工事部長の村松です。
久しぶりに実家へ帰ったとき、親が階段をゆっくり上り下りしている姿を見て、不安を感じたことはないでしょうか。
以前は何もつかまらずに歩いていた親が、
- 階段の壁に手をついている
- 一段ずつ慎重に下りている
- 階段の途中で立ち止まる
- 荷物を持って階段を移動できなくなった
- 夜間にトイレへ行く際の足元が心配
- 膝や腰の痛みを訴えるようになった
という状態になっていたら、住まいの安全対策を考える時期かもしれません。
今回は、高齢のご夫婦が暮らす戸建て住宅で行った、階段手すりの取付け工事をご紹介します。
北嶺建設では、札幌市内を中心に、江別市・北広島市・恵庭市の住宅についてもご相談を承っています。
実家の階段は高齢になるほど負担が大きくなります
階段の上り下りには、脚の筋力だけでなく、膝や腰の動き、バランス感覚、視力なども関係しています。
年齢を重ねると、本人が意識していなくても、少しずつ体の状態が変化します。
特に階段を下りる動作では、自分の体重を片脚で支えながら、次の段へ足を下ろさなければなりません。
階段に手すりがあれば、手で体を支えながら移動できるため、足元が不安定なときの補助になります。
「転んでから取り付ける」のではなく、親が壁や家具につかまり始めた段階で検討することが大切です。
今回の階段手すり取付け事例
今回ご相談いただいたのは、高齢のご夫婦が暮らす2階建ての戸建て住宅です。
もともと階段に手すりがなく、年齢を重ねるにつれて、上り下りに不安を感じるようになったことからご相談をいただきました。
現地で階段の形状や壁の状態を確認し、壁付けタイプの手すりを設置しました。完成した手すりは住宅の内装ともなじみ、お客様からも使いやすいとのお声をいただいています。
施工前
【ここに施工前写真】
施工前の階段には、つかまる場所がありませんでした。
足元がふらついたとき、とっさに壁へ手をついても、体を十分に支えることはできません。
階段の途中から手すりを設置するのではなく、上り始めと下り始めの動作も考えながら、取付け位置を決めます。
取付け位置と壁の下地を確認

手すりは、単に壁へ取り付ければよいものではありません。
実際に使用する方の身長や姿勢、階段を上るときと下りるときの動きを確認し、握りやすい高さを検討します。
また、手すりには人の体重がかかるため、壁の中にある柱や間柱など、固定できる下地を確認する必要があります。
適切な下地がない場合は、壁に補強板を取り付けてから手すりを固定することがあります。
手すりの取付け

