システムキッチンが当たり前。でも本当にそれだけ?セクショナルキッチンを今、見直してみる

システムキッチンが当たり前。でも本当にそれだけ?セクショナルキッチンを今、見直してみる

キッチンを新しくするとしたら、何を選びますか?

おそらく多くの方が、まず「システムキッチン」を思い浮かべるのではないでしょうか。

新築住宅でもリフォームでも、今ではシステムキッチンが当たり前です。

ショールームへ行けば、きれいな扉、引き出し収納、食器洗い乾燥機、タッチレス水栓、お手入れしやすいレンジフードなど、魅力的な設備がずらりと並んでいます。

もちろん、システムキッチンはとてもよくできています。

でも、ふと思いました。

キッチンは、本当にシステムキッチンでなければならないのでしょうか。

今回は、少し昔のキッチンも振り返りながら、「キッチンにどこまで求めるのか」を考えてみたいと思います。

昔は「流し台+調理台+コンロ台」が普通でした

昔の住宅でよく見かけたのが、

  • 流し台
  • 調理台
  • コンロ台
  • 吊戸棚

などをそれぞれ組み合わせたキッチンです。

現在は一般に「セクショナルキッチン」と呼ばれています。

流し台とコンロ台の間には継ぎ目があり、ガスコンロも置き型。

今のシステムキッチンと比べると、確かに昔ながらの雰囲気があります。

その後、シンクや調理スペース、コンロ、収納などを一体的に計画したシステムキッチンが普及しました。

ワークトップがつながっているので掃除もしやすく、収納も充実しています。

デザインにも統一感があります。

システムキッチンが一般的になったのには、きちんと理由があります。

でも「全部一体」だから良いとも限りません

ここで少し見方を変えてみます。

セクショナルキッチンは、それぞれが分かれています。

これは古い構造の欠点にも見えますが、反対に考えると、

必要なところだけ交換しやすい

ということでもあります。

流し台が傷んだら流し台。

コンロが古くなったらコンロ。

換気扇が故障したら換気扇。

吊戸棚がまだ使えるなら、そのまま残す。

全部を一度に新しくするのではなく、傷んだ部分から交換していくという使い方ができます。

住宅設備は、すべてが同じ日に壊れるわけではありません。

そう考えると、単純な構造には単純な構造なりの良さがあります。

セクショナルキッチンは、今でも売られています

「そうはいっても、昔のキッチンでしょう?」

と思われるかもしれません。

ところがメーカーのカタログを見ると、現在でもセクショナルタイプのキッチンが載っています。

たとえばLIXILには「GSシリーズ」「GKシリーズ」があります。

クリナップには「SK」「さくら」「すみれ」「クリンプレティ」などがあります。

つまり、昔の住宅に残っているものを仕方なく使うだけではありません。

2026年10月時点でも、新品として選べるキッチンです。

では、システムキッチンがこれほど普及しているのに、なぜこうした商品が今でも残っているのでしょうか。

そこを考えてみると、キッチン選びが少し違って見えてきます。

キッチンにそれほどお金をかけたくない人もいる

家を建てたりリフォームしたりすると、使える予算には限りがあります。

すべてを最高グレードにはできません。

料理が大好きで、毎日長い時間キッチンに立つ方なら、キッチンにしっかり予算をかける価値があります。

一方で、

「料理は最低限しかしない」

「キッチンは普通に使えれば十分」

「見た目より実用性を優先したい」

「その分、ほかのところにお金を使いたい」

という方もいます。

札幌の住宅なら、窓や断熱、暖房、給湯、外壁、屋根などにもお金がかかります。

キッチンのグレードを上げるよりも、寒さを何とかしたい。

お風呂を使いやすくしたい。

古くなった外壁や屋根を直しておきたい。

そんな家庭があって当然です。

それなら、キッチンは必要十分なものにする。

これも立派な予算の使い方です。

「安いから」ではなく、あえてセクショナルキッチンを選ぶ

ここからが、今回一番考えてみたかったところです。

セクショナルキッチンというと、

「予算を抑えるためのキッチン」

「賃貸住宅に付いているキッチン」

という印象が強いかもしれません。

でも、少し発想を変えてみたらどうでしょう。

あえてシンプルなセクショナルキッチンを選んで、自分好みのキッチン空間をつくる。

そんな使い方があっても面白いと思います。

たとえばシンプルな白や木目の流し台に、

白いタイル調の壁。

木製のオープン棚。

お気に入りの照明。

ステンレスや木の調理道具。

壁には必要なものだけを掛ける。

吊戸棚をたくさん付けず、見せる収納と組み合わせてもいいでしょう。

キッチン本体そのものは非常にシンプル。

だからこそ、壁や棚、照明、小物によって雰囲気を変えられます。

システムキッチンは「完成品」、セクショナルキッチンには「余白」がある

少し乱暴な言い方かもしれませんが、システムキッチンはメーカーが完成度の高いところまでデザインしてくれています。

扉も、取手も、収納も、ワークトップも統一されています。

これは大きな長所です。

一方、セクショナルキッチンはそこまで完成されていません。

でも、それを欠点ではなく、

「自分で完成させる余白が残っている」

と考えることもできます。

中古住宅を自分らしくリノベーションしたい方。

DIYやインテリアが好きな方。

新品なのに少し懐かしい雰囲気を楽しみたい方。

既製品で全部そろえるより、自分で家具や棚を組み合わせたい方。

そんな人なら、むしろセクショナルキッチンの方が面白く感じるかもしれません。

高価なキッチンを入れなければ、おしゃれなキッチンにならないわけではありません。

キッチン本体の価格と、空間のおしゃれさは必ずしも比例しない。

これは意外と大切なことだと思います。

もちろん、セクショナルキッチンにも弱点はあります

ここまで読むと、良いことばかりのように聞こえるかもしれません。

もちろん、そうではありません。

流し台とコンロ台の間には継ぎ目ができます。

収納力や引き出しの使いやすさでは、現在のシステムキッチンの方が優れていることも多いでしょう。

セクショナルキッチンは奥行きが浅めの商品が多く、ビルトイン食洗機の取り付けは難しい場合があります。食洗機を組み込みたい方には、システムキッチンの方が向いています。

