や利用者様の安心感にもつながります。
水銀灯のランプだけをLEDに交換できますか?
現場によっては、既存の器具を活かせる場合もあります。
ただし、水銀灯には安定器が使われていることが多く、LED化する際には安定器の撤去や配線の変更、LED用の電源装置の取付が必要になる場合があります。
単純に電球だけを取り替えればよいとは限りません。
器具本体、安定器、配線、取付金具、ポールの状態を確認したうえで、ランプ交換で済むのか、器具ごと交換した方がよいのかを判断する必要があります。
水銀灯のLED交換は自分でできますか?
電球を回して外すだけのように見えても、水銀灯からLEDへの交換では、電気配線や安定器の撤去、LEDドライバーの取付が必要になることがあります。
このような作業は、感電や漏電、施工不良のリスクがあるため、ご自身で行うのはおすすめできません。
特に屋外照明は高い位置に設置されていることが多く、はしご作業や高所作業も伴います。
安全面を考えても、電気工事に対応できる業者へ相談してください。
水銀灯をLEDに交換すると、電気代はどのくらい安くなりますか?
電気代の削減額は、現在の水銀灯の種類、台数、点灯時間、電気料金単価によって変わります。
そのため、現地を見ずに正確な金額をお伝えすることはできません。
ただし、アパート駐車場や店舗外灯のように、毎日長時間点灯している照明は、LED化による効果を感じやすい場所です。
電気代だけでなく、ランプ交換や高所作業の回数を減らせることも、LED化を検討する理由になります。
LEDに交換すると、必ず明るくなりますか?
LEDに交換すれば、必ず今より明るくなるとは限りません。
照明器具の明るさ、光の広がり方、設置高さ、照らしたい範囲が合っていないと、思ったより暗く感じたり、一部だけがまぶしくなったりすることがあります。
駐車場照明では、単に明るい器具を選ぶのではなく、車の出入り、歩行者の動線、建物入口までの明るさを考えることが大切です。
交換前には、どの範囲を照らしたいのかを確認したうえで照明を選ぶ必要があります。
古い水銀灯は普通に処分できますか?
水銀灯は水銀を使用している照明のため、一般のごみと同じように処分できない場合があります。
特にアパート、店舗、工場、倉庫などの事業用建物から撤去した水銀灯は、産業廃棄物として適切な処理が必要になることがあります。
照明交換を依頼する際は、撤去した水銀灯や安定器の処分まで対応できるか確認しておくと安心です。
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村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。
保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。

