【札幌市】母娘で暮らすコンパクトな注文住宅の施工事例|解体から完成まで

この事例の概要

札幌市清田区の北嶺建設が手がけた、母娘ふたり暮らしのためのコンパクトな注文住宅の施工事例です。古い住宅の解体から始まり、基礎・在来工法の構造躯体・屋根板金・JIO検査・気密断熱工事を経て、ネイビー外観の機能的な住まいが完成するまでを、実際の現場写真とともに時系列でご紹介します。

「コンパクトでも快適に暮らせる家にしたい」「北海道の冬に強い高断熱の家を建てたい」とお考えの方の参考になれば幸いです。

項目内容
建築場所札幌市白石区
建物用途新築注文住宅(母娘2人暮らし)
構造・工法木造・在来工法(木造軸組み工法)
断熱性能国の省エネ基準(断熱等性能等級4相当)に適合
屋根無落雪屋根/長尺カラー鉄板(JFE鋼板 No.13 ゴールドNC)
外観ネイビーのサイディング+オフホワイトのアクセント
参考価格2,500万円~2,800万円(建築当時/資材高騰により現在は変動します)
工期約4か月
シンプルな外観

1. 企画・プランニング|母娘ふたりの暮らしに合わせたコンパクト設計

最初に取り組んだのは、母娘ふたりの生活リズムに合わせたプランニングです。広さよりも「使いやすさ」と「居心地」を優先し、無駄をできる限り省いたコンパクトで機能的な間取りをご提案しました。

ポイントにしたのは次の3つです。

  • リビングに自然光を多く取り込み、温かく心地よい空間にする
  • キッチンとユーティリティをコンパクトにまとめ、家事動線を短くする
  • 限られた延床面積でも収納と回遊性を確保する

母娘で暮らす住まいは、プライバシーを保ちながら共用スペースを効率よく配置できるかどうかが快適さを左右します。生活リズムの違いや、将来の暮らし方の変化まで見据えてプランを組むことで、住み始めてから後悔しにくい住まいになります。

プランニング図面 プランニング

2. 解体・基礎工事|既存住宅の解体から地盤・基礎まで

今回の工事は、敷地に建っていた古い住宅の解体から始まりました。解体が終わると、杭打ち・基礎工事へと進み、ここまで整ってからいよいよ大工さんが現場に入ります。

基礎は建物の品質を左右する重要な工程です。配筋(鉄筋の組み立て)の段階で寸法やピッチを確認しながら、後述するJIO検査の対象にもなる部分を丁寧に施工していきます。

既存住宅の解体 既存住宅の解体

杭打ち 杭打ち

基礎配筋 基礎配筋

解体から新築までを1社で一貫対応できるのが北嶺建設の強みです。解体・杭打ち・基礎・大工工事と工程が多いため、規模や地盤の状況によって工期は変わります。札幌では冬季の工程調整が必要になる場合もあるため、現地調査のうえで具体的なスケジュールをご案内しています。

3. 構造躯体|在来工法(木造軸組み工法)で組み上げる

北嶺建設の注文住宅は、日本で古くから使われてきた**在来工法(木造軸組み工法)**で建てます。柱と梁で建物を支えるこの工法は、間取りの自由度が高く、将来のリフォームや増改築にも対応しやすいのが特長です。

基礎が固まると、土台・大引きを据え、柱・梁を組み上げて一気に建物の骨格ができあがっていきます。

正面から見た構造躯体 正面から

柱梁接合部 柱梁接合部

1階土台と大引き 1階の土台と大引き

小屋裏 小屋裏

構造材に使う木材は、工場で精度よく加工されたプレカット材を使用しています。かつては大工さんが継手や仕口を手作業で刻んでいましたが、現在はプレカットが主流。加工誤差が減り、工期の短縮にもつながります。

屋根は、北海道で広く採用されている無落雪屋根を採用。隣地への落雪リスクを抑えられる形状で、若干の勾配を付けて排水ダクトを設けています。

屋根下地 屋根下地

骨組みが立ち上がると、家のかたちが一気に見えてきます。大工さんの手際の良さで、主要な構造材の組み立てはスムーズに進みました。

4. 屋根板金工事とJIO検査|第三者検査で品質を確認

構造躯体が組み上がると、屋根の板金工事に入ります。使用したのは長尺カラー鉄板(JFE鋼板 No.13 ゴールドNC)。名前は「ゴールド」ですが派手な輝きはなく、落ち着いた色合いで、笠木やサッシ枠と同系色にまとめることで外観に統一感を持たせています。

