マイホームの間取りを見ると、1階と2階にトイレが1か所ずつある住宅をよく見かけます。
「2階建てならトイレも2つあった方が便利」
確かにその通りです。
ところが、長くリフォームに関わっていると、住宅設備は「新築したときの正解」がずっと続くとは限らないと感じます。
子どもが小さい頃は家族4人、5人で暮らしていた家も、20年、30年後には夫婦2人になるかもしれません。
反対に、新築時には「トイレは1階だけで十分」と考えていたものの、暮らしてみると2階にも欲しくなることがあります。
つまりトイレは、
「1階と2階に付けるべきか」だけではなく、家族の変化に合わせて後から増やしたり、反対に使わなくなったトイレをなくしたりすることも考えられる設備です。
今回は新築時の間取りだけではなく、リフォームする側から「戸建てのトイレはいくつ必要なのか」を考えてみます。
2階にもトイレがあると便利なのは間違いありません
まず、2階トイレのメリットから考えてみます。
朝のトイレが重ならない
家族が多ければ、朝の出勤や登校時間も重なります。
一人がトイレを使っている間、次の人が待たなくてはいけない。
毎日のことですから、トイレが2か所あるだけでも朝の負担は変わります。
夜中に1階まで降りなくていい
寝室が2階に集中している住宅なら、これは大きなメリットです。
1階にしかトイレがなければ、
寝室 → 廊下 → 階段 → 1階トイレ
という移動になります。
若いうちは何でもない階段でも、年齢を重ねると負担になることがあります。
小さなお子さんが夜中に階段を使うことが心配な家庭もあるでしょう。
家族が体調を崩したときにも使いやすい
普段は1か所で足りていても、家族がお腹を壊したときなどは事情が変わります。
来客時に家族用と分けられるのも、2か所あるメリットです。
だからといって「2階建てならトイレ2つ」が正解ではありません
便利なら付けておけばいい、とも言い切れません。
トイレを1か所つくれば、そのための床面積が必要です。
便器だけではありません。
壁、ドア、給排水、換気、照明、コンセントなども必要になります。
そのスペースを収納にすれば、かなり使い勝手が変わる住宅もあります。
当然、トイレを2つ設置すれば設備費や工事費も増えますし、住み始めれば掃除する場所も2か所になります。
夫婦2人で生活時間もそれほど重ならず、1階トイレへ行くのにも不自由がない。
そうした家庭なら、トイレを1か所にすることにも合理性があります。
新築時には必要なかったのに、後から2階トイレが欲しくなることもあります
ここからがリフォームの話です。
家は建てたときの家族構成のまま使い続けるわけではありません。
例えば、
- 子どもが成長して家族それぞれの生活時間が変わった
- 2階を子世帯の生活スペースとして使うようになった
- 中古住宅を購入したらトイレが1階にしかなかった
- 年齢を重ねて夜中に階段を降りるのが大変になった
こうした理由から、
「今の家の2階にもトイレを付けられないだろうか」
と考えることがあります。
既存住宅でも、建物の条件によっては2階にトイレを増設できます。
ただし、空いている場所に便器を置けば完成、という工事ではありません。
2階トイレ増設で重要なのは、便器よりも配管です
トイレには給水管と排水管が必要です。
特に重要なのが排水です。
2階に新しくトイレをつくれば、そこから汚水を既存の排水設備まで流さなければなりません。
そのため、
「どこにトイレをつくりたいか」
によって工事内容が大きく変わります。
例えば、1階のトイレや洗面所など水まわりに近い位置で配管経路を確保しやすい場合と、既存の水まわりから離れた2階の部屋に新設する場合では、同じ「2階トイレ増設」でも工事内容は同じではありません。
場合によっては床、壁、天井などを一部解体して配管することもあります。
そのため、
「便器が○万円だから、トイレ増設も○万円くらいだろう」
とは計算できません。
既存住宅では、まず建物と配管の状況を確認する必要があります。
収納やクローゼットをトイレにできる?
