アイカの洗面台とは?造作風洗面が人気の理由とリフォームの注意点

アイカの洗面台とは?造作風洗面が人気の理由とリフォームの注意点

こんにちは、北嶺建設です。

最近、InstagramやThreadsなどで住宅やリフォームの投稿を見ていると、洗面台の話題で「アイカ」という名前を見かけることが増えてきました。

洗面化粧台といえば、これまではTOTO、LIXIL、タカラスタンダードなどの住宅設備メーカーから選ぶイメージが一般的でした。

ところが最近は、

「アイカの洗面台にしたい」

「造作風洗面に憧れている」

「こんな洗面台にリフォームできますか?」

といった投稿をSNSでよく見かけます。

そこで今回は、特定の商品をおすすめするというよりも、

なぜ最近アイカ工業株式会社(以下、アイカ)の洗面台が注目されているのか。従来の洗面化粧台とは何が違うのか。リフォームで選ぶ場合は何に注意したらよいのか。

工務店の立場から調べてみました。

SNSでよく見る「アイカの洗面台」とは?

SNSで「アイカの洗面台」と呼ばれているものの多くは、アイカの**「スマートサニタリー」シリーズ**です。

アイカは、メラミン化粧板や化粧材などを幅広く扱う建材メーカーです。もともと洗面台専業のメーカーではなく、国内シェア上位のメラミン化粧板を軸とした建材メーカーが本業で、そのノウハウを活かして展開しているのがこの商品群になります。

スマートサニタリーは2016年3月に登場し、カウンターのサイズ、洗面ボウル、表面材の色柄、収納などを組み合わせられる洗面化粧台として展開されています。

さらに2022年11月には、カウンターと棚板を中心としたオープンスタイルの**「スマートサニタリーU」**も追加されました。

このタイプを見ると、

「これが洗面化粧台?」

と思う方もいるかもしれません。

一般的な洗面化粧台のように、洗面ボウル・収納・鏡が一体になった設備機器というよりも、

家具やカウンターの中に洗面スペースをつくったようなデザイン

になっているのが特徴です。

なぜアイカの洗面台が人気なのでしょうか?

SNSでよく見かけるからといって、住宅全体でアイカの洗面台が主流になったわけではありません。

ただし、スマートサニタリーの販売が伸びていることは、アイカ自身も決算説明会資料やニュースリリースの中で繰り返し言及しています。アイカは、SNSで話題となり人気が高まっている洗面化粧台としてスマートサニタリーを紹介しており、施主によるSNS投稿の増加とともに売り上げを伸ばしていると説明しています。実際に、直近の決算では住器建材(スマートサニタリーを含む区分)の売上が前年から二桁パーセント増加したことが公表されており、中間決算の時点でも前年同期比で大きく伸びていることが報告されています。

具体的な年度別の売上高については、アイカが決算説明会資料や住宅専門紙の取材で明らかにしている情報として、ここ数年で急激な伸びを見せていることが繰り返し報じられています。日本経済新聞の報道でも、スマートサニタリーの売上高は数年で大きく拡大したと伝えられています。

正確な金額は年度や集計時点によって変わるため、最新の数字を知りたい方はアイカの決算説明資料や公式ニュースリリースを直接ご確認いただくのが確実です。

いずれにせよ、単にInstagramでよく見えるだけではなく、実際に採用が増えている洗面化粧台の一つと考えてよさそうです。

ただし「洗面台市場の主流」という意味ではありません

ここは少し注意が必要です。

アイカ自身の説明でも、日本国内の洗面化粧台市場全体の規模と比較すると、スマートサニタリーの出荷実績はまだ一部にとどまるとされています。正確な市場規模や出荷台数は年によって変動し、公開資料の集計方法によっても数字が異なるため、本記事では具体的な台数の断定は避けますが、大手住宅設備メーカーの主力ラインナップに比べれば、まだニッチな位置づけであることは間違いありません。

つまり、

TOTOやLIXILなどに代わってアイカが洗面化粧台の主流になった

という状況ではありません。

むしろ現在起きているのは、

「一般的な洗面化粧台」以外に「造作風洗面」という選択肢が広がってきた

という変化です。

そして、その造作風洗面の中でアイカのスマートサニタリーが注目されている、と考える方が実態に近いでしょう。

そもそも「造作洗面」とは?

