リフォームの打ち合わせでは、お客様から次のようなご希望をいただくことがあります。
「キッチンの壁を濃いグリーンのタイルにしたい」
「カウンターや収納を、明るい木の雰囲気に変えたい」
「図面だけでは完成した状態を想像しにくい」
床材や壁紙、タイル、建具の小さな見本を見るだけでは、部屋全体がどのような印象になるかを正確に想像することは簡単ではありません。
北嶺建設では、必要に応じて現況写真、人が描いた建築パース、画像生成AIを組み合わせ、リフォーム後の方向性を確認するための参考画像を作成しています。
今回は、実際のキッチン・ダイニングの写真をもとに素材を変更した例と、マンションリフォーム用に描いた手描きパースを写真に近い画像へ変換した例をご紹介します。
※掲載している生成画像は、完成後を保証する正式な完成予想図ではありません。色や雰囲気を共有するための参考資料です。
キッチンの色や素材は、小さな見本だけでは分かりにくい
キッチンリフォームでは、扉の面材や壁のタイルを変更するだけでも、室内全体の印象が大きく変わります。
しかし、カタログの小さな色見本だけを見ても、
- 木の色が部屋に合うか
- 濃い色のタイルで暗くならないか
- 天井や床の木目と調和するか
- キッチン全体が重たい印象にならないか
といった点までは、なかなか判断できません。
そこで今回は、実際のキッチン・ダイニングの写真をもとに、お客様の希望を画像上で確認しました。
実際のキッチン・ダイニング

現在のキッチンは、白い扉と白いタイルを基調とし、中央のカウンターには濃い色の面材が使われています。
天井には木目があり、ダイニングテーブルや床にも木の素材が使われているため、室内全体には温かみがあります。
今回、お客様からは次のようなご希望がありました。
- キッチン正面の白いタイルを濃いグリーンにしたい
- 中央カウンターの面材をベージュ系の無垢材にしたい
- キッチン本体と吊り戸棚も同じ木の雰囲気にそろえたい
文章で聞けば内容は分かりますが、すべてを組み合わせた状態は、実際に見てみなければ判断しにくいところです。
写真をもとに素材を変更したイメージ

画像では、次の部分を変更しています。
- 中央カウンターを明るいベージュ系の木質面材へ変更
- キッチンの扉を同じ木質系の色へ変更
- 吊り戸棚も同じ色と木目に統一
- キッチン正面を濃いグリーンのタイルへ変更
濃いグリーンのタイルは存在感がありますが、カウンターや収納を明るい木の色にすることで、暗くなりすぎず、自然素材の温かさを感じる組み合わせになりました。
既存の木目天井ともつながりが生まれ、キッチンだけが浮かず、ダイニングを含めた空間全体で色を確認できます。
画像で確認できたこと
今回のイメージ画像によって、次のような点を確認しやすくなりました。
- 木目天井と新しい面材の相性
- 濃いグリーンと明るい木の色のバランス
- 黒いレンジフードとの組み合わせ
- ダイニング家具を含めた室内全体の印象
- 白い天板を残した場合の見え方
単品の材料見本だけでなく、既存の床・天井・家具と一緒に見ることが重要です。
同じ内容を手描き水彩風でも確認

同じキッチンの変更内容を、手描きの水彩パースに近い表現へ変換しました。
写真に近い画像は、完成後の雰囲気を直感的に確認しやすい一方、細部まで完成形として受け取られやすい面があります。
手描き風の画像には、細かな仕様がまだ確定していない段階でも、色や素材の方向性を柔らかく共有しやすいという利点があります。
写真風と手描き風の違い
写真風の画像は、次の確認に向いています。
- 部屋全体の明るさ
- 素材同士の色合わせ
- 家具を含めた生活空間の雰囲気
- 完成後に近い視覚的な印象
一方、手描き水彩風は、次のような場面に向いています。
- リフォーム初期の方向性を相談するとき
- 複数の配色案を比較するとき
- まだ商品や品番を決めていない段階
- 完成形を断定せず、イメージを共有したいとき
どちらが優れているということではなく、打ち合わせの段階や目的によって使い分けます。
人が描いたパースを、写真に近い画像へ変換する方法
画像生成AIは、現況写真の色を変更するだけではありません。
人が描いた建築パースをもとに、完成後の雰囲気を写真に近い形で表現することもできます。
ここからは、マンションリフォームの検討時に作成した例をご紹介します。
リフォーム前のマンション室内

リフォーム前の室内には、和室や既存の間仕切り、建具などがありました。
この状態から、室内をどのように改修し、リビング・ダイニングとして使うかを検討します。
実際のリフォームでは、写真だけを見るのではなく、
- 残す壁と撤去を検討する壁
- 和室と居間のつながり
- キッチンとの位置関係
- 建具や収納の位置
- 天井や照明の計画
- 家具を置いた場合の動線
などを整理する必要があります。
人が描いたリフォーム後のパース

このパースは、人が室内の計画を考えながら描いたものです。
左側にキッチンとカウンターを配置し、中央に建具と収納、右側にテレビ台を配置しています。
天井にはダウンライトを設け、床やカウンターには木の色を取り入れています。
手描きパースには、設計者が考えた空間構成や意図が表れます。
AIが何もないところから間取りを考えたものではなく、まず人が室内の使い方や配置を検討し、その内容を絵として表現しています。
手描きパースから生成した写真風イメージ

