排水管調査の対応力を強化|小口径カメラ「バリュースコープPro VSP1430」を新導入

新導入したカンツール社製バリュースコープPro VSP1430(右)と、既存機バリュースコープⅣ HD(左)のカメラヘッド比較



この記事でわかること

  • 新導入した管内カメラ「バリュースコープPro VSP1430」の主要スペックと特長
  • 既存機「バリュースコープⅣ HD」との使い分けと補完関係
  • 新たに対応可能になった調査範囲(細管・住宅内配管など)
  • 状況に応じたカメラ調査の組み込み方(一律「カメラ先行」ではない理由)
  • 調査結果の記録・見える化とその活用方法

工事部長の村松です。

このたび、当社では新たに小口径対応の管内カメラ「バリュースコープPro VSP1430」(カンツール社製)を導入しました。ヘッド径φ14mmで一般住宅の細い排水管にも対応できます。

「バリュースコープPro VSP1430」の特長と主要スペック

どんな機材なのか、まずスペックから確認しておきましょう。

項目 仕様
カメラヘッド径 φ14mm(スプリング含む全長125mm)
適用管径 φ20〜65mm
ケーブル長 30m
モニタ 7インチ液晶
照明 白色LED 4灯
記録媒体 SDカード(最大32GB)/動画MPEG-4・静止画JPG
電源 バッテリー/AC100V(充電約8時間・連続使用約6時間)
質量 約9.7kg
付属機能 距離表示機能、センタリングスキッド付属
自動水平機能 なし


注目してほしいのはやはりヘッド径φ14mmという数字です。一般的な管内カメラはφ20mm台〜φ30mm台のものが多い中、このサイズは業界的にもかなり細い部類に入ります。キッチンや洗面台の排水管は内径がφ30〜50mm程度のものも多く、これまでは「管径が細すぎてカメラが入らない」という状況が実際にありました。

距離表示機能が付いているのも実用的な点で、「管の何m先で何が起きているか」をモニタ上で確認しながら調査できます。記録はSDカードに映像・静止画として保存されるため、調査後にお客様と一緒に確認することも、後日の資料として活用することも可能です。

センタリングスキッドとは

スペック表の「センタリングスキッド」という言葉、聞き慣れない方も多いと思います。これはカメラヘッドが管の中心を保つよう補助するパーツで、管壁に傷をつけずにスムーズに前進させるためのものです。細い管の中でヘッドが壁面に押し付けられると映像がブレたり、ケーブルが詰まったりする原因になります。小口径の配管調査では特に重要な補助機構です。

既存機「バリュースコープⅣ HD」との使い分け

うちではもともと、同じカンツール社の「バリュースコープⅣ HD」を使っていました。こちらは屋外の排水マスや本管など、比較的口径の大きい配管向けの機材です。2台の特性を比較するとこうなります。

比較項目 バリュースコープⅣ HD(既存機) VSP1430(新機)
適用管径 φ50〜150mm φ20〜65mm
ヘッド径 φ23mm φ14mm
モニタ 10.1インチ HD液晶 7インチ液晶
カメラ解像度 約100万画素
自動水平機能 あり なし
主な用途 屋外マス・本管・建物外周排水 キッチン・洗面・浴室・洗濯排水などの細管

既存のⅣ HDは自動水平機能付きで画質も高く、屋外の広い管内では非常に見やすい映像が得られます。一方でヘッド径がφ23mmあるため、住宅内の細い配管には物理的に入れられない場面がありました。

今回のVSP1430はその「入れられなかった領域」をカバーするための機材です。2台が重なる管径帯(φ50〜65mm付近)については状況に応じて使い分けますが、基本的には細管はVSP1430、中〜大径管はⅣ HDという役割分担になります。

「二刀流」でどう変わるか

たとえば一般住宅で排水トラブルが起きた場合、キッチン・洗面・浴室側の細い配管はVSP1430で調査し、屋外の排水マスや本管接続部はⅣ HDで確認するという一連の調査が一度の訪問でできるようになります。これまでは「細管の調査はできません」と言わざるを得ない場面があったのが、正直なところです。その部分が埋まった、という意味が大きいです。
状況に応じた「カメラ調査の組み込み方」

ひとつ、よくある誤解に触れておきたいと思います。カメラ調査が使えるようになったからといって「まずカメラを入れる」が正解とは限りません。現場では汚れや濁りで視界が確保できないケースがあり、そのまま調査しても映像がほぼ真っ黒、という状況は普通に起きます。

