こんにちは。北嶺建設の広報スタッフです。
InstagramやThreadsなどで住宅の投稿を見ていると、最近「ヌック」という言葉を見かけることが増えました。
小さな入口の奥にベンチがあったり、窓辺に腰掛けられる場所がつくられていたり、階段下が小さな読書スペースになっていたり。
写真を見ると、ちょっと秘密基地のようで素敵です。
先日もSNSで、アーチ型の入口を設けたかわいらしいヌックを子どものスペースとして使っている投稿を見かけました。
ただ、写真をよく見ると中にはおもちゃがいっぱい。
投稿した方も、子どものおもちゃで足の踏み場がなくなっているという趣旨のコメントをされていました。
これを見て、少し気になりました。
ヌックは「つくること」が目的になってしまうと、あとから困ることもあるのではないでしょうか。
今回は、最近よく聞く「ヌック」について、リフォーム会社の視点から考えてみます。
そもそも「ヌック」とは?
ヌック(nook)とは、部屋の一角などにつくられる小さく、少しこもれるようなスペースのことです。
必ずしも壁とドアで完全に仕切る必要はありません。
例えば、
- リビングの一角
- 階段下
- 窓際
- 廊下の一部
- 押入れだった場所
- 部屋の隅
などを利用してつくることができます。
個室ほど閉じていないけれど、リビングとは少し違う。
そんな「家の中の小さな居場所」と考えると分かりやすいと思います。

なぜヌックが人気なのでしょうか
大きな理由の一つは、家族と同じ空間にいながら、自分の居場所をつくれることだと思います。
例えばリビングの横にヌックがあれば、子どもがそこで本を読んだり遊んだりしていても、キッチンやリビングから様子を見ることができます。
大人の読書スペースとして使うこともできます。
完全な個室を一部屋つくるほどの面積は必要ありません。
そしてもう一つは、やはり見た目です。
アーチ型の垂れ壁をつくったり、内部だけ壁紙を変えたり、間接照明や小さなペンダント照明を付けたりすると、普通の部屋とは少し違う印象になります。
見た目のよさから、SNSでシェアされやすいのも納得できます。
デザインより先に決めたいこと
ここが今回一番お伝えしたいところです。
ヌックを考えるとき、
「アーチの入口にしたい」
「小さな照明を付けたい」
「木を使ってかわいくしたい」
といったデザインから考えたくなります。
しかし、先に考えたいのは、
「完成したあと、誰がそこで何をするのか?」
です。
例えば子どもの遊び場なら、おもちゃが集まるのは当然です。
それなら最初から、
「おもちゃはどこにしまう?」
「棚は必要?」
「子どもが大きくなったら何に使う?」
まで考えておいた方が使いやすくなります。
「散らかった=失敗」ではありません
今回SNSで見かけたように、ヌックがおもちゃでいっぱいになっている状態を見て、「失敗だったのでは?」と思うかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。
子どもが毎日そこで遊んでいるのであれば、その場所はかなり使われているとも考えられます。
問題は散らかることそのものではなく、
散らかることを想定した設計になっているか
です。
子どもの遊び場としてつくるなら、収納棚をつくる、箱を置く場所を決める、床を掃除しやすい材料にする。
こうしたところまで考えると、見た目だけではない「使えるヌック」になります。
以前流行した「小さな書斎」と少し似ています
住宅には、その時々で人気になる間取りがあります。
最近では、1~2畳程度の小さな書斎やワークスペースを設ける住宅もよく見かけます。
ただ、実際の生活が始まると、
「思ったより狭かった」
「結局ダイニングテーブルで仕事をしている」
「荷物置き場になってしまった」
ということもあります。
これは書斎が悪いわけではありません。
暮らし方と間取りが合っているかどうかの問題です。
ヌックについても同じことが言えると思います。
「余っている場所」をヌックにする考え方もあります
ここからはリフォームの話です。
ヌックは、新築のときにつくらなければならないものではありません。
むしろ既存住宅では、
今あまり使えていない場所を、小さな居場所につくり変える
という考え方があります。
例えば、使わなくなった押入れ。
布団を収納しなくなり、いつの間にか使わない物を詰め込む場所になっていることがあります。
その一部を開放して、ベンチやカウンターを設ければ、小さな読書スペースや作業スペースとして使える可能性があります。