手描きパースをもとに、室内を写真に近い表現へ変換しました。
キッチンカウンター、中央の建具、収納扉、右側のテレビ台など、手描きパースの配置を参考にしています。
床や壁、建具の色を自然な住宅内装として表現することで、図面や手描きパースを見ることに慣れていない方にも、空間の雰囲気が伝わりやすくなります。
ただし、生成画像では、元のパースにない形状が追加されたり、建具や収納の寸法が変わったりすることがあります。
そのため、生成画像だけを見て工事内容を決めることはできません。
大切なのは、AIに設計を任せることではありません
画像生成AIを使うと、見栄えのよい室内画像を短時間で作ることができます。
しかし、住宅リフォームで本当に重要なのは、画像の美しさではありません。
重要なのは、
- 現在の建物がどのような状態か
- どの壁や設備を変更できるか
- お客様がどのように暮らしたいか
- 希望する材料を実際に施工できるか
- 予算内でどこまで実現できるか
- 施工後に不便が生じないか
を、人が現地で確認して判断することです。
AIは、構造、配管、配線、下地、施工方法、正確な寸法までは判断できません。
北嶺建設では、AIに工事内容を決めさせるのではなく、人が考えたリフォーム計画を、お客様に分かりやすく伝えるための補助資料として使用します。
現況写真・人のパース・AI画像は役割が異なります
現況写真
現在の建物や部屋の状態を記録する資料です。
実際に存在する壁、床、設備、窓、建具などを確認できます。
人が描いた建築パース
設計者や施工会社が考えた、空間構成や工事後の方向性を表現します。
配置や意図を整理するために使います。
AIによる写真風イメージ
色、明るさ、素材、家具を含めた室内の雰囲気を、直感的に確認するために使います。
この3つは、どれか一つで代用できるものではありません。
それぞれの長所を組み合わせることで、お客様と施工会社の間で、完成後の認識を共有しやすくなります。
AI画像で分かることと、分からないこと
確認しやすいこと
- 室内全体の色合い
- 床、壁、建具、家具の組み合わせ
- 明るい雰囲気か落ち着いた雰囲気か
- アクセントタイルの存在感
- 家具を配置したときの大まかな印象
- 家族間で希望を共有するための方向性
判断できないこと
- 正確な寸法
- 構造上撤去できる壁かどうか
- 配管や配線の位置
- 下地や内部の劣化
- 実際の材料の色や手触り
- 正確な照明の明るさ
- 商品の品番や納まり
- 正確な工事費
- 画像どおりに施工できるかどうか
画像に描かれている内容が、すべて見積もりや工事に含まれるわけではありません。
使用する製品や材料、施工範囲は、見積書、図面、カタログ、実物見本などで改めて確認します。
画像を使った提案が役立つ方
次のような方には、現況写真やパースをもとにしたイメージ画像が役立つ場合があります。
- 完成後の部屋を想像しにくい
- 図面や材料見本だけでは判断しにくい
- キッチンの扉やタイルの色に迷っている
- 和室を洋室に変更したい
- 家族で希望する内装が異なっている
- 家具を置いた状態も確認したい
- 手描きパースをもう少し分かりやすく見たい
- 工事後に「思っていた雰囲気と違う」となることを減らしたい
すべての工事で画像を作成するわけではありませんが、色や空間の方向性を共有しにくい場合には、有効な方法の一つです。
札幌市・近郊の住宅リフォームをご相談ください
北嶺建設では、札幌市内を中心に、北広島市、江別市、恵庭市などで住宅リフォームのご相談を承っています。
キッチンや室内の見た目を変えるだけでなく、現在の不便や今後の暮らし方を確認し、施工できる内容と費用を整理しながらご提案します。
「キッチンの色を変えた状態を見てみたい」
「手描きのパースでは完成後を想像しにくい」
「現在の部屋の写真から、改修後の方向性を確認したい」
このような場合も、まずは現在の状況とご希望をお聞かせください。
現地調査を行い、画像で表現した内容と実際に施工できる工事を照らし合わせながら検討します。
まとめ
リフォームでは、同じ間取りでも、床、壁、タイル、キッチン面材、家具などの組み合わせによって、部屋の印象が大きく変わります。
今回のキッチン事例では、現況写真をもとに、濃いグリーンのタイルとベージュ系の木質面材を組み合わせた状態を、写真風と手描き水彩風の2種類で確認しました。
マンションリフォームの例では、人が描いたパースをもとに、写真に近い室内イメージを作成しました。
画像生成AIは、図面や現地調査に代わるものではありません。
人が考えたリフォーム計画をお客様へ分かりやすく伝え、完成後の認識のずれを減らすために使うことが、建設会社としての適切な活用方法です。
よくあるご質問
AIで作成した画像どおりに工事できますか?
画像は、色や雰囲気を共有するための参考資料です。
建物の構造、寸法、配管、配線、下地の状態などによっては、画像どおりに施工できない場合があります。現地調査後に、実際に施工可能な内容へ調整します。
自宅の写真からリフォーム後の画像を作れますか?
工事内容や検討状況に応じて作成する場合があります。
ただし、すべてのご相談で作成するものではありません。まず現地の状態とご希望を確認し、画像による確認が有効な場合に提案資料として使用します。
生成画像に描かれた家具も見積もりに含まれますか?
原則として、画像に配置された家具、カーテン、ラグ、観葉植物などは、室内の雰囲気を表現するためのものです。
見積書に記載されていないものは、工事費には含まれません。
タイルや木の色は画像どおりになりますか?
画面の表示環境、照明、日差し、生成処理などによって、実際の材料とは色が異なります。
最終的な材料は、メーカーのカタログやサンプル、実物見本などで確認します。
手描きパースとAI画像のどちらが正確ですか?
目的が異なるため、単純には比較できません。
手描きパースは、人が考えた配置や設計意図を表現するために適しています。AI画像は、色や素材、室内全体の雰囲気を視覚的に伝えることに向いています。正確な工事内容は図面、採寸、現地調査で確認します。
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