「2階に余っている収納があるので、そこをトイレにできないか」
という考え方もあります。
広さだけを見れば、入りそうに見えることがあります。
しかし、
便器が置ける=トイレにできる
ではありません。
給水はどこから持ってくるのか。
排水はどこへ流すのか。
換気はどうするのか。
電源は確保できるのか。
ドアの位置は問題ないか。
構造材と配管が干渉しないか。
こうしたことを一つずつ確認します。
逆に条件が整えば、既存の収納スペースなどを利用してトイレをつくれる可能性もあります。
札幌では冬の配管も考えておきたい
札幌の住宅では、もう一つ忘れてはいけないのが冬です。
給水管を通す場所によっては、凍結への配慮が必要になります。
特に外壁に近い場所や冷えやすい場所を利用して配管する場合は、単純に「ここを通せば一番短い」という理由だけで決めるのではなく、冬季の使用も含めて配管方法を検討する必要があります。
これは北海道で水まわりのリフォームを考えるうえで大切な部分です。
排水音や階下への影響も考える
2階トイレでは、配管をどこへ通すかによって排水音の感じ方も変わります。
例えば、2階トイレからの排水管が1階寝室の近くを通っていたらどうでしょう。
夜中に2階でトイレを流したとき、排水音が気になる可能性があります。
また、水を使用する設備ですから、万一漏水した場合には階下へ影響する可能性もあります。
だから2階トイレはつくらない方がいい、という意味ではありません。
トイレの位置だけではなく、その下に何があるのか、配管をどこへ通すのかまで考える。
これが重要です。
反対に「2階のトイレをなくしたい」というリフォームもあります
ここまで「トイレを増やす話」をしてきましたが、反対の場合もあります。
新築当時は家族が多かったので1階と2階にトイレを設置した。
ところが子どもたちが独立し、現在は夫婦2人。
2階のトイレはほとんど使っていない。
それなら、
「このトイレをなくして収納にできないだろうか」
という考え方もあります。
実際に、使わなくなった2階トイレを撤去し、物置や収納スペースとして利用するリフォームは行われています。
トイレは便器を外しただけでは「収納」にはなりません
ここにもリフォームならではの注意点があります。
便器を撤去すれば空間は空きます。
しかし、それだけで工事完了とはいきません。
トイレには給水管と排水管があります。
使用しなくなるのであれば、それらを適切に処理する必要があります。
さらに便器を外した床には跡が残りますし、壁もトイレとして仕上げられています。
収納として使うのであれば、
便器撤去 → 給排水処理 → 床・壁補修 → 必要に応じて棚などを設置
といった工事を検討します。
将来もう一度トイレとして使う可能性があるのか、それとも完全に収納へ変更するのかによっても、配管の処理方法を考える必要があります。
本当に撤去した方がいいかは、一度考えてから
ほとんど使っていないからといって、必ず撤去した方がよいとは限りません。
今は元気なので1階だけで困らなくても、10年後には2階にトイレがあることが便利になるかもしれません。
また、将来住宅を売却する可能性があるなら、2階トイレを残しておくという判断もあります。
収納が欲しいだけなら、トイレを撤去する以外の方法で収納を増やせないか検討する余地もあります。
リフォームでは、
「できるかどうか」と「やった方がいいか」は別の問題です。
工事が可能だからといって、それがその家にとって最善とは限りません。
トイレの数は、家族と一緒に変わってもいい
新築の間取りを考えていると、
「2階建てならトイレは2つ」
「夫婦2人なら1つで十分」
と答えを決めたくなります。
しかし、住宅は何十年も使います。
4人家族が2人になることもあれば、親との同居が始まることもあります。
子ども世帯が一緒に暮らすこともあります。
生活の中心を2階から1階へ移すこともあるでしょう。
そう考えると、
トイレの数を一生変えないことを前提に考える必要はありません。
必要になれば増設を検討する。
使わなくなれば撤去や用途変更を検討する。
それもリフォームの役割です。
「20年後の夜中」を一度想像してみてください
新築で2階トイレを付けるか迷っている方なら、20年後を想像してみてください。
夜中、2階の寝室で目を覚ましてトイレへ行きたくなったとき、階段を降りて1階まで行く生活で問題なさそうでしょうか。
一方で、20年後には子どもが独立し、2階そのものをほとんど使っていないかもしれません。
どちらもあり得ます。
だから「2階トイレは絶対必要」「2つもいらない」と簡単には決められません。
今の家族だけではなく、これから家族と住宅がどう変わっていくのか。
そこまで考えてトイレの数を決めることが、暮らしてからの後悔を減らす一つの方法だと思います。
札幌・近郊でトイレの増設・撤去を考えている方へ
北嶺建設では、便器交換だけでなく、既存住宅の水まわりリフォームについてもご相談を承っています。
例えば、
「2階にトイレを増やせるか見てほしい」
「中古住宅を購入したが、2階にもトイレが欲しい」
「収納をトイレに変更できないか」
「使っていない2階トイレを撤去して収納にしたい」
といったご相談です。
既存住宅の場合、図面だけでは判断できないことがあります。
特にトイレ増設では、設置したい場所だけでなく、既存の給排水管、床や壁の内部、建物の構造などを確認して工事方法を検討します。
撤去の場合も、単に便器を取り外すだけではなく、給排水をどのように処理するのか、その後その空間をどう使うのかまで考える必要があります。
「できるかどうか、まだ分からない」
という段階でも構いません。
まず建物を確認して、どのような方法が考えられるのかをご説明します。
よくあるご質問
Q1. 既存住宅の2階にトイレを増設できますか?
建物の構造や給排水管の位置などによっては可能です。希望する場所に必ず設置できるわけではないため、現地で排水経路などを確認して判断します。
Q2. 収納やクローゼットをトイレにできますか?
可能な場合があります。ただし広さだけでは判断できません。給水、排水、換気、電気、建物の構造などを確認する必要があります。
Q3. 使っていない2階トイレを撤去できますか?
可能です。便器を撤去した後、給水・排水管の処理や床・壁の補修などを行います。その後の空間を収納などとして利用することも検討できます。
Q4. トイレを撤去した後、将来またトイレに戻せますか?
配管の処理方法やその後のリフォーム内容によって変わります。将来再びトイレとして使用する可能性がある場合は、撤去工事をする前に施工会社へ伝えておくことが重要です。
Q5. 2階トイレの増設費用はいくらくらいですか?
便器の価格だけでは決まりません。給排水管をどこから接続し、どこを通すのか、床・壁などの解体や復旧がどの程度必要なのかによって工事内容が変わります。既存住宅の場合は現地確認後の見積もりが基本となります。
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