階段下のデッドスペースなども同様です。
「ヌックをつくりたいから場所を探す」というより、
「この使っていない場所、何かに使えないかな?」
という順番で考える方が、リフォームでは自然かもしれません。
札幌の住宅なら「寒くないか」「暑すぎないか」も確認したい
もう一つ、北海道の住宅で考えておきたいことがあります。
それが室内の温熱環境です。
窓辺につくられたヌックは、写真ではとても魅力的に見えます。
しかし、冬になると窓の近くが寒く、結局座らなくなってしまってはもったいありません。
特に既存住宅をリフォームして窓際にヌックを設ける場合は、窓の断熱性能、壁や床の断熱状態、暖房の位置なども確認しておきたいところです。場合によっては、内窓の設置などと一緒に検討する方法もあります。
反対に、南向きや西向きの窓際は、夏場に日射で熱がこもりやすい場所でもあります。せっかくの居場所が「夏は暑くて座れない」とならないよう、日射遮蔽(庇やブラインド、遮熱窓など)についても合わせて考えておくと安心です。
「見た目は居心地がよさそうなのに、実際には寒い・暑いで誰も使わない」
とならないように、北海道ではデザインと温熱環境をセットで考える必要があります。
子ども用につくるなら「5年後」も考えてみる
子どもが小さいときには、秘密基地のようなヌックはとても魅力的です。
ただ、家は長く使います。
現在3歳の子どもも、10年後には13歳です。
そのとき、その場所をどう使うでしょうか。
だからといって「将来使わなくなるかもしれないから、つくらない」という話ではありません。
例えば、
幼児期:おもちゃ・絵本スペース ↓ 小学生:読書・宿題スペース ↓ 中高生:勉強・趣味のスペース ↓ その後:大人の読書・収納スペース
というように、用途を変えられる設計にしておく方法があります。
固定された造作を増やしすぎず、家具や棚を入れ替えられるようにしておくのも一つの方法です。
ヌックをつくる前に考えてほしい5つのこと
ヌックに興味がある方は、デザインを決める前に次の5点を考えてみてください。
- 誰が使うのか
- そこで何をするのか
- 必要な収納はどのくらいか
- 数年後も別の用途で使えるか
- 夏・冬とも快適に使える場所か(断熱・日射対策)
この5つがある程度決まってから、広さ、入口の形、棚、照明、コンセント、内装などを考えていく方が、実際の暮らしに合った空間をつくりやすくなります。
よくある質問
ヌックをつくるには何畳くらい必要ですか?
明確な決まりはありませんが、ベンチや腰掛けスペース程度であれば0.5~1畳ほどから検討できます。押入れ1つ分のスペースでも、収納を工夫すれば十分に居場所として機能します。まずは「誰が」「何のために」使うかを決めてから、必要な広さを逆算するのがおすすめです。
新築だけでなく、リフォームでもヌックはつくれますか?
はい、つくれます。むしろ既存住宅では、使わなくなった押入れや階段下のデッドスペースなど、「今あまり使えていない場所」を活用してヌックにつくり変えるケースが多くあります。新たに空間を広げる必要がない分、比較的取り入れやすいリフォームの一つです。
子どもが成長したら、ヌックは使わなくなってしまいませんか?
使い方は変わりますが、使われなくなるとは限りません。幼児期のおもちゃスペースから、成長にあわせて読書・宿題スペース、趣味や勉強のスペースへと役割を変えていくことができます。造作を固定しすぎず、家具や棚を入れ替えられるようにしておくと、長く使い続けやすくなります。
「ヌックをつくりたい」ではなくても大丈夫です
北嶺建設にご相談いただく場合、「ヌックをつくりたい」と具体的に決まっている必要はありません。
例えば、
「使っていない押入れを何とかしたい」
「階段下がもったいない」
「子どものおもちゃを置く場所がない」
「リビングにちょっと座れる場所がほしい」
「以前つくった書斎を全然使っていない」
こうしたところからでも構いません。
現在の間取りや使い方を見ながら、収納にするのか、ヌックのような居場所にするのか、それとも別の使い方がよいのかを考えていきます。
流行しているから取り入れるのではなく、その家で本当に使える場所にすること。
ヌックに限らず、リフォームではそこが一番大切だと私たちは考えています。
札幌市内・近郊で「家の中に使いこなせていない場所がある」という方は、北嶺建設までお気軽にご相談ください。
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