私たちが考えているのは、状況に応じた「組み合わせ判断」です。

  • 軽度〜中度の詰まり・流れの悪さ:先にカメラで内部を確認し、詰まりの位置・原因・状態を把握してから対処法を選択する
  • 汚れが多く視界不良が見込まれる場合:簡易的な予備洗浄で視界を確保してからカメラ調査を行い、その後に本格対処
  • 完全閉塞で水が流れない状態:機械的な通管作業でまず開通させ、流路が確保できた段階でカメラ調査を実施

重要なのは「とりあえず薬剤」「とりあえず高圧洗浄」だけで終わらせないことです。それが効果を発揮しているかどうか、別の原因が隠れていないかどうかを確認するために、適切なタイミングで内部の目視確認を組み込む。それがカメラ機材を持つ意味だと思っています。

新たに対応可能になった調査範囲

VSP1430の導入で、具体的に以下のような場面への対応力が上がりました。

  • キッチン排水管の油脂詰まり・スラッジ堆積の確認(φ30〜50mm台の配管)
  • 洗面台排水の毛髪・石鹸カス詰まり、トラップ奥の状態確認
  • 浴室排水の毛髪・皮脂汚れの堆積位置の特定
  • 洗濯排水管のリントフィルター通過後の堆積確認
  • 築年数の経った住宅の細管劣化・腐食・継手ズレの点検
  • リフォーム前の既存排水ルートの事前調査
  • 火災保険・住宅保険申請のための排水管状態の記録撮影

特にリフォーム前の事前調査は、これまで「開けてみないとわからない」で進めるしかなかった場面があります。内部の状態を事前に映像で確認できるのは、工事の段取りを組む上でも意味があります。段取りで仕上がりの8割が決まる、と私は思っているので。

調査結果の記録と「見える化」について


現場でよく聞かれるのが「どこが悪かったのか、見せてもらえますか」という言葉です。「詰まっていました、洗浄しました」だけでは、お客様からすると本当に改善されたのか確認する術がありません。

VSP1430はSDカードへの映像・静止画記録に対応しています。調査中の映像はMPEG-4形式の動画、必要箇所は静止画(JPG)として保存。調査後にモニタ画面でそのままお客様と一緒に確認することができますし、データとしてお渡しすることも可能です。

保険申請資料としての活用

火災保険や住宅保険の中には、排水管の損傷・劣化による水漏れ被害をカバーするものがあります。この場合、保険申請の際に「被害状況の証拠資料」が求められることがあり、管内カメラによる映像・画像記録はその資料として活用できるケースがあります。

ただし保険適用の可否は契約内容によって異なりますし、私たちが判断できる範囲ではありません。「こういった記録が残せます」という情報提供にとどめ、保険会社や担当代理店へのご確認をお願いしています。

導入を終えて感じること

VSP1430はまだ現場での実使用には至っていません。近日中に現場デビューを予定しており、使用後はあらためて使用感レポートとして記事にまとめる予定です。

実際に手に取って動かしてみた印象として、まずヘッドの細さと取り回しの軽さは想像以上でした。φ14mmというのは数字で見るとわかりにくいですが、実際に持つと「これなら住宅内の配管にスッと入るな」という感触があります。既存のⅣ HDと持ち比べると、用途が明確に違うことがよくわかります。

正直、小口径配管の調査ニーズはこれまでも潜在的にあったと感じています。キッチンや洗面台の「流れが悪い」「異臭がする」という相談は年間を通じて一定数あり、調査まで踏み込めずに洗浄だけで終わっていたケースもありました。今後はそこに「内部確認」を組み込めるようになります。

自動水平機能がない点はⅣ HDとの違いとして意識しておく必要があります。細い管内では管の向きや傾斜に応じて映像が傾くことがありますが、それがどの程度実用上の問題になるかは現場で確かめていくことになります。そのあたりも含めて、初現場後にしっかり報告します。

まとめ

今回の導入ポイント

  • ヘッド径φ14mm・適用管径φ20〜65mmの小口径対応カメラを新導入
  • 既存機「バリュースコープⅣ HD」との二刀流で、細管〜本管まで幅広く対応
  • キッチン・洗面・浴室・洗濯排水など住宅内の細い配管調査が可能に
  • 調査結果はSDカードに映像・静止画で記録し、お客様に見える形でご提供
  • 「とりあえず薬剤・洗浄」で終わらず、適切なタイミングで内部確認を組み込む
  • 近日中に現場デビュー予定。使用後はあらためて現場レポートを掲載します

現場目線で言うと、排水トラブルは「突然起きるもの」ではなく、油脂・毛髪・石鹸カスといった汚れが少しずつ積み重なって、ある日表に出てくるものです。気になる段階で一度内部を確認しておくと、大事になる前に手が打てることも多い。札幌の冬場は配管が凍結・収縮を繰り返す分、劣化や継手ズレも起きやすい環境です。特に築年数の経った住宅では、定期的な点検の意味は小さくないと感じています。

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