工事部長の村松です。今回は、外壁まわりの犬走り 防草シート整備の施工事例をお届けします。札幌市豊平区の戸建て住宅で、建物の3方位にわたる犬走り部分の雑草対策と砕石敷きを行いました。放置すると雑草が根を張り、建物の基礎や外壁へ影響が出ることもあります。今回の記録が、同じ悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
この記事でわかること
- 建物まわりの犬走りで雑草が繁茂する原因と放置リスク
- 防草シートと砕石を組み合わせた施工の手順とポイント
- 外構プラン図面を作成した上で施工した経緯と判断の軸


ご依頼の背景と現場の状況
お客様は「砂利を敷いてきれいにしたい」という希望をお持ちで、もともと外壁の張替えや内装の床張替えなど、複数回にわたってお仕事をいただいているお馴染みの方です。
現地を確認すると、建物の南面・東面・北面の3方位にわたる犬走り部分に、雑草が相当茂っている状態でした。既存のコンクリート平板は数十年が経過しており、目地部分にも草が入り込み、基礎まわりのコンクリートには大きなひび割れも見受けられました。




建物正面はシャッターが出入口となっているため、今回の施工対象から除外。3方位のうち、庭と接している側は花壇として植栽が残っており、お客様が大切にされている宿根草を傷めないよう作業ラインを事前に打ち合わせしました。
また、建物外壁ぎわの地面には排水マスがあり、工事後もメンテナンスできる状態に保つ必要があります。排水マスは施工後も蓋の開閉ができる計画としています。
犬走り 防草シートが必要な理由——雑草放置のリスク
犬走りとは、建物の外周に沿って設けられた細い通路状の空間のことで、外壁の保護・排水・点検通路の役割を担っています。
札幌の場合、冬季の積雪荷重と融雪期の水分が繰り返し地面に影響を与えます。雑草の根がコンクリートブロックの目地や基礎まわりに侵入すると、毛細管状の亀裂が広がり、凍結膨張のサイクルで亀裂が拡大していきます。写真で確認されたひび割れも、こうした経年劣化の積み重ねによるものです。
防草シートは、光を遮断して雑草の発芽を抑制する資材です。ただし、シートを敷くだけでは端部や継ぎ目から草が上がってくることがあるため、上に砕石を載せて重しにし、端部をエッジ材(境界ブロック)で押さえる施工が現場では定番です。シートの目付量(厚み・密度)が低いものは数年で劣化して草が貫通するケースもあるため、使用する資材の選定も重要な判断になります。
外構プランの図面作成——施工前に3方位をまとめて計画した理由
今回は、施工前に外構プランの図面を作成してお客様に確認いただいてから着工しました。複数の箇所を一度にまとめて施工するため、どこに境界ブロックを入れるか、排水マスの位置はどう扱うか、既存ブロック塀をどの範囲で解体するか——これらを口頭だけで進めると、後から「思っていたのと違う」が起きやすい。

段取り八分という言葉がありますが、外構工事は特に掘削・解体・新設の順番が後戻りしにくいため、事前の計画整理がそのまま仕上がりの品質に直結します。図面に起こすことで、お客様も全体像を把握しやすくなり、「ここの花は残したい」「このマスは使うから蓋を出しておいてほしい」といった要望も明確に引き出せました。
施工の流れ
建物3方位の犬走り整備を、解体・掘削・シート敷き・砕石仕上げの順で進めました。各工程のポイントを以下にまとめます。
化粧ブロック塀・コンクリート階段・既存舗装材を順次解体しました。取り外した平板材を一時仮置きし、再利用できるものは選別。ブロック塀の底部まで丁寧に掘り出し、根入れ深さの状態を確認しながら進めました。排水マスの蓋は傷めないよう手掘りで周囲の土を除いてから取り出しています。
雑草の根ごと掘り起こし、残土と一緒に処分しました。作業員が外壁ぎわを丁寧に手掘りしている様子です。建物基礎への影響を避けるため、重機は敷地外の搬出入のみとし、外壁際は人力で進めました。掘削後は転圧をかけて地盤を安定させます。
排水マスと控えブロックを据え付けた状態です。犬走りの区画をガーデンブロック材で整然と仕切ることで、防草シートの端部がめくれにくくなります。新設ブロックは高さを揃えながら水準器で確認しながら施工しました。
地面が整地された後、犬走り全面に防草シートを敷設しました。シートを敷いた後の状態で、建物外壁ぎわまで隙間なく覆っています。継ぎ目は重ねしろを十分に取り、専用ピンで地面に固定。排水マスの箇所はシートをカットして蓋が開閉できる状態を維持しています。
防草シートの上に砕石を均一に敷き詰めて仕上げました。砕石の厚さはシートが隠れる程度を確保し、歩いても沈まない安定した足元になるよう転圧をかけています。新設した階段ブロックとの段差も確認し、安全に行き来できる仕上がりを確認して完成です。






