こんにちは。北嶺建設です。
キッチンの上だけ天井を一段下げ、木目調の仕上げや間接照明を組み合わせた「下がり天井」。新築やリフォームの施工事例で、すっかりおなじみになりました。
一方で最近は、「下がり天井はもう古い?」「今つくると、数年後にダサく見えない?」という声も聞くようになりました。
ただ、流行かどうかを考える前に、ひとつ振り返ってみたいことがあります。そもそも、なぜ天井をわざわざ低くするのでしょうか。
実は下がり天井は、おしゃれに見せるためだけのものではありません。今回はリフォーム会社の視点から、下がり天井が本来持っている役割と、採用するかどうかの考え方をお伝えします。
そもそも「下がり天井」とは?
下がり天井(下り天井)とは、部屋の天井の一部分だけを周囲より低くした天井のことです。反対に、天井の一部を周囲より高くしたものは「折り上げ天井」と呼ばれます。
住宅の天井裏には、次のようなものが通っています。
・梁
・給排水管
・換気ダクト
・レンジフードの排気ダクト
・電気配線
これらを室内から見えないように納めるために、一部分だけ天井を下げることがあります。下がり天井には、もともと設備や構造上必要なものを納めるという実用的な役割があるのです。
マンションでは「下げる必要がある」ことも多い
マンションの天井付近には、建物を支えるコンクリートの梁があります。構造体なので、リフォームの都合で削ったり移動したりすることはできません。
さらにキッチンの位置を変える場合は、レンジフードから外部の排気口までダクトを通す必要があります。間取りの上ではキッチンを移動できても、天井裏にダクトを通すスペースがなければ、その部分だけ天井を下げてダクトを納める方法を検討します。
この場合、「天井を下げたい」のではなく、「下げる必要がある」わけです。
必要な段差を、あえて「見せる」
どうしても天井を下げなければならないなら、目立たないように隠すだけが方法ではありません。
・木目調で仕上げる
・周囲とは違うクロスを使う
・ダウンライトを配置する
・間接照明を組み合わせる
こうした工夫で、必要から生まれた段差を、欠点ではなく空間の特徴として見せることができます。リフォームでよく使われる考え方です。
戸建てでデザインとして使われる2つの理由
戸建て住宅でも、梁や設備の関係で天井を下げることがあります。一方で近年は、構造や設備の面では必ずしも必要ない場所に、デザインとして下がり天井を設ける例も多く見られます。代表的なのが、白いLDKの天井に木目のキッチン天井を組み合わせるスタイルです。
わざわざ天井を下げる理由は、主に2つあります。
- 壁をつくらずに空間を分けられる
今の住宅では、キッチン・ダイニング・リビングをひとつにつなげたLDKが一般的です。開放感がある反面、どこまでがキッチンで、どこからがリビングなのか、境界があいまいになりがちです。
そこで、キッチンの上だけ天井を変えます。
床はつながっている。壁もない。それでも天井の高さや素材が変わることで、「ここがキッチン」という区切りが生まれます。これをゾーニングといいます。
- 間接照明をつくりやすい
天井に段差があると、その形を利用して間接照明を仕込めます。照明器具を見せずに、天井や壁に反射した光でやわらかく照らすと、ダウンライトだけの空間とは違った雰囲気になります。木目などの仕上げ材と組み合わせれば、キッチン上部をLDKのアクセントにすることもできます。
こうして下がり天井は、「設備を納めるもの」から「空間を演出するもの」へと、使われ方が広がってきました。
下がり天井はもう古いのか?