造作洗面とは、一般的には、

  • 洗面カウンター
  • 洗面ボウル
  • 水栓
  • 収納
  • 照明
  • タイルや壁材

などを組み合わせてつくる洗面スペースです。

既製品の洗面化粧台をそのまま設置するのではなく、部屋の広さや好みに合わせてつくれるため、デザインの自由度が高くなります。

ただし、完全な造作にすると、それぞれの部材を選定して納まりを考えなければなりません。

そこで登場したのが「造作風洗面化粧台」です。

完全なオーダーメイドではないものの、既製品の安心感を残しながら、造作洗面のようなデザインをつくりやすくした商品と考えると分かりやすいでしょう。

アイカの魅力は「造作っぽいのに商品として選べる」こと

アイカのスマートサニタリーの大きな特徴は、

造作洗面のような自由度を持ちながら、メーカー商品として組み合わせられること

だと思います。

例えば、

木目調のカウンターにする。

石目調にする。

グレーやモルタル調の雰囲気にする。

カウンターの下をオープンにする。

収納を付ける。

大きな一面鏡を組み合わせる。

こうした選択によって、従来型の洗面化粧台とはかなり違った空間をつくることができます。

アイカは現在、スモーキーな色合いや木目など、インテリア全体とのコーディネートを意識した提案にも力を入れています。

これがInstagramなどの写真中心のSNSと非常に相性が良いのでしょう。

実はTOTOやLIXILも「造作風」に力を入れています

造作風洗面がアイカだけの動きなのかというと、そうではありません。

TOTO「ドレーナ」

TOTOでは「ドレーナ」という洗面化粧台を展開しています。造作するように、パーツやカラーを自由に選んで自分らしい洗面空間を実現できる商品として位置づけられており、2025年8月には木目調キャビネットやオープン収納の選択肢を拡充するモデルチェンジも行われています。

木目調キャビネット、モルタル調カウンター、一面鏡、ベッセル式ボウルなどを組み合わせることができます。

LIXIL「カスタム バニティ」

LIXILにも「カスタム バニティ」があります。

こちらもメーカーが明確に**「造作風カウンター洗面」**と位置づけている商品で、2025年4月に発売されました。SNSの普及によって異なるメーカーの部材を組み合わせる造作洗面の人気が高まる一方、水はねや清掃性への不満も多いという課題意識から生まれた商品で、2026年春には選べるボウルの種類が拡充されるなど、発売後も継続的に強化されています。

つまり最近の洗面台選びでは、

「アイカかTOTOか」

というメーカーだけの比較ではなく、

一般的なシステム洗面化粧台にするのか、造作風にするのか

という選択肢が増えてきたと考えた方がよいでしょう。

普通の洗面化粧台では駄目なのでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。

ここはSNSの写真だけで判断しない方がよいところです。

一般的な洗面化粧台には、

  • 収納量を確保しやすい
  • 洗面ボウルが大きい
  • 水はねを考えてつくられている
  • 掃除しやすい
  • 三面鏡の裏にも収納できる
  • 商品として完成されている

といったメリットがあります。

毎朝家族が何人も使ったり、洗面台で衣類や子どもの靴を洗ったりする家庭では、見た目以上にボウルの大きさや深さ、収納量が重要になることがあります。

一方、造作風洗面は、

  • 洗面室のデザインにもこだわりたい
  • カウンターを広く取りたい
  • 好きな鏡や照明を使いたい
  • 木目や石目など内装と合わせたい
  • オープンな収納にしたい

といった方には魅力的です。

どちらが優れているという話ではありません。

造作風洗面も「デザインだけ」ではなくなってきています

とはいえ、造作風洗面もこうした弱点をそのままにしているわけではありません。以前から、

「ボウルが浅い」

「水が飛びやすい」

「洗濯物のつけ置きには使いにくい」

といった実用面の指摘があったのは事実です。

これに対してメーカー各社が改善を進めているのが、ここ数年の動きです。

アイカでは、洗面ボウルの選択肢として容量の大きい深型ボウルを追加するなど、実用性を高める商品追加を継続しています。LIXILのカスタム バニティも、底が広く清掃性の高いボウルを標準としているのは、まさにこうした「デザイン重視の造作洗面にありがちな不満」への回答です。