下屋(1階の屋根) 下屋(1階の屋根)

2階の屋根 2階の屋根

北海道の屋根材は、積雪荷重や凍害への耐久性が重視されます。雪が滑りやすい金属系の屋根材が採用されやすいのもそのためです。

JIO検査とは

屋根工事と並行して、この日はJIO(日本住宅保証検査機構)の検査を実施しました。JIO「わが家の保険」は、住宅瑕疵担保履行法にもとづき、新築住宅を購入する方を守るための保険です。この保険に加入するには、第三者機関による検査を受ける必要があり、一般的に基礎配筋時と躯体工事中の計2回実施されます。今回はその2回目の検査でした。

JIO検査員との打ち合わせ JIOの検査員と打ち合わせ

検査では、土台の基礎への緊結状況、柱脚・柱頭の金物、筋かい端部の金物、柱の小径・位置、筋かいの位置などを確認します。

土台の基礎への緊結状況 土台の基礎への緊結状況

柱脚金物 柱脚金物

筋かい端部金物 筋かい端部金物

すべての判定項目が「〇」で、総合判定は適合。第三者の目で構造の安全性を確認できたところで、サッシの取り付けと防湿シートの施工に進みました。

5. 断熱・気密工事|省エネ基準を見据えた“隙間ゼロ”施工

北海道の住まいで何より大切なのが、断熱と気密です。今回の住宅では、断熱材・開口部・設備機器を国の省エネ基準(断熱等性能等級4相当)に適合する仕様で計画して施工しました。

なお2025年4月からは、すべての新築住宅で省エネ基準(断熱等級4以上・一次エネルギー消費量等級4以上)への適合が義務化されています。北嶺建設の注文住宅は、この国が定める基準をきちんと満たす家づくりを基本としています。

断熱性能を発揮させるには、断熱材を入れるだけでなく「気密」をしっかり確保することが欠かせません。気密が高いと、

  • 外気の侵入を防いで室内の温度差を小さくできる
  • 壁の内部で結露(内部結露)が起きにくくなり、構造材の劣化を防げる

といったメリットがあります。

気密テープによる施工
気密処理の様子
貫通部の気密処理

写真は、断熱材の継ぎ目・サッシ周り・配管や配線の貫通部など、隙間が生じやすい箇所を気密テープで丁寧に処理している様子です。気密は貼り方や素材の選び方で性能が大きく変わるため、施工経験のある大工が一つひとつ手作業で仕上げています。気密の仕様に自信を持つ職人が担当し、北海道の冬でも十分に暖かい住まいを確保しました。

北嶺建設の家づくりの考え方|“必要十分”な性能と、予算のバランス

家の断熱性能は、断熱等級1〜7で表されます。等級5はZEH水準、等級6・7はいわゆる「高気密・高断熱」と呼ばれる上位グレードです。

北嶺建設は、あえて「高気密・高断熱」を前面にうたっていません。そのかわり、国が新築住宅に義務付けている省エネ基準(断熱等級4相当)を満たした標準仕様を基本にしています。

「最高等級の性能までは求めない。北海道の冬をふつうに暖かく暮らせる、必要十分な性能があれば十分」——そう考える方は少なくありません。北嶺建設の家づくりは、性能と予算のバランスを大切にしたい、そうした方に向いています。

  • 性能と予算のバランスを取りやすい。 断熱等級を上げるほど断熱材や高性能サッシの仕様も上がっていきます。必要以上のスペックを足さず「必要十分」に絞ることで、限られた予算を間取りや収納、設備など、暮らしの満足度に直結する部分へ配分できます。
  • “標準仕様”でも、北海道では十分な性能です。 省エネ基準は全国を気候で区分し、寒い地域ほど高い断熱性能を求めています。北海道(地域区分1・2)の等級4は、本州の温暖な地域の同じ等級よりも厳しい基準。標準仕様であっても、しっかり断熱された寒冷地仕様の家になります。
  • 将来の引き上げにも対応できます。 国は2030年ごろに等級5を最低基準へ引き上げる方針です。「もう少し性能を上げておきたい」というご希望があれば、断熱材や窓の仕様を相談しながらグレードアップすることも可能です。

もちろん、高気密・高断熱には光熱費の削減や室温差の小ささといったメリットがあり、それを重視する選択も正解です。一方で、「そこまでは求めない。省エネ基準を満たした標準仕様で、性能と予算のバランスを取りたい」という考え方も、同じように正解だと私たちは考えています。ご予算とご希望をお聞きしながら、ちょうどよい仕様を一緒に考えますので、現地調査・お見積りの際にお気軽にご相談ください。