位置を測定した後、手すりの受け金具を下地へしっかり固定します。
階段の途中で手を持ち替えなくてもよいように、できるだけ連続して握れる配置を検討します。
完成

住宅の内装に合わせた落ち着いた色の手すりを設置しました。
壁面との色合いも大きく変わらないため、後から取り付けた手すりでも室内の雰囲気になじんでいます。
設置後は、実際に階段を上り下りしていただき、握る位置や体の支えやすさを確認しました。
手すりは「付いていればよい」とは限りません
手すりは、取付け位置や高さが合っていないと、十分に使えないことがあります。
設置を検討する際は、次の点を確認します。
使用する方の身長と姿勢
一般的な高さだけで決めるのではなく、実際に階段を利用する方が自然に手を伸ばせる高さを確認します。
腰が曲がっている方や、左右どちらかの脚に痛みがある方は、使いやすい位置が異なる場合があります。
手すりを付ける側
階段の片側だけに設置する場合は、上るときと下りるときのどちらを優先するか、利き手や体の状態を確認します。
階段の幅や形状によっては、両側への設置を検討する場合もあります。
ただし、両側に取り付けると階段の有効幅が狭くなるため、現地での確認が必要です。
階段の始まりと終わり
転びやすいのは階段の途中だけではありません。
階段へ足をかけるときや、最後の一段を上がり切るときにも、体の向きや重心が変わります。
そのため、階段部分だけでなく、上り口と下り口まで手を添えられる配置を検討します。
壁の強度
石こうボードだけに手すりを取り付けると、使用中に金具が緩んだり、壁から外れたりする危険があります。
壁の中の下地を確認し、必要に応じて補強してから施工します。
階段以外にも確認したい実家の危険箇所
親の家を確認するときは、階段だけでなく、日常的に通る場所も見てください。
特に確認したいのは、次のような場所です。
- 玄関の上がり框
- 廊下から居室へ入る部分
- トイレの立ち座り
- 浴室の出入り口
- 浴槽をまたぐ場所
- 勝手口の段差
- 玄関から道路までの屋外階段
- 寝室からトイレまでの動線
一度に家全体を工事する必要はありません。
まずは、本人が毎日使う場所や、転倒した場合に大きなけがにつながりやすい場所から優先して検討します。
親が手すりの設置を嫌がる場合
子どもから手すりの設置を勧めても、親本人が「まだ必要ない」「年寄り扱いされたくない」と断ることがあります。
その場合は、年齢を理由に説得するのではなく、日常生活を楽にするための工事として説明する方法があります。
例えば、
「膝が痛い日に階段を上りやすくするため」
「荷物を持っているときに体を支えられるようにするため」
「自分たちが泊まりに来たときにも使えるようにするため」
など、本人が受け入れやすい理由で話すことが大切です。
現地確認の際には、ご本人にも実際の動きを見せていただきながら、必要な場所を一緒に考えます。
階段手すりの取付けに介護保険を利用できる場合があります
要支援または要介護認定を受け、自宅で生活している方の場合、固定式手すりの取付けが介護保険の住宅改修費支給対象になることがあります。
介護保険の住宅改修では、原則として生涯20万円を支給限度基準額とし、所得に応じて工事費の7割から9割が給付されます。手すりの取付けに伴う壁の下地補強も、付帯工事として対象になる場合があります。
ただし、介護保険を利用する場合は、原則として工事を始める前の申請が必要です。
先に工事を始めてしまうと、支給対象にならない可能性があります。江別市や北広島市でも、着工前の申請が必要であることが案内されています。
介護保険の利用を考えている場合は、次の順序で進めてください。
- 担当のケアマネジャーへ相談する
- 手すりが必要な場所を確認する
- 施工業者から見積書を取る
- 改修前の写真や理由書などをそろえる
- 市町村へ事前申請する
- 事前確認後に工事を始める
- 完成後の写真や領収書を提出する
必要書類や支払い方法は自治体によって異なるため、札幌市、北広島市、江別市、恵庭市の各担当窓口へ事前に確認してください。
まだ要支援・要介護認定を受けていない場合は、地域包括支援センターや自治体の介護保険担当窓口へ相談します。
階段手すりはDIYではなく下地を確認して設置しましょう
ホームセンターなどでも手すりは販売されていますが、階段への取付けは壁の下地確認が重要です。
階段では、バランスを崩した際に強い力で手すりをつかむことがあります。
見た目は固定されているように見えても、石こうボードだけにビスが入っている状態では、力がかかったときに外れる可能性があります。
また、階段の角度に合わせた金具の配置や、手すりを切り替える位置も考えなければなりません。
安全に関わる場所のため、壁の構造を確認できる施工業者へ依頼することをおすすめします。
階段手すり取付け工事の期間
一般的な戸建て住宅の階段1か所であれば、半日から1日程度で完了する場合があります。
ただし、次のような場合は工事期間が変わります。
- 壁の下地補強が必要
- 壁紙の補修を伴う
- 階段が途中で曲がっている
- 手すりを両側に設置する
- 階段以外にも複数か所設置する
- 特注の手すりや金具を使用する
現地調査後に、工事内容と所要時間をご説明します。
手すり取付け工事の費用
手すり取付け工事の費用は、長さだけでは決まりません。
主に次の条件によって変わります。
- 手すりの長さ
- 階段の形状
- 受け金具の数
- 壁の下地の状態
- 補強板の有無
- 手すりの材質や色
- 壁紙などの補修範囲
- 介護保険申請用書類への対応内容
現地を確認せずに正確な金額を出すことは難しいため、まずは取付けたい場所の写真をお送りください。
階段全体、壁面、階段の上り口と下り口が分かる写真があると、相談がスムーズです。
よくあるご質問
階段の片側だけに手すりを付けても大丈夫ですか?
階段の幅や利用する方の身体状況によって異なります。
片側だけで十分な場合もありますが、左右どちらの手で体を支えるか、上りと下りのどちらで不安を感じるかを確認する必要があります。
現地で実際の動作を確認して判断します。
壁に下地がなくても手すりを付けられますか?
下地がない場所でも、補強板を取り付けるなどの方法で施工できる場合があります。
ただし、壁の構造や仕上げ材によって方法が異なるため、現地確認が必要です。
手すりだけの小さな工事でも依頼できますか?
はい。階段手すりのほか、玄関、廊下、トイレ、浴室など、部分的な手すり取付けもご相談ください。
複数か所をまとめて確認することもできます。
介護認定を受けていなくても工事できますか?
介護保険を使わず、通常の住宅改修工事として取り付けることができます。
将来的に介護保険の利用を考えている場合は、工事前に地域包括支援センターや自治体へ相談してください。
親とは別の場所に住んでいますが、相談できますか?
はい。札幌市内や近郊に住む親御様の住宅について、離れて暮らすご家族からご相談いただくことも可能です。
現地調査の日程については、ご本人、ご家族、北嶺建設で調整します。
札幌・北広島・江別・恵庭で親の家の手すりをご検討中の方へ
高齢の親は、多少不便を感じていても、家族に心配をかけたくないという理由で何も言わないことがあります。
実家へ帰った際に、
- 壁や家具につかまって歩いている
- 階段の上り下りが以前より遅くなった
- 膝や腰の痛みを訴えている
- 夜間の移動を不安がっている
- 過去に家の中で転んだことがある
という様子が見られたら、一度住まいの動線を確認してください。
北嶺建設では、階段だけでなく、玄関、廊下、トイレ、浴室なども含めて、生活状況に合った手すりの位置を検討します。
すぐに工事を決める必要はありません。
「この壁に取り付けられるか」
「片側だけでよいか」
「介護保険を使える可能性があるか」
といった段階からご相談ください。
札幌市内を中心に、北広島市・江別市・恵庭市の住宅についても対応しています。
電話・LINE・お問い合わせフォームから、取付けを検討している場所の写真をお送りいただけます。
親御様が住み慣れた家で安全に生活を続けられるよう、現在の身体状況と住まいの構造を確認したうえで、必要な工事をご提案します。
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村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。
保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。