造作風洗面も、

「デザインを楽しむ洗面」から「デザインと実用性の両方を考える洗面」へ

進んできているように感じます。

リフォームでは「好きな洗面台を選ぶ」だけでは決まりません

ここからはリフォーム会社として特にお伝えしたいところです。

Instagramで、

「この洗面台、素敵だな」

と思っても、同じ商品をそのまま現在の洗面室に設置できるとは限りません。

既存住宅の洗面台交換では、少なくとも次のような確認が必要です。

洗面台を置ける幅

既存の壁と壁の間に納まるかを確認します。

造作風洗面はカウンターを広くできることが魅力ですが、ドア、洗濯機、収納などとの位置関係も考える必要があります。

給水・給湯・排水管の位置

現在の洗面化粧台を撤去すると、壁や床から給水管・給湯管・排水管が出ています。

新しい洗面台の仕様によっては、配管位置の変更が必要になることがあります。

壁の下地

カウンターや鏡、収納などを取り付けるために、壁の下地が必要になる場合があります。

既存住宅では壁を開けて下地を追加することもあります。

コンセントの位置

ドライヤー、電動歯ブラシ、シェーバーなど、洗面台周辺では意外に多くの電気製品を使用します。

鏡だけを見て決めてしまうと、

「コンセントが足りなかった」

ということにもなりかねません。

照明

大きな一面鏡を選ぶ場合は、照明の位置との関係も重要です。

洗面台だけ交換して終わりではなく、照明やクロスまで含めて考えた方がきれいにまとまる場合があります。

収納

SNSの写真で少し気になるのが、完成した直後の洗面スペースは非常にすっきりしていることです。

しかし実際の生活では、歯ブラシ、歯磨き粉、化粧品、整髪料、ドライヤー、タオル、洗剤、掃除用品など、かなり多くの物を置くことになります。

オープンタイプの造作風洗面はとてもきれいですが、

「この状態で毎日生活したら、どこに物をしまうのか」

まで考える必要があります。

見た目だけでなく、「家族何人で使うのか」「洗面台で何をするのか」「どのくらい収納が必要なのか」を先に考えることをおすすめします。

洗面台はメーカー名より「どう使うか」で選ぶ

大まかに整理すると、次のようになります。

重視したいこと検討したいタイプ
デザインを重視したい造作風洗面・造作洗面
木目・石目など内装と合わせたいアイカなどの造作風洗面
収納をしっかり確保したい収納重視のシステム洗面化粧台
掃除のしやすさを重視したい一体型ボウルなども比較
洗濯物や靴も洗いたい大きく深いボウル
カウンターを広くしたい造作風・カウンタータイプ
三面鏡収納が欲しい収納重視のシステム洗面化粧台

ここで大切なのは、

「今人気の商品だから選ぶ」のではなく、「自分たちの使い方に合っているから選ぶ」ことです。

SNSで見つけた洗面台の写真から相談しても大丈夫です

最近は住宅設備の商品名が分からなくても、

「Instagramでこんな洗面台を見つけました」

というところからリフォームを考える方も多いと思います。

写真やスクリーンショットがあれば、

「この雰囲気ならどんな商品が考えられるか」

「現在の洗面室に設置できそうか」

「似た雰囲気を別の商品でつくれるか」

などを検討する材料になります。

アイカに限らず、TOTO、LIXIL、タカラスタンダードなども含めて比較してみるとよいでしょう。

ただし、既存住宅の場合は配管や寸法などがありますので、最終的には現地を確認して判断する必要があります。

よくあるご質問

アイカの洗面台はリフォームでも設置できますか?

既存住宅のリフォームでも検討できます。ただし、設置スペース、給排水管、壁下地などの確認が必要です。現在の洗面化粧台と同じように交換するだけでは済まない場合もあります。

アイカの洗面台は造作洗面なのですか?

完全なオーダーメイド造作とは少し異なります。カウンターや洗面ボウル、収納などをメーカーが用意した選択肢から組み合わせる「造作風洗面化粧台」と考えると分かりやすいでしょう。

TOTOやLIXILにも造作風洗面台はありますか?

あります。TOTOには「ドレーナ」、LIXILには「カスタム バニティ」などがあります。現在は複数のメーカーが造作風洗面の商品を展開しています。

造作風洗面と普通の洗面化粧台はどちらがおすすめですか?

デザイン、収納量、掃除のしやすさ、洗面台で何をするかによって変わります。必ずしも造作風の方がよいわけではありません。

築年数が古い住宅でも造作風洗面にできますか?

配管の位置や壁の下地の状態によって対応が変わります。既存の配管をそのまま活かせる場合もあれば、位置変更が必要な場合もあるため、現地調査のうえで判断するのが確実です。古い住宅ほど、事前確認の重要度が高くなるとお考えください。

まとめ|洗面台の選び方が変わってきています

今回調べてみると、アイカのスマートサニタリーは単にSNSで話題になっているだけではなく、実際に販売を伸ばしている洗面化粧台であることが分かりました。

そして、もっと大きな変化として見えてくるのが「造作風洗面」という選択肢の広がりです。TOTOやLIXILも造作風の商品を強化しており、これから洗面リフォームを考える際には、従来型の洗面化粧台だけでなく、こうした商品も選択肢に入ってくるでしょう。

ただ、SNSで見る完成写真と、実際に毎日使う洗面台は別のものです。デザインだけでなく、収納・ボウルの大きさ・水はね・掃除のしやすさ・コンセントや照明の位置、そして既存の給排水管の状況までを一緒に考えることが、洗面リフォームでは大切です。

北嶺建設では、特定のメーカーだけに決めるのではなく、現在の洗面室の状態とご希望を確認しながら、洗面台交換や洗面室全体のリフォームを検討します。

「SNSで見つけたこんな洗面台にしたい」というご相談でも構いません。写真を見せていただくところから、実際にできる方法を一緒に考えていきます。



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この記事を書いた人

スタッフA|北嶺建設 広報担当

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