また、商品によって選べる高さやサイズにも違いがあります。

「部分的に交換しやすい」といっても、何年も後になると同じ色柄やサイズが手に入らないこともあります。

「シンプルだから自分で何でもできる」と考えてしまうのも危険です。

コンロまわりの防火、レンジフードや換気、給排水、電気、ガスなど、安全や法令に関わる部分は適切な施工が必要です。

そして、棚や壁材などにこだわり過ぎれば、最終的にはシステムキッチンより高くなる可能性もあります。

ですから、「セクショナルキッチンなら必ず安い」と単純に考えるのも違います。

システムキッチンとセクショナルキッチンの間にも選択肢があります

さらに面白いのが「取り替えキッチン」です。

LIXILには「パッとりくん」という商品があります。

これは、今使っているセクショナルキッチンをシステムキッチンへ取り替えるためのリフォーム用キッチンです。

メーカーは、1日で取り替えられることを特長に挙げています。

つまり、選択肢は「全部壊して本格的なシステムキッチンに入れ替える」だけではありません。

大きく分けると、次の3つの選び方があります。

  1. 一般的なシステムキッチンへ交換する: 収納や設備も含めて、キッチン全体を使いやすくしたい場合。
  2. 取り替えキッチンを使う: 大がかりな工事を避けながら、一体型のキッチンにしたい場合。
  3. セクショナルキッチンを使う: シンプルな設備で十分な場合や、必要な部分を交換しながら使いたい場合。

どれが上で、どれが下という話ではありません。

何を求めるかが違うだけです。

価格の目安も見ておきましょう

メーカーが公表している価格帯を見ると、LIXILのセクショナルキッチン(GS・GKシリーズ)は23〜32万円です。

取り替えキッチンの「パッとりくん」は22〜32万円です。

クリナップのセクショナルキッチンは、間口180cmのI型で21万円台から34万円台(税別)です。

いずれも2026年10月時点のメーカー参考価格で、工事費は含みません。

意外なことに、セクショナルキッチンと取り替えキッチンの本体価格には、それほど大きな差がありません。

だからこそ、価格だけでなく「どう使いたいか」で選ぶ意味があります。

新築でセクショナルキッチンを選ぶのは「変」なのか

一般的な新築住宅なら、最初からシステムキッチンを選ぶ方が圧倒的に多いでしょう。

それでも、

「料理にはそれほどこだわらない」

「できるだけ建築費を抑えたい」

「設備より家具やインテリアを楽しみたい」

「将来、自分で少しずつ手を加えていきたい」

という人が、最初からセクショナルキッチンを選んでもおかしくありません。

少数派ではあるでしょう。

でも、少数派だから間違った選択、ということにはなりません。

住宅設備は、多数決で決めるものではないからです。

大切なのは「何が普通か」ではありません

住宅設備を選んでいると、

「今はこれが普通ですよ」

という言葉を聞くことがあります。

確かに、標準的なものを選ぶ安心感はあります。

でも、料理をする回数も、収納する物の量も、家にかけられる予算も、家族によって違います。

システムキッチンが欲しいなら選ぶ。

必要な機能がたくさんあるなら、それにお金をかける。

反対に「わが家はここまでいらない」と思えば、もっとシンプルなものを選ぶ。

それでいいのではないでしょうか。

今回、セクショナルキッチンを改めて見てみると、昔のキッチンというだけではないことが分かります。

傷んだ部分から交換していける。

構造がシンプル。

本体価格は抑えやすい。

そして、考え方次第では自分好みの空間をつくる余白もあります。

もちろん、収納力や清掃性、設備の充実を求めるならシステムキッチンの方が向いています。

自分たちがキッチンに何を求めているのか。

そこに、どのくらいのお金を使いたいのか。

家全体の中で、何を優先したいのか。

そこから決めることが大切だと思います。

「システムキッチンが普通だから」ではなく、

「わが家には、このキッチンがちょうどいい」

そう思って選べることが、一番大切なのではないでしょうか。

札幌でキッチンリフォームをお考えの方へ

北嶺建設では、キッチンが古くなったからといって、最初から全面交換だけを前提に考える必要はないと思っています。

今ある流し台や吊戸棚は使えるのか。

一部分だけ交換できないか。

今の給排水や換気設備を生かせないか。

システムキッチンにした方が使いやすくなるのか。

それとも、シンプルなキッチンで十分なのか。

現在の状態と、これからの暮らし方、ご予算を見ながら考えていくことが大切です。

札幌市内・近郊でキッチンの交換やリフォームをご検討の方は、北嶺建設までお気軽にご相談ください。

「全部取り替えるほどではないんだけど……」

というご相談でも大丈夫です。

その家にとって無理のない方法を一緒に考えていきます。



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この記事を書いた人

スタッフA|北嶺建設 広報担当

北嶺建設でホームページやSNSなどの情報発信を担当しています。
日々の仕事やお客様からのご相談、SNSで見つけた住まいの疑問をもとに、リフォームや暮らしに役立つ情報をスタッフ目線でお届けします。