【流行りもの工事は止めとけ③】ウッドデッキ ― 憧れだけで作ると後悔する理由

はじめに

一戸建て住宅を建てるとき、あるいはリフォームのタイミングで、 「ウッドデッキをつけたい」というご要望は今も多くあります。

庭とリビングをつなぐ開放的な空間、アウトドアリビング的な使い方。 写真映えもするため、SNSや住宅雑誌でよく目にします。

ただ、当社が実際に現場で見てきた結果としては、

「作ったことを後悔している」という声も少なくない

というのが正直なところです。

今回は、現場側から感じていることを書いてみます。

ウッドデッキで起きやすいこと

■ 数年で傷みが始まる

木材を屋外に設置する以上、劣化は避けられません。

特に問題になりやすいのは、

  • 雨や雪による腐朽
  • 紫外線による塗装の剥がれ
  • 凍結・解凍の繰り返しによるひび割れや反り

北海道の気候は、本州と比べても木材への負担が大きく、 適切なメンテナンスをしないと、5〜7年で板の交換が必要になるケースもあります。

■ メンテナンスが想像より大変

ウッドデッキは「作って終わり」ではありません。

維持するためには、

  • 定期的な塗装(1〜3年に一度が目安)
  • 腐った板の部分交換
  • 下地・根太部分の状態確認

が必要です。

業者に頼めば費用がかかり、 自分でやるには時間と体力が要ります。

「気づいたら手入れできていなかった」という状態になると、 腐朽が下地まで進み、撤去費用も含めて大きな出費になることがあります。

■ 実際にはほとんど使わない

これは正直なところですが、 ウッドデッキが「よく使われている」お宅は、 改修の現場を見ている限り、それほど多くありません。

  • 夏場の虫の多さ
  • 雨・風の日は使えない
  • 冬季は積雪で使用不可(北海道の場合)
  • 家の中の方が快適

という理由から、年間を通じた使用頻度が低くなりがちです。

特に寒冷地で注意が必要な点

■ 雪の重みと凍害

札幌近郊では、冬季の積雪がウッドデッキに直接のダメージを与えます。

  • 雪の重みによる構造的な歪み
  • 雪解け水の板への浸透
  • 氷が溶ける際に木材が膨張・収縮を繰り返すことによる割れ

耐久性の高い広葉樹材(イペ・ウリンなど)や樹脂製デッキであれば多少耐性がありますが、
一般的な針葉樹系(SPF材など)のウッドデッキは、
北海道の冬には特に厳しい環境です。

■ 建物外壁との取り合い

ウッドデッキが外壁に接続されている場合、 取り合い部分から水が入るリスクがあります。

デッキ上に溜まった水や雪解け水が、 外壁と床の境目から浸透し、 土台や壁内部を傷めてしまう事例もあります。

ではどうすればよいのか

ウッドデッキ自体を否定するつもりはありません。

ただ、検討する際には以下の点を整理しておくことをお勧めします。

  • 本当に使うか:季節・ライフスタイルを踏まえて現実的に考える
  • 維持費を見込んでいるか:初期工事費だけでなく、10年間のメンテナンス費用も含めて考える
  • 素材選びは慎重に:天然木の場合は維持管理が必須。樹脂系・アルミ系は初期費用が上がるが耐久性が高い
  • 外壁との取り合いを丁寧に施工する:後から水が入りやすい納まりになっていないか確認する

どうしてもウッドデッキをつけたい場合でも、 規模を小さくしたり、後付けで追加する形にするなど、 「まず様子を見る」という選択肢もあります。

まとめ

ウッドデッキは、見た目のよさや理想のライフスタイルへの憧れから、 一定の人気が続いています。

しかし現実には、

メンテナンスの手間・費用、使用頻度の低さ、寒冷地特有の劣化

という課題と向き合うことになります。

流行や見た目だけで採用するより、 長く使えるかどうか、維持できるかどうかを 事前にじっくり考えることが大切だと感じています。



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