施工のポイントと判断の軸
今回の工事で特に判断が必要だったのは、既存の化粧ブロック塀をどこまで解体するかという点です。部分的に補修して残す選択肢もありましたが、底部の浮き上がりと目地の草侵食が広範囲に及んでいたため、全体解体の上で新設する方針としました。
下の比較表で、「部分補修で残す」と「解体・新設」の違いを整理します。
| 比較項目 | 部分補修で残す | 解体・新設 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低め | 高め |
| 耐久性 | 劣化部が残るため不安定 | 新規設置で安定 |
| 凍上リスク | 既存の不陸が残る | 根入れを確認して設置可能 |
| 外観の統一感 | 新旧で色味が異なる | 全体で揃う |
| 長期維持コスト | 再補修が早期に必要になる可能性 | 当面の手間が少ない |
今回のお客様のように、長くお付き合いのある方だからこそ、目先の費用より10年後の状態を見て提案するようにしています。同様の外壁まわりの工事については外壁凍害・サイディング部分張替の施工事例もあわせてご参照ください。
また、お客様が大切にされている花壇植栽の保護については、施工エリアの境界をガーデンブロック材でしっかり区切り、掘削時に根を傷めないよう作業ラインを事前合意してから進めました。大切なものを残しながら整備する、という判断は図面があったからこそ共有できた部分です。

なお、防草シート+砕石の施工は雑草対策として有効ですが、完全にゼロにはならない点は正直にお伝えしています。特に砕石の隙間に風で運ばれた土が溜まると、数年後に発芽するケースがあります。その場合は砕石を一部かき分けて処理するか、定期的に状態を確認していただく方が現実的です。
工事完了と今後のメンテナンスについて




建物3方位の犬走り整備が完成し、砂利でスッキリと整った外構に仕上がりました。
お客様から「砂利を敷いてきれいにしたかった」とおっしゃっていただいた通り、雑草が茂っていた状態から見違えるほど整理されています。排水マスも地表から蓋が確認できる状態で残しているため、今後のメンテナンスもしやすい仕上がりです。
札幌では冬季の凍上で砕石の表面が多少動くことがありますが、防草シートそのものへの影響は少ない印象です。春先に砕石を均し直す程度で、数年は手間なく維持できると思います。外構まわりの雑草対策や犬走り整備について、現地を見た上でご提案できますので、まずはお気軽にご相談ください。現地確認後にお見積りをご提示します(税別)。
よくある質問
防草シートはどれくらい効果が続きますか?
目付量(密度・厚み)によって異なりますが、適切な品質のシートと砕石を組み合わせると5〜10年程度は雑草抑制効果が維持できる場合が多いです。ただし砕石の隙間に土が溜まると発芽するケースがあるため、年1回程度の状態確認をお勧めしています。
既存のブロック塀は全部解体しないといけませんか?
ブロックの状態によります。目地の破損や底部の浮き上がりが部分的であれば補修で対応できる場合もあります。ただし北海道では凍上の影響で劣化が広範囲に及んでいることが多く、現地確認の上で解体・新設の判断をすることをお勧めします。
外構の工事範囲が広い場合、費用はどのくらいかかりますか?
建物の規模・既存構造物の撤去範囲・使用する資材によって大きく異なります。今回のような建物3方位の犬走り整備(解体・防草シート・砕石・エッジ材含む)は現地確認後にお見積りをご提示しています。まずは無料でご相談ください(税別)。
花壇や植栽を残しながら犬走りだけ整備できますか?
可能です。ただし施工エリアと花壇の境界を事前にエッジ材で区切り、掘削時に根を傷めない範囲を確認してから進める必要があります。植栽の種類や根の張り具合によっては一部移植が必要なケースもあるため、現地打ち合わせで確認させていただいています。
犬走りに排水マスがある場合、施工後も開閉できますか?
はい、対応可能です。事前に排水マスの位置を図面に落とし込み、防草シートをカットして蓋の開閉ができる状態を維持した上で砕石を敷くのが基本です。将来のメンテナンスに備えてマスの位置を目印として残すことも可能です。
村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。
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