6. 完成|ネイビー外観と機能的な室内

そして、新築の注文住宅が完成しました。外観はネイビーのサイディングに、入り口部分をオフホワイトでアクセント付け。落ち着きと親しみやすさを併せ持つ佇まいになりました。

玄関ドアを開けると、温かな光が差し込むリビングが広がります。木のぬくもりを感じるフローリングに、明るい色調の壁・建具を合わせ、コンパクトでも開放感のある空間に仕上げました。

広い玄関ホール 広い玄関ホール

日差しが差し込む居間 暖かい日差しが差し込む居間

キッチンはLIXIL製で、カラーはノールグリーン。グリーンのキャビネットとステンレスの調理台が、清潔感と現代的な雰囲気を演出します。コンパクトながら調理の効率を最大限に引き出せる設計です。

ノールグリーンのキッチン LIXILのキッチン(カラー:ノールグリーン)

ユーティリティルームは、洗濯や掃除などの家事を効率よく行えるよう配置を工夫。浴室は、機能性とくつろぎのバランスを意識した、一日の疲れを癒せる空間にしました。

ユーティリティ ユーティリティ

浴室 浴室

寝室は、温かな色調の壁紙でやさしい雰囲気に。シンプルながら機能的な収納を備え、窓から差し込む光が朝の時間を心地よく照らします。

寝室 寝室

カーテンの取り付けと家具の搬入が終われば、新しい住まいでの暮らしがいよいよ始まります。A様、このたびは工事へのご協力をいただき、誠にありがとうございました。心地よい住まいで、新しい毎日をお過ごしいただけますように。

よくあるご質問

母娘ふたりで暮らす注文住宅は、どんな間取りが向いていますか?

プライバシーを確保しながら、リビングなどの共用スペースを効率よく配置するプランが向いている場合が多いです。生活リズムの違いや将来の暮らし方の変化も見据えて計画すると、住み始めてから後悔しにくい住まいになります。

コンパクトな家でも収納や家事動線は確保できますか?

延床面積が限られていても、ユーティリティの配置やキッチン動線を工夫することで、家事効率の高い間取りは十分に実現できます。暮らし方に合わせてプランをご提案します。

在来工法(木造軸組み工法)と2×4工法は、どちらが北海道に向いていますか?

どちらにも一長一短があり、一概には言えません。在来工法は間取りの自由度が高く、リフォームや増改築がしやすい傾向があります。積雪荷重や断熱仕様への対応は、工法そのものより設計・施工の品質による部分が大きいとされています。

札幌で注文住宅を建てるとき、断熱性能はどの程度必要ですか?

2025年4月から、新築住宅は省エネ基準(断熱等級4相当)への適合が義務化されています。北海道では地域区分に応じてこの基準自体が本州より高く設定されているため、等級4でも寒冷地仕様のしっかりした断熱になります。さらに快適性や光熱費を重視するなら、上位の等級5以上を選ぶ方法もあります。

高気密・高断熱でなくても、北海道の冬は寒くないですか?

北嶺建設はあえて「高気密・高断熱」をうたっていませんが、国が義務付ける省エネ基準(断熱等級4相当)を満たした標準仕様で施工します。この基準は北海道の気候に合わせて設定されているため、ふつうに暖かく暮らせる必要十分な性能を確保できます。「最高等級までは求めない、省エネ基準を満たした標準仕様で性能と予算のバランスを取りたい」という方に向いた家づくりです。もちろんご希望に応じて、より高い断熱仕様へのグレードアップもご相談いただけます。

JIO検査は何回受ける必要がありますか?

住宅瑕疵担保履行法にもとづくJIO検査は、一般的に基礎配筋時と躯体工事中の計2回実施されます。土台の緊結状況や柱頭・柱脚の金物など、構造に関わる重要な項目が検査の対象です。

新築注文住宅の費用感や工期の目安は?

建物の規模・仕様・敷地条件によって異なります。今回の母娘向けコンパクト住宅は、参考価格2,500万〜2,800万円・工期約4か月の事例です。なお、この価格は建築当時のもので、近年の建築資材の高騰により、現在は同じ条件でも価格が変わります。最新の費用感は、お見積り・現地調査(ともに無料)でご確認ください。

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この記事を書いた人 村松 拓海(有限会社北嶺建設 工事部長)
札幌市清田区を拠点に、新築・リフォーム・解体・排水管洗浄・除排雪まで現場を統括。 保有資格:石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者 ほか。

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