ここは、下がり天井という手法と、デザインの流行を分けて考えるとすっきりします。
梁を隠す、ダクトを通す、空間をゆるやかに区切る、照明計画に生かす。こうした目的があるなら、下がり天井は今でも意味のある設計です。手法そのものが古くなったわけではありません。
一方で、「キッチンには木目の下がり天井」という組み合わせが多くの住宅で採用されれば、「ある時期によく見たデザイン」と感じる人が出てくるのも自然なことです。変わっているのは下がり天井の機能ではなく、仕上げや組み合わせの流行だといえます。
下がり天井を検討するときの5つのポイント
住宅は洋服や家具と違い、流行が変わったからといって簡単につくり替えられません。「今流行っているから」だけで決める前に、次の5点を整理してみてください。
- なぜ天井を下げるのか
設備上必要なのか、デザインが目的なのか。まずここをはっきりさせます。目的がデザインなら、「この家で天井を下げることで、何が良くなるのか」を考えてみてください。
- 天井高に余裕はあるか
一般的な住宅の天井高は2,400mm前後です。施工事例の写真ではすっきり見えても、自宅で同じように下げると圧迫感が出ることがあります。下げる幅や範囲は、部屋全体の広さや天井高とのバランスで決めることが大切です。
- 費用はどのくらい増えるか
下がり天井をつくるには、フラットな天井に比べて次のような工事が加わります。
・下地工事
・石膏ボード工事
・クロスや木目材などの仕上げ工事
・電気配線・照明工事
間接照明を入れる場合は、照明器具や配線の費用も含めて検討しましょう。
- 掃除や点検のことまで考えているか
間接照明を仕込む溝は、ホコリがたまりやすい場所です。また、ダクトや配管を納めた下がり天井には、点検口が必要になる場合があります。見た目だけでなく、暮らし始めてからの手入れも想定しておくと安心です。
- 10年後も気に入っていられるか
木目、クロス、照明の色味などは、流行の影響を受けやすい部分です。施工事例をそのまま再現するのではなく、自分たちが長く暮らす家として選ぶことが大切です。
リフォームでは「できる・できない」を先に確認する
「キッチンを移動したい」「対面キッチンにしたい」「壁を撤去して広いLDKにしたい」。間取り図の上では簡単にできそうでも、実際には次のような点を確認する必要があります。
・梁はどこにあるか
・レンジフードの排気経路を確保できるか
・給排水管をどこに通せるか
・天井裏にどの程度スペースがあるか
・照明や電気配線をどうするか
札幌をはじめ北海道の住宅は断熱・気密性能が高く、換気ダクトが天井裏を通っていることも少なくありません。こうした既存の設備によって、できることが変わってきます。
場合によっては、「この位置へキッチンを移動するなら、ここだけ天井を下げる必要があります」ということもあります。逆に、下がり天井を希望されていても、「この間取りなら、わざわざ下げなくてもよいのでは」とご提案するケースもあります。完成写真だけでは分からない部分こそ、リフォームでは重要です。
まとめ|大切なのは「流行」より「なぜ下げるのか」
下がり天井は、もともと梁や配管、ダクトを納めるためにも使われてきたものです。そこから必要な段差をきれいに見せる工夫が生まれ、今ではあえて天井を下げて空間を演出するデザインにも広がっています。
ですから、「下がり天井はもう古い」「下がり天井ならおしゃれ」のどちらかで考える必要はありません。大切なのは、「なぜ、この家では天井を下げるのか」です。
必要な下がり天井なら、その段差をどうきれいに見せるか。デザインとしてつくるなら、天井を低くしてまで得られるメリットがあるか。そして下げる必要がないなら、フラットな天井という選択肢もあります。
「下げたい」も「下げたくない」もご相談ください
北嶺建設では、札幌市内・近郊の戸建て住宅やマンションのリフォームで、既存の梁・配管・換気ダクト・天井高などを確認しながらプランを検討しています。
・キッチンを移動したいけれど、天井は低くなる?
・この梁は隠せる?
・下がり天井にすると圧迫感が出る?
・木目にするか、白いままにするか迷っている
・できれば天井を下げずにリフォームしたい
やりたい工事が決まる前の、こうした段階でも大丈夫です。完成イメージだけで工事方法を決めるのではなく、まず今の住まいで何ができるのかを確認するところから、一緒に考えていきます。
札幌でキッチンやLDKのリフォームをご検討の方は、北嶺建設までお気軽にご